「ほぼ日マンガ大賞2012」に、
たくさんの応募をありがとうございました。

雑誌の連載や単行本の発売も約束されていない、
ちょっと変わった「マンガ賞」に
どのくらい応募があるのだろうかと心配していたのですが、
最終的に、約1000通もの応募がありました。
ほんとうに、どうもありがとうございました。

すべての応募作品を審査いたしました。
審査員は、募集のときにお約束いたしましたとおり、
糸井重里と、ほぼ日刊イトイ新聞の乗組員全員で行いました。

一次審査、二次審査と乗組員が審査を進め、
(思った以上に時間がかかってしまって、
 すいませんでした!)
最後に残った作品をすべてプリントアウトし、
机にならべて、糸井を中心に、最終審査をいたしました。

結果をご報告いたします。
まずは、糸井重里の「総評」をお読みください。

 




 

個人的に、「文句なしで大賞」と呼べる作品がなく、
ほかの乗組員のみんなとずいぶん話し合いました。

こういう言い方が妥当かどうかわからないのですが、
今回の応募作品は、全体的に、
「読み手に甘えている」ものが多かったように思います。

「ほぼ日の読者や、乗組員だったら
 このマンガをよく見てくれるかもしれない」
「こういうものも、ひとつの『味』として
 おもしろがってくれるのでは?」
もっといえば、
「ほぼ日だから、これでいいや」という
気配をもつ作品が、多かった。

ぼくが、どこでそれを感じたかというと、
「絵」です。
ぼくは『マンガは絵だ』とよく言うんですが、
やっぱり、マンガって「絵」なんです。
その、とっても大事な「絵」を
大事にしていない作品が、ほんとうに多かった。

それは、上手いとか、完成度が高いとか、
そういうことではありません。
たとえデッサンがくるっている「絵」でも
その人が表現したいなにかがあって、
ぜひ表わしたいものとして描いてあれば、
その「絵」はいいと思う。

でも、「本気」とは違うところで描かれた絵が
多かったように思うんです。
なんていうか、もっと磨こうよ。
せっかく、たくさんの人に見てもらえる機会なんだから、
描き直したり、推敲したりすることも含めて、
もっと磨いたものを送ってくれ、と。

それで、今回は
「見てもらうものとして絵が描かれているか」
ということを、ひとつの基準として審査しました。
ちょっと厳しい言い方になってしまったかもしれませんが、
「思いやり審査」は、しないほうがいいと思いましたので、
ちょっと、ストレートに言わせてもらいました。

次、またやると思います。
ぜひ、すばらしい作品を準備していてください。
たくさんの人たちを、よろこばせてください。


審査の基準、コンセプトをみんなで確認しつつ、
乗組員ひとりひとりの個性や好みを言い合いつつ、
じっくりと審査し、最後には、みんなが納得して、
大賞1名、入選3名を決定いたしました。
最後の最後まで審査の残り続けた33作品を
佳作とさせていただきました。

たいへん、お待たせいたしました。
それでは、受賞者の発表です!

 









◉ 作品紹介 ◉
いつもどこでも男の前に現れる、
宇宙人のようなふたり。
一コママンガの連続のようで、
全体がまたループしているようで‥‥。
なんだか、不思議な気持ちになる作品です。


入賞したりなんかしちゃったらいいなぁ、
なんて思っていたところの大賞で恐縮、驚愕です。
ありがとうございます!!!
この作品は、ある日とつぜん、
男の目の前に正体のわからないふたりがただただいる、
という内容の言葉の無いマンガです。
名前も目的も何もわからないまま、
大きいほうと小さいほうは男の前にいます。
ただただいます。
なんとも知れない気分になってもらえたら
うれしいです。








◉ 作品紹介 ◉
あーちんさんは、現在9歳のマンガ家さん!
6年間書き続けている「くまお」。
ただかわいいだけでなく、
不思議な言い回しや、独特の価値観に、
「もっと読みたい」という気持ちに
させられました。

はじめまして あーちんです。
選んでくれてありがとう!!
3さいくらいから、ずっとくまおを描いています。
くまおをよろしくね。



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◉ 作品紹介 ◉
町内会長のおうちにいきなりあの人が‥‥!
シャンプーしているときに、そんな話‥‥!
テンションは低いが、つい笑ってしまう。
受賞者の有田カホさんは、
7年前の「第1回 ほぼ日マンガ大賞」でも入選。

「第1回 ほぼ日マンガ大賞」から7年を経て
ふたたびほぼ日さんとご縁をいただけたことを
たいへんうれしく思います。
なんか、2回もすいません。
大人なのに入賞の知らせを見て
「うおーーマジかやった!!!ひえー」
しか言葉が出ませんでした。
日常の中にあるおかしみを描いて行ければなあと
思います。
好きなカップ焼きそばはペヤングです。


>







◉ 作品紹介 ◉
作者の気づきや想像から、
ほんわかした絵がつくりあげられていきます。
そして、なんだか日本の香りがする
1コママンガ。
独特のタッチで描かれた、気持ちのいい風景。

この度はこんな素敵な賞に
選んでいただきありがとうございます!
自分は駄目だった~受賞はどんな作品かなぁと
思っていた矢先の入選のご連絡にびっくり!
うれしすぎて、どう喜んでいいか分かりませんでした。
これを励みに、
これからも楽しんでもらえる作品を作り続けます。
本当にありがとうございます!

わたしは、今回3つの作品を応募しました。
「オノマトペ」は、文字通り、
日常の会話にあふれているオノマトペから、
なんだかどれもちょっと切ないですけれど、
こんな風だったら滑稽だなと思えるような
絵を考えてみました。
「どうぶつ」は、どうぶつと人間が
もっとごちゃまぜに共存したら大変だろうけど、
楽しい暮らし方ができそうだなぁと。
例えば、「ひつじ」を数えて眠ろうとしても、
「ひつじ」だって眠いだろうし、
そんなにたくさんひつじがいたら
気になって眠れないと思って描いた作品です。
また、サンタクロースは
冬以外は何をしてすごしているんだろう、
きっとトナカイをいいようにこき使って
遊んでたりするかもしれない、と描いた作品が、
「サンタの一年」です。









最後の最後まで審査のテーブルに残った
33作品を「佳作」とさせていただきます。
どうもありがとうございました。


「まじょまじょ」
/アビルマリ

「かんさつ日記」
/石井聖岳

「こちらベルリン
 ★熊寿司」
/いち丸

「ヘボソ」
/井上亜矢子

「石たち」
/うめの ほおずき

「Live in town.
 (リヴィンタウン)」
/ おおがゆうこ

「たびものがたり」
/大谷秋人

「自家用ジンギくん」/蛙彦

「ハンコでひと言
 お願いします」
/キタカゼパンチ

「ぞうタンと
 にゃーご」
/欽野

「ウサギバー」
/栗木栗

「ハト様」
/栗原里歩

「うんころもち」
/越川律幸

「glycine」
/こじま かのこ

「田中君マンガ」
/さかぐちつばさ

「アライグマの
 ほほえみ」
/佐原苑子

「トリバンド」
/繁野トム

「DANCER」
/ショーン錦
「あるひの4コマ」
/タコ25

「小さいおじさん」
/タテノカズヒロ

「博士とぼく」
/てらおひとし
「ししまい番長」
/トサカウシ

「ひなたららん」
/hana

「いかめしくん」
/はませのりこ
「サルのコシカケ」
/晴三

「クロスマンガ」
/光トカゲ

「そっち行くの?
 みかん太郎」
/ピュランクツハルク
亭サンダースガチヲ
「あらうんど
 スーパー」
/ひらやましほ

「DOPE SICK」
/masali
「トリニチ」
/マツダユカ
「ピンチでポンチ」
/三木けんじ

「がんばれ新社会宇宙
人マイマイ・デプラ」
/蜜森明雄
「やきゅすき」
/ろぜわいん


大賞、入選された4名の方々には、
今後「ほぼ日」にて、
なにか発表していただく予定です。
みなさま、引き続き、
たのしみにして待っていてくださいね。

最後になりましたが、
応募していただいたみなさん、
ほんとうに、ほんとうにありがとうございました!

2012-06-29-FRI