『パンプキン・パイと
 シナモン・ティー』
 さだまさし

 
1979年(昭和54年)
 アルバム『夢供養』収録曲

 クラス対抗リレー、
 A君はトップで
 私にバトンをパスしました。
  (投稿者・
   人生初のモテ期も来てました)

シナモンの枝でガラスに三度

中学2年に上がる春休みの部活の体育館、
見たことのない男の人が
体育館の壁で倒立をしながら腕立てをしていました。
新学期が始まって、その人はクラス担任になりました。
兄貴的な先生で、「恋の相談にものるぞ!!」と、
最初のHRで言いました。
帰りのHRで毎日1曲みんなで歌を歌おうと、
先生が最初のHRで提案して1年間、
毎日いろんな歌を歌いました。
一番初めに歌った歌が、
先生が「とても好きでみんなにも覚えてほしい」と言った
『パンプキン・パイとシナモン・ティー』でした。
パンプキンパイって何?
シナモンの枝って、ニッケとは違うのか?
ガラスにそんな事してマスターは怒らないのか?
とか思いながら歌っていました。
そしてチェッカーズ、杉山清隆&オメガトライブ、
TUBE‥‥と、
本当にいろんな歌をみんなで選んで毎日歌いました。

体育祭で、クラス対抗リレーがありました。
文字通り、選抜メンバーではなく、クラス全員参加です。
私たちのクラスには
小児マヒで少し手足の不自由な男の子(A君)がいました。
小学校からの友達です。
腐れ縁(?)で小1からずっと同じクラスでした。
もちろん狙うは優勝!
の私たちクラスは走順を真剣に考え、
A君をぶっちぎりのトップで
走らせようということになりました。
そしてA君の次の走者、
つまりA君からバトンを受取るのを、
先生が、私に決めました。
毎日毎日みんなでバトンパスの練習をして、
当日、間をどんどんつめられながらもA君はトップで私に
「Y、頼む!!!」とバトンをパスしました。
結果はもちろん優勝。
夏の登山合宿、文化祭、そして部活と本当に楽しかったです。

先生は家の都合で、
たった1年で私たちの学校を去りましたが、
1年後の卒業式、私たちに会いに来てくれました。
握手をしながら、なんだかとても照れくさかったです。

そして成人式を過ぎたある日、
A君がいきなり家に遊びに来ました。
しかもかわいい年下の彼女と一緒に。
みんなでビールを飲んだりしながら
たくさん思い出話をしました。
A君が、
「先生がさあ、
 恋の相談にのるぞっちゆったの、覚えちょん?
 俺、あん時先生に相談したんで。
 Yが好きやにっち。
 クラス対抗リレーの俺のあと走るの決めたの
 先生やったやろ。」
と言って、あ!! と思いました。
なぜかいつも同じ班。
席もいつも近く。
よっぽどの腐れ縁やと思いよったけど、
そういうことか!! と。

恋歌ではありませんが、
この歌は、絶対に私にあの中学時代の
夕焼けのグラウンドや教室、
そしてそこで経験した色々な出来事、
そして先生を思い出させてくれるのです。

(人生初のモテ期も来てました)

みんなで投稿作品を選んでいるときに、
武井さんがこのメールを音読してくれました。
BGMに、
『パンプキン・パイとシナモン・ティー』
をかけながら。

あのね、ほんとに、もうね‥‥
みんなで大きな拍手、そして泣き笑いですよ。

すばらしい!
とんでもなくすばらしい投稿です。
あかるくたのしい中学の先生。
まっすぐな青春。
あまずっぱい恋。
そして、忘れられない思い出の一曲。
ぜーんぶ入っています、すごい!

ああ‥‥何度でも言いたい‥‥すばらしいです!
こんな投稿に出会えるなんて、
すごいコンテンツになりました。

なにかの拍子で、さだまさしさん、
この投稿を読んでくださらないかなぁ‥‥。
きっとうれしく思ってくれると思います。

‥‥しつこいですが、
いいなぁ、すばらしいなぁ‥‥。
最初から最後まで、ぜんぶいい。
もう一回、読んできます。

いやー、笑った、泣いた。ほんとうに。
メンバーが集まった会議室で、
『パンプキン・パイとシナモン・ティー』を
かけながら、武井さんに音読してもらって、
ああ、こりゃ、泣いちゃうなと思ったんだけど、
ほんとに、ほろほろと泣きました。気分よく。

若いころは、たとえどんなに
気心の知れた友だちとはいえ、
涙を流して泣くなんて、
なかなかできないことだったと思うんだけど、
もう、この年になると、平気です。自由です。
あ、ごめん、これ、泣いちゃうわ、とか、
軽く宣言してハンカチ出しちゃいます。

「恋歌ではありませんが」とありますが、
いえいえ、どうして、恋歌ですよ、十分に。

このコーナーがはじまったときから、
我々のあいだでテーマ曲のように
くちずさまれていた、
『パンプキン・パイとシナモン・ティー』が
こんなすばらしい投稿とともに登場して
たいへんうれしいです。

どうもありがとうございます。
もう一回、読んできます。

音読、おすすめですよ!
聞くのもいいけど、読んでみるのも。
ぜひみなさんも、やってみてください。
いっしょに聞いてくれる人がいたら、
なお、いいかも?
この投稿は、最初のほうの

「見たことのない男の人が
 体育館の壁で倒立をしながら
 腕立てをしていました。」

というところを、笑わずに読むのがポイント!
読み進むにつれ、
ぼくの頭のなかでは「あすなひろし」さんの
マンガみたいな風景が広がってました。
青い空を白い雲がかけてった。

それはさておき、
A君との想い出、いいですねー。

「Y、頼む!!!」

っていうから、きっと呼び捨てか、
あだなで呼んでたか、なんでしょうね。
きょうだいみたいな仲のよさ。
でもむこうは、恋だったんだ。
いいなあいいなあ。

A君も、先生も、元気だといいですね。

んだよー、ほんと、ずびずび、
こんな中2の1年間がアリですか、
キラキラしちょるよ。
先生ニクイわ。
こんな先生がいることが、宝だね。

みんなにも覚えてほしいといって
最初に歌ったのが
『パンプキン・パイとシナモン・ティー』だった、
ということはですよ、
先生はきっと、恋については
なさけなくせつなくあまずっぱい思いを
たくさんなさったタイプなんじゃないかしら?
そういう方が先生になって、
「恋の相談にものるぞ!!」と
A君を応援したというのはやっぱり‥‥宝だね。

夕焼けのグランドに彩られた
さわやかであかるい文体に、
A君にも先生にも信頼され好かれていた、
Yさんのお人柄を思います。

すばらしい投稿、ありがとうございました。

それではまた、水曜日に!

 

2012-06-09-SAT

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