書籍化とCD発売のおしらせ 恋歌くちずさみの広場 こちらをクリック 文庫本『恋歌、くちずさみながら。』を購入する方はこちらからどうぞ。 文庫本『恋歌、くちずさみながら。』を購入する方はこちらからどうぞ。

 『雪の華』
 中島美嘉

 
2003年(平成15年)

彼はまさに
私の星でした。
(道産子M)

そろそろこの街に
君と近づける季節が来る


私の中学生〜今年の話です。
長くなりますが、ご容赦ください。

中学3年間同じクラスだったKくん。
私がはじめて彼と付き合ったのは、高校2年の時でした。

中学ではファンクラブもあるほど、
モテモテだったKくん。
勉強もできて、スポーツ万能で、
私にはまぶしい存在でした。
私はというと、勉強しかしないガリベン女子。
趣味もラジオと漫画という100%オタクでした。
そんな私が、高校2年の時になんとKくんから告白されて
付き合うことになりました。
私も彼も初めてつきあった相手ということもあり、
好きなのに、恥ずかしすぎてうまくしゃべれなくて。
どきどき、ふわふわして、
どうしていいかわかりませんでした。
帰る方向が一緒なのにバスの時間をずらしたりして。
結局付き合ったといっても
きちんとしたデートもするわけでもなく
恥ずかしすぎて私から
「大学受験で勉強しなきゃいけないから!」
と別れを切り出してしまいました。

次に彼と再会したのは、大学2年の夏休み。
中学の同窓会があったのですが、
私は都合で参加できなくて。
そのときにKくんが
「あいつ、東京にいったんだろ?
 会いたいんだけど
 だれか連絡とってるやついる?」
と幹事にきいてくれたとのことでした。
それからまた連絡をとって、付き合うことになり、
また恥ずかしくて別れを告げ・・・
大学の時に会ったKくんは、
ますますかっこよくなっていて、
頭も良くて、おもしろくて。
別れた後も、東京でさびしくなったら、
声をききたくて電話しちゃったりして。
就職の悩みも、彼氏の悩みも、
誰に相談するよりもKくんの答えが聞きたくて。
同い年なのに、いうことやること全てしっかりしていて、
私は誰よりも頼りにしていました。

今思えばKくんに甘えすぎていました。

社会人になって3年目、3回目の告白をされました。
そして付きあったのですが
私は東京で、Kくんは北海道。遠距離恋愛です。
仕事にやっと慣れてきたところ、
毎日残業、土日は友達と遊んで習い事して・・・
東京での生活が充実するにつれ、
電話もメールも減ってしまいました。
でも地元が好きな私は2ヶ月に1回、
地元に帰って会っているので大丈夫! と
思っていました。

その年のクリスマス、私は帰省してKくんと会いました。
北海道は大雪。
他愛もない会話をしながらのドライブをしていました。
その時に車の中できいた曲が中島美嘉の雪の華です。
その時は、二人で「なんて北海道のクリスマスに
ぴったりの曲なんだろうね」って言っていました。
特にくっつくのが恥ずかしかった私には、
「君と近づける季節がくる〜」の歌詞が
なんかわかるというか、すごく納得して聞いていました。
ごはんを食べてから車を停めて
二人でしゃべっていたとき、突然Kくんが
「北海道に帰ってこないか」と言ったのです。
「えっ・・・」
Kくんのことは本当に好きでしたが、
正直東京の生活にかなり未練がありました。
今のままではだめなのか、その後何度も話し合いました。
二人で出した結論は、お別れ。。。
その後も友達として関係が続くと思っていたのですが、
さすがに辛い、と言われ
私から連絡をとることもありませんでした。

昨年私は30歳になりました。
Kくんと別れてから、東京でいくつかの恋をして、
いくつかの別れがありました。
そしてわかったのは、自分の未熟さ、稚拙さ。
私は自分にコンプレックスがあるので、
恋愛をしてもなかなか全てを
さらけ出すことができなくて。
付き合うといっても表面的なお付き合いが
多かったように思います。
そしてKくんの時も、
ずっと知っている人だったからこそ、
「恥ずかしい」とか言って
大切な話をはぐらかしていたと思いました。
あの時もっときちんと深い話をしていたら、
あの時もし北海道に帰っていたら・・・
もしもっと大人になれてたら・・・
どうしようもない思いがいっぱいでした。

今年一月、仕事で大きなプロジェクトが終ったときに、
ふとKくんのことを思い出して
手紙を書きました。
その手紙に、近況と「今更だけど本当にKくんのこと、
人として、男性として好きだし尊敬してるよ。
本当に今更だけど人を好きになるって
30歳になってやっとわかったよ。」
と書きました。
それは、Kくんともう一度
付き合いたいという思いではなく、ただただKくんに
感謝の気持ちを伝えたかったからという
私の勝手な思いででした。
返事は期待していなかったのですが、
2月の中旬に彼から手紙がきました。
手紙はすごい細かい文字で、びっしり書かれていました。
その中に
「手紙を読んでM(私)が
 すごく大人になったと感じた。
 『もし』とか『こうだったら』とか
 あんまり好きじゃないけど、彼女がいなかったら
 また会いに行ってたのかなって、
 いろいろ考えちゃった。でも俺は不器用な男だから、
 今会いにいくことはできません。
 俺は今まで一度もM(私)を
 嫌いになったことはありません、
 中学の時から好きな、憧れの人です。
 今の俺は別の愛する人を
 一生懸命愛そうと思っているけど
 同じくらいM(私)の幸せも願ってます」
と書いていました。
この手紙を読んで、涙があふれました。
本当に素敵な人だったんだ。
でも自分の運命の人ではなかったんだ。

中島美嘉の雪の華に
「もしキミを失ったとしたなら、
 星になってキミを照らすだろう
 笑顔も涙に濡れてる夜もいつもいつでもそばにいるよ」
という歌詞があります。
彼はまさに私の星でした。
今まで思ったことがなかったけど、
私も彼にとってそうありたいと思いました。

恋愛くちずさみ委員会の、
好きだけど結婚していなかったり
失恋したりという皆さんの投稿を読んで、
私もこの想いを忘れずに、
前向きな恋愛をしていこうと思いました。

長文失礼しました。
(道産子M)

Kくん、でっかい男ですね。
正直で、まっすぐで、ちゃんと考えて
結論を出すことができて、それを守ることができて。
最後も、KくんはMさんのこと、好きなまま、
別れることを決めたんだろうなあ。

「もし」や「こうだったら」って、
やっぱり、ないんですよね。
それでもそのことを、ときどき思います。
思わずにはいられない。
でもやっぱり、あらゆることにおいて、
ないんだと思うんです。

アンサーソングみたいだけど
Mさんに一曲プレゼントするとした
さだまさし「主人公」かな。
聞いてみてください!

ありゃりゃー。
そんなにモテモテでまぶしかったKくんを
そんなに何度もふるなんて。
こんなに何度も告白してくれるってことないですよ。
しかも最後の手紙が「すごく大人になったと感じた」。
恥ずかしすぎて、という気持ちを
Kくんはビシッと受け止めてくれてたんですね。
いい男性とご縁があってすばらしい!

私は成就だけが恋の道じゃないと思います。
そう願って叶うのがいちばんなんでしょうけども、
まあ、シンデレラはハッピーエンドの「その後」が
ありますし。
長くともにいれば、
切った張ったの大騒ぎが多かれ少なかれありますし‥‥。
「あったかい気分になる」っていうの?
そういうのが恋の思い出としては
もっともよいと思うんですよねー。

Kくんと話してみたいなあ、と思いました。
ちょっと失礼な質問かもしれませんけど、
「Mさんのどこがいいの?」って、
とっくり聞いてみたら
どんな答えが返ってくるんだろう、と。
きっと、おもしろいことを
いろいろ語ってくれるんじゃないかなあ。
たぶん、Mさん本人が
まったく意識してないようなこととかを。

ある人をずっと好きでいるうちに、
恋愛という分野から少しずつ離れて、
なんだかライフワークのように
なってしまうことって
あるんじゃないかと思いました。
投稿、ありがとうございました。

Mさんの投稿でぼくが思い出した曲は、
‥‥何度もこればかり言って恐縮なのですが、
『木綿のハンカチーフ』でした。
いただいた投稿の場合は男女の立場が逆ですけれど。

「恥ずかしくて」という理由で
大切な話をはぐらかしたことを
Mさんは後悔しているのかもしれませんが、
「恥ずかしくて」となっちゃうところも含めて
KくんはMさんが好きだったんだと思います。
ですからその意味でも、
「もしも、あのときこうしていたら」っていうのは
やっぱり、ないんですよねぇ‥‥。
それができなかったからこそ尊いというか‥‥。

スガノさんの「成就だけが恋の道じゃない」。
これに強く同意します。
「かなわなかったからこそ手に入れられる宝物」と、
「たいせつに育てて手に入れる宝物」、
その2種類があるのかな、と。

今回も、たっぷりと読みごたえのある投稿を
ありがとうございました。
それでは、また。
次は土曜日にお会いしましょう。

2014-06-11-WED

最新のページへ
感想をおくる ツイートする ほぼ日ホームへ
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN