『空を読む』
 DREAMS COME TRUE

 
2005年(平成17年)
 *シングル『何度でも』カップリング

彼には、宿舎からみえる
海と空の写真を送りました。
(ぽれぽれ)

思い通りにいかなくても
愛する人に伝えたいことが
明日が読めるわけでもないのに
多分わたしに上を向かせる


大学の入学式で隣になった彼と、
大学4年の冬になって、急に仲良くなりました。

それまで食事を共にしたこともなかったのに、
急にスキーに誘われて、ふたりで出掛けたり、
ずっと男の人と行くのに憧れていた
プラネタリウムに付き合ってもらったり‥‥。

彼との話は尽きなくて、
過去を振り返るのが苦手な私が、
昔の悩みや家族のことを素直に話せる
大切な人になりました。

卒業の日、私は彼にすきと言いたかった。
でも、どうしても怖くて伝えられなかった。

私は、卒業後、離島の教員になることが
数日前にわかっていて、
彼に私を思ってくれる気持ちが
あるかわからないのに、
伝えてしまったら、
あまりに重たいような気がして‥‥。
(傷つきたくなくて、
 接点をなくしたくなくて、
 それを言い訳にしたのです。)

島に行くことと、
自分が意外と寂しがりやだと気づいて、
あなたと会えなくなるのはいやだということだけ、
言いました。

彼は、へき地勤務に驚いて、3歩後ずさり、
そのあと、大丈夫だと言いました。
島に来てくれるとも言いました。

その日からずっと、メールをし続けています。
お互い、まめではない私たちからしたら
特殊事態です。

彼には、宿舎からみえる海と空の写真を送りました。

社会人として、教員として、
今日明日を切り抜けて行くことに
精一杯な生活でたくさん不安はあるけれど、

彼とこれからどうなっていくか、わからないけれど、

部屋からひとり見上げる空は、
彼の上にも広がっていると思って、
一歩一歩がんばります。
(ぽれぽれ)

いま近くにいない、でも会いたい
“誰か”のことを考えているときって、
ぼくも空を見上げます。
二度と会えないひとのことを考えるときも、
やっぱり空を見上げます。
みんなそうなのかな。
つながっていると思うからなのかな。
空、いいですよね。
ちなみに静岡では「とぼける」ことを
「空を使う」と言います。
空、便利。きっとつながってます。

それから「好き」って言えないって、
そりゃ簡単に言えないですよね。
「好き」という言葉を使わずに
どうしたら気持ちが伝えられるか、
そのことに心を砕くのが恋かもしれないし。
きっと彼も同じ気持ちだったんだと思う。
これからも。
(しっかりね!)

ふたりが、物理的に離れる間際に、
恋のようなものがはじまった。
素敵なタイミングだったんだなあと思います。

ふたりがつきあって、
完全に恋がはじまってから、
距離に隔てられるとしたら、
きっともっと悲しいでしょう。

言うまでもなく、
距離が開くことによって
恋が終わってしまったら
お互いにやりきれない。

ある意味、物理的な距離が生じることによって、
ふたりの恋ははじまったともいえるような‥‥。
なんだか、全体にちょっと、物語みたいですよね。
素敵な投稿をありがとうございました。

「あなたと会えなくなるのはいやだ」

この、ことばの並びに愛おしさを感じます。
きっと精一杯しぼりだされた、ことば。
(ぽれぽれ)さん、がんばったね。
がんばって、言ったんですよね。
あっぱれ。
3歩後ずさりながらもそれを受けとめた彼にも、
「よくぞ!」と声をかけたい気分です。
よかった。

島の景色が見えるような、
すがすがしい投稿をありがとうございました。

彼はもう、島に来たのかなー。

いいなぁ〜。こういうのいいなぁ〜。
会いたくても会えないとき、
空や月を見あげる。
向こうからも見えてるかな? と思う。
武井さんが言うように、それは
いまこの世にいなくなってる相手にも、思う。
「恋をしてから月が好きになっちゃったヨ〜」
と言ってくれた彼氏もいまして、
それはそれはときめいたものでございます。
夜は電話もできなかったからねー。

会いたいとか、会えなくなるのはいやとか、
そういうことが
「好き」を伝える何よりの言葉ですね。

離れていても、たくさん時間や言葉をかわして
いっしょにいる「空間」を作れると私は思います。
お仕事も、暮らしも、
まじめにがんばっていらっしゃる(ぽれぽれ)さん、
すがすがしい投稿をありがとうございました!

もう12月も近いです。
「すわ、師走」です(土屋耕一さんの回文)。
忙しくなりますが、
みなさま、たいせつな人との
「空間作り」の時間も持ちつつ、
来週の恋歌でもおめにかかりましょう。

2013-11-22-SAT

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