昨年末の中継にお付き合いくださったみなさん、
お待たせしました!
あのとき、タイムリミットに間に合わなかった
『桃の声』が、ついに完成しましたよー。

読者&視聴者との約束を果たすために、
原田和明さんが
遠く山口からその作品を持ってきてくれました。

糸井重里をはじめ乗組員たちが見つめるなか、
原田さんは大きな箱から「それ」を取り出します。

一同 おおーーーー。
すごいのが出てきた(笑)。
ついに。
みちこ ついに、ついに。
完成したんですね!
原田 きょうみなさんにお見せするために、
徹夜でつくってきました。
ちょうど山口から東京に来る用事があったので、
この機会に間に合わせようと‥‥。
間に合ったんですね。
原田 なんとか、ぎりぎりで。

‥‥ここに、桃を取りつけます。
一同 おおーーーー。
すばらしい桃で。
みごとにプリンとした桃で。
原田 これはメグがつくりました。
メグさんというのは、奥さまのことですね。
原田 はい。
めぐみさんのことは、
わたしたちも大好きなんです。
ぼくだって好きです。
おいしそうなものをつくられているのを
中継で見ました。
原田 ありがとうございます。

‥‥じゃあ、いきますか。
‥‥回しますか。
いよいよ‥‥。
みちこ いよいよ‥‥。
‥‥お願いします。
原田 いきます(ハンドルを握る)。
一同 ‥‥(かたずをのむ)。

  ガチャ‥‥
  ガチャコン‥‥
  ガチャコン ガチャコン‥‥
  ガチャコン ガチャコン ガチャコン‥‥‥‥
   ぷーーーーーーーー
(音に合わせてスーーッと桃が落ちる)
原田 ‥‥‥‥‥‥‥‥これだけです。
一同 わはははははは!(拍手と爆笑)
これ、これをやるために?(笑)
原田 はい。
「虚無の館」みたいな。
すごいなぁ、いや、すばらしいです。
原田 よかったらぜひ、回してみてください。
あ、そうですか、いいですか回して。
じゃあ、失礼します。
  ガチャコン ガチャコン‥‥
  ガチャコン ガチャコン ガチャコン‥‥
   ぷーーーーーーーー
(音に合わせてスーーッと桃が落ちる)
一同 げらげらげらげらー!(拍手と爆笑)
原田 上京してよかったです。
この、むなしさ!(笑)
おならするだけ?
原田 徹底的に、おならするだけです。
おならを科学しました。
おならを科学(笑)。
からくりとしては? ハンドルを回すと‥‥?
原田 ハンドルを回すと、この歯車たちが回わります。
動いてますね、何か仕事をしてますね。
原田 風船にどんどん空気をためているんです。
原田 で、適度に風船が膨らむと
スイッチが押されて弁が開き、
風船の空気が一気に送り込まれます。

 ぷーーーーーーーー
‥‥いい音だなぁ。
原田 風船から出た空気は、
その先のラッパ状のところに流れ込んで
なさけない音がするわけです。
仕事を終えてしぼんだ風船、哀愁がありますね。
ペーソスを感じます。
「屁ーソス」ですね。
一同 ははははは(苦笑)。
みちこ あの、質問なんですけど‥‥。
原田 はい。
みちこ 去年、完成が間に合わなかった
最大の理由はなんだったんでしょう?
原田 最初の設計図では、バネを使う予定だったんです。
それでできると思ってました。
ところが、つくってる途中で
設計図どおりではできないことに気づいて、
「わあ、これはえらいことになった」と。
カメラは中継をつづけてるし。
焦りましたか。
原田 焦りましたねぇ。
ずっと見てたんですけど、
えらいことを引き受けてくれたなと(笑)。
原田 (笑)
だってバレバレですからね、困ってるのとかも。
原田 ほんとうに困ってました。
最終日のタイムリミットまで4時間前くらいで、
「この仕組みはダメだ、作り直そう」
と思って‥‥。
その段階でそう思ったことがすごい(笑)。
原田 完成はできないにしても、
見てくれているみなさんに
ベータ版くらいまではたどりついて
お見せしたかったんですが、
結局ばらばらの部品で終わってしまいました。
無茶をさせて、ほんとすみません。
ありがとうございました。
原田 いやぁ、いい経験になりました。
‥‥あの、ぼくも回してみていいですか?
原田 どうぞどうぞ。
では。

ガチャコン ガチャコン ガチャコン‥‥
 ぷーーーーーーーー
あはははははは!
ぼくも失礼して‥‥。

ガチャコン ガチャコン ガチャコン‥‥
 ぷーーーーーーーー
すごい脱力感です(笑)。
あたしもちょいと‥‥。

ガチャコン ガチャコン ガチャコン‥‥
 ぷーーーーーーーー
サイコー(笑)、サイコーにくだらないです!
作品名はなんでしたっけ?
原田 『桃の声』です。
いいですねー。
これからはおならのことを、
『桃の声』と呼ぶことにしたいくらいですね。
原田 ありがとうございます。
その『桃の声』を、
向こうにいるうちの社員にも
お見せした方がいいんじゃないですか?
そうですね、ぜひそうしましょう!
 
  というわけで、ほぼ日乗組員の憩いの場所、
通称「縁側」に、『桃の声』を持っていきました。

このコンテンツの担当者、
みちこが、「その音」でみんなを誘います。
   ぷーーーーーーーー
   ぷぷーーーーーーーー
  音に気づいてちゃんがやって来ました。
あ‥‥これって、もしかして‥‥。
回してもいいんですか?
原田 どうぞどうぞ。
失礼しまーす。

ガチャコン ガチャコン ガチャコン‥‥
 ぷーーーーーーーー
きゃーーーー(笑)。
   
  笑いと悲鳴がミックスされた奇妙な叫びがさらに人を呼び、
乗組員が次々と『桃の声』を回します。
   ぷーーーーーーーー
おお、びっくりしたぁ(笑)。
   ぷーーーーーーーー
え? なんですか? 桃の‥‥ええ?!
   ぷーーーーーーーー
ぶわはははははははは!
なんじゃこりゃーー!
   
  切りがないのでこのあたりで。

ハラダさん、長きにわたってのお付き合いを
ほんとうにありがとうございました。
完成した作品を紹介できて、うれしいです!

山口に戻ったハラダさんから、こんなメールが届きました。
おもしろいなぁ、ハラダさんは。
ハラダ
みなさま、ありがとうございました!
事務所でお披露目をして、
糸井さんがハンドルを回してくれて
拍手が起こったときには本当に作って良かったー
と感極まって不覚にもボロボロ
笑いそうになりました。
これからもぜひよろしくお願いしまーす。

  それでは最後に、『桃の声』を動画でご体験ください。
50数秒の、ときめくばかばかしさを、どうぞーー!

  たいへんおもしろい試みでした。
あらためて、ハラダさんとめぐみさんに感謝を。
これにてほんとうの、完ケツです。
  (終)


テキスト中継でふりかえる オートマタ作家の10日間。

2011年の12月12日から10日間、
原田さんが作品を作る様子を、
毎日まいにち、ユーストリームで生中継いたしました。

テキスト中継で、その10日間を振り返ることができます。
作家の苦悩、よろこび、やさしい奥さまのご様子などなど、
いつでもみにきてくださいね。

     
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