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 『ハナミズキ』
 一青窈

 
2004年(平成16年)

あれから、約1年が
経ちました。
(背伸びの高校生)

君と好きな人が
百年続きますように


以前『歩いて帰ろう』で掲載していただいた
(背伸びの高校生)です。
あれから、約1年が経ちました。

中学3年生だった彼は今日、
中学校を卒業しました。
『先輩の中で一番好きでした(笑)』
1年前の卒業式の後、
彼が私に送ってくれたメール。
『後輩の中で‥‥』そう打とうとして、止めました。

私の隣には今、彼ではない愛する人が居ます。
恋歌くちずさみ委員会の方が
おっしゃって下さった通り、
彼は私の『懐かしい思い出』になりました。
不思議ですね。
こんなにあっさりと『思い出』に
なってしまうと思いませんでした。
ましてや、たった1年で‥‥

今日、私が家に帰ると中学2年生の妹が、
彼の名を呼びながら走り寄って来ました。
『お姉ちゃん!あのね!!
 ○○先輩と会場で一緒に写真撮ったよ!!』
彼は今、妹の片想いの相手役をしているようです。
あぁ、私も彼を好きだった時、
こんな風に輝いていたのかな、と
少し笑ってしまいます。
どうか、幸せになってほしいものです。

(背伸びの高校生)

いただいた投稿の最後に
こんな追伸がありました。
「P.S. 2度もメールしてしまい、すみません。
 前回掲載していただいた時の皆さんのコメント、
 とても励みになりました。
 ありがとうございました。」

たしか『歩いて帰ろう』のときは
高校1年の投稿者さんと中学3年の男友達と
1年の年齢差を飛び越えることはできずに
あきらめて彼から離れる、というお話でした。
その後日談的に、また投稿をいただけてうれしいです。

以前の投稿でもおっしゃっていたとおり
「飛び越えることができないもの」は
時期によって、変わってくるのですね。
そして、そのことにいちいち
責任をもって、納得していたいなぁと
わたしは思います。

たった1年でなつかしくなってしまった理由は、
そりゃあもう、
いまの彼がおもいっきりステキだからだと思います。

よく言われることですが、
小学校のときの1年はあんなに長かったのに、
大人になってからの1年は
そりゃもう、あっちゅう間です。

たぶん、後輩の男の子のことを思っていた
高校1年生にとっての「1年前」は、
もう、たっぷり昔のことなんでしょうね。

それにしても、同じ男子に
妹さんが恋をするなんて!
もしも少女マンガなら、
イレギュラーな三角関係が発展しそう。

そして、前回の投稿もそうでしたが、
文体がとっても大人っぽい。
その文体の年齢と実際のそれが
同じくらいになったとき、
なにを感じ、なにをどう書くのでしょうか。

恋が消えたあとに残る、
あたたかな感情。
『ハナミズキ』のシーンが似合う
シチュエーションって、
そっか、こういうことなんだなあ。
あらためて歌詞を読んで、
あらためて投稿を読んで、
そんなことを考えました。

(背伸びの高校生)さん。
うん、すごくオトナだと思います。
「愛する」という言葉の
なんだか自然な使い方にびっくり。
憧れの先輩ができた妹への
あたたかい視線にもびっくり。

「彼」よっぽどかっこいいんだろうなー!
その「彼」が憧れた(背伸びの高校生)さんも
きっととてもすてきなんだろうなって思いました。

(背伸びの高校生)さんは、
背伸びなんかしてないんでしょうね、ほんとは。
だって、いただいた文章に、
つま先立ちをしている印象がありませんから。
身の丈で書いてくださっていると思います。

ともあれ、
いま愛する人がとなりにいる。
そのことに、
「たのしく幸せに!」と言いたいです。

妹さんの登場には、びっくりしましたよ。
その片思い、どうなるんでしょう?
こういう言い方はへんですが、
おっもしろいですねー、人生は。

と、高校生の女の子とわれわれ40オーバーが、
様々なものをとっぱらって
人生の話ができる「恋歌くちずさみ委員会」は、
やっぱりすてきなコンテンツです。
前回も感謝しましたが、重ねて感謝を。

秋深し。
次の更新は水曜日です。
またお会いしましょう。

2014-10-18-SAT

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