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 『せつなくなぃ?』
 DREAMS COME TRUE

 
2010年(平成22年)
 アルバム『LOVE CENTRAL』収録

私もいつか新しい恋を
したいと思います。
(snowy)

まじめに恋してるつもりでも
まじめに好きと思ってても
いろんなことは あるんだよね
せつなくなぃ?


大好きな人がいました。
その人は音楽をやっている人で、
10歳以上離れていました。

出会ったときにはとても大人に見えて、
今よりずっとずっと子供だった私は
早く彼に追いつきたいと思いました。

大好きで大好きで、彼に会いたくて、
会えるとわかればダイエットをしたり
メイクを研究したり、本当に一生懸命でした。

会って話せば、彼はとても優しくて、
ますます好きになる私。
会えることだけを楽しみにして、
毎日毎日がんばっていました。

当時の写真は、どれもみんな楽しそうです。

告白したわけでも、
具体的に何かがあったわけでもありません。
ただただ、まっすぐに
彼のことだけが好きだっただけでした。

彼を好きでいることで学んだことは多く、
今の私を作ってくれた、きっと運命の人でした。

当時は学生だったので、
ごく親しい仲間には話して応援してもらっていたものの、
現実に叶わない恋だととどこかでわかっていながらも
彼以外の人を好きになれず、もうすぐ10年になります。

友達の多くが結婚してそれぞれの家庭を作っている今、
もう気軽にこんな悩みも話せず、
私はすっきりしないまま今に至ってしまいました。

風の噂では、彼にはかわいい奥様がいるとか。

もし叶う恋だったのだとしても、
私は彼が大好きで彼は大切な人だから、
その人の大切なものを壊そうとは思わない。

好きにならなければよかった、
出会わなければよかった、
そんな風には思わないけれど、
想いが消えるわけじゃない。

もしかしたら、私は一生分の好きを
使い切ったのかもしれません。
今でも、どこかで会えないかな、と思う自分がいます。

その時、胸を張れない自分でいるのは嫌だから、
やっぱり毎日頑張っているのです。

一生懸命まじめなのが私の取り柄で、
一生懸命まじめに彼を好きだったけど、
でも叶わないことはある。

ドリカムのこの曲を聴いたとき、
それまで言葉にならなかった想いが
形になった気がしました。

せつないけど、せつないけどでも、
私もいつか新しい恋をしたいと思います。

そして、いつかまたどこかで彼に会うことができたら、
ありがとうと伝えたいと思っています。
(snowy)

好きで好きでどうしようもなかったんだねー。
でも
「もしかしたら、私は一生分の好きを
 使い切ったのかもしれません」
って、そんなことはないですよ、きっと。
恋情のタンクは無尽蔵。
恋の源泉かけ流し、OKです。
というか、アレは、
どっか異次元空間からやってくるんじゃない?
どっかんどっかん湧いてくるから大丈夫。

DREAMS COME TRUEのこの曲は
ぼくはまったく知らなかったのですが、
「飲み会」「王様ゲーム」「卒業式」が
歌詞に出てくるんですね。
たぶん大学時代の片恋の歌。
「せつなくなぃ?」の最後の
「ぃ」が拗音表記なのはこういうものみたい。
どう発音するんだろ。

「恋情のタンクは無尽蔵」って、名言だわ。
そうよ、無尽蔵!!

「どこかで会えないかな」と
書いておられるということは、
いまは頻繁に会える関係じゃないのでしょうか。
思いきって会ってみたら
「あんがいちがうかも」
「思いつづけてたけど、まちがってた」
という気持ちになったりするのかな‥‥いや、
「やっぱりすてきだ」と思っちゃうかも‥‥怖いですね。

でも、片想いというものは
人生に力をくれるものだと私は思います。
それがあってこその、人間の肉づきです。
おもしろさも急上昇です。
またあたらしく、まるごと好きになってくれる人が
いると思います。

わぁ、もう、
言うべきことを上のふたりがぜんぶ言ってる!
ぼくも、「無尽蔵」に賛成。
ある日ふと、どかんと次の恋がやってくるんだと
思います。
更新されるんですよ、きっと。うん。
しかも、これだけ真面目に頑張る
(snowy)さんですから、
なんだかまた、スペシャルな人に出会いそう。
「一生懸命まじめ」な人は、
ちゃんと幸せになれると思うんです。うん。

それにしても、10歳以上としうえのその彼は、
いい男だったんでしょうねぇ。
人を成長させるほどの影響力がある人って、
そうそういるものではないです。
同性からも人気があったんじゃないでしょうか。
そんな気がします。

世界中の、かなわなかった恋の数と、
かなった恋の数を比べたら、
そりゃぁ、かなわなかった恋の数のほうが
多いんだと思います。
夢や願いもしかり、かな。

しかし、人々の恋や夢にまつわる話が
おおむね絶望的ではないのは、
確率や大小を超えて、
「よかったこと」を
きちんと人が重んじるからではないでしょうか。

つまり、10回恋愛して10回かなう、
なんてことを人は総合的にはもとめてなくて、
(そのときどきでは
 かけがえのない1回だから
 切実にもとめると思いますが)
最後にめぐりあった人や、
ある日、かなった小さな願いや、
かなってはじめて
「ああ、そう願ってたんだ」
とわかるようなささいな思いを、
「よかった」と芯からかみしめるので、
この世の中は、かなってない割合ほどには
ドーンとうちひしがれているわけじゃない。

意図せずまわりくどくなりましたが
(よくあることですが)
かなう恋は、しばしば、
ひょいとめぐりあうように思います。
世界中、ひとりひとり、ひとつひとつ、
そういうバランスで保たれてるはず、です。

まじめすぎる終わり方もなんなので
野球の話をつけくわえると、
イチローの生涯打率が三割五分だとしてさー、
彼は六割五分も凡退した選手だ、なんて
誰が言うのかっちゅう話です。

恋歌くちずさみ委員会、
次回は、ええと、土曜日の更新ですね。
それでは。

2014-07-09-WED

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