いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

私の婚約の噂を聞きつけて
アメリカから来日していたのでした。
(投稿者・JFD)
『LA・LA・LA
 LOVE SONG』
 久保田利伸

 1996年(平成8年)

My恋歌ポイント

 勇気をくれた君に 照れてる場合じゃないから
 言葉よりも本気な LA・LA…LOVE SONG

お互いの心を開くタイミングがずれてしまって、
実ることの無かった恋。
まさか私の婚約の2日前に
「やっぱり君のことがどうしても好きだ」などという
便箋3枚に渡る手紙をよこすなんて。
あの時に、一瞬、
「連絡を取ろうか」と思ったけれど、取らなかった。

彼はアメリカ人でした。
私の婚約の噂を聞きつけて
なんとアメリカから来日していたのでした。
私の職場や自宅まで来そうだったのを、
友人が食い止めてくれていたことを
結婚してから聞きました。

初めて出会ったのは日本で。
彼は日本語が分からず私も英語は得意ではなく。
そんな二人が、お互いの言葉を
一生懸命理解しようとしていた頃に
流れていたのがこの曲でした。

彼が私に日本語を習うという不器用な形でのデート。
言葉を理解するフリをしながら
お互い相手を理解しようと必死だった。 

彼は自分が学生で私が社会人であることが
とても気になっていて、
将来の事が話題になると言葉を濁していた。
期限付きで来日していた彼から
「アメリカに一緒に来て欲しい」と言われることは無かった。
私が彼の「勇気」の無さに見切りをつけた形での
お別れだったのですが、
私自身見栄も張っていたのかもしれない。

「君への想いはまだこんなにも強い」と、
日本語としてはかなり固い言葉で書いてあった
あの文字を(手紙は捨てちゃったけど)
急に思い出してしまった。

今頃どこの空の下で頑張っているのかな。
幸せなら良いな。
私は幸せだよ。毎日頑張って生きてるよ! 安心してね。

なんとも国際的な恋歌エピソードです。
挙げられている歌が
『LA・LA・LA LOVE SONG』だというのも
なんというか、ちょうどよい感じがしますね。
ドラマの主題歌でしたし。

結婚直前に婚約者からの猛アピールにあうという
まさにトレンディードラマばりの展開をみせる
情熱的なエピソードのなかで、
ぼくが印象深く思うのは、やはり
「自宅や職場に押しかけそうな彼を
 食い止めている友人たち」ですね。

ドラマにするなら、配役は誰でしょうか。
ああ、昨今の俳優さんにうとく、
ずばっとここで名前を挙げられませんが、
その友人の方々、たいへんでしたね、きっと。

一瞬「連絡をとろうか」と思ったけれど、
そうしなかったとういうのもリアルです。
「もしも」とか言い出すのは野暮ですけど、
人と人との関係って、ちょっとしたタイミングで
ほんとに、わかんないですからねー。

「言葉を理解するフリをしながら
 お互いを理解しようと必死だった」
というところに、ぐっと来たなぁ。

心を開くタイミングがずれるというのは
あるんですね。
いや、そんなことだらけかなぁ。
学生と社会人、結婚しているしていない、
国が違う、家族がどうの、仕事がどうの、
いろんな状況に気持ちは左右されますね。

ということは、恋はやっぱり
タイミングが大事なの?
‥‥女子高生のようなことを書いてしまった。

「食い止めて」いたお友達、
それにしてもすごい。

お互い好きに決まってるのに
やっぱりつきあえないっていうとき、
相手につきあってる人がいるとか、
自分にも相手がいるとか、
そういうこともふくめて
恋はすべて「タイミング」だよなあと思います。
これまでにもずいぶん
「ま、そういうタイミングだったんだよな」
と自分を納得させてきましたよ。
「なんでまたこんなタイミングで
 こういうことが起こるんだろうね」
なんてふうにも、思いながら。

それにしても婚約二日前!
遅かったねえ。
待っていた言葉
「アメリカに一緒に来て欲しい」は
もっと早く言うべきだったんだねえ。
ともだちが、食い止めてくれなかったら
どうなっていたんだろう、(JFD)さん。
‥‥ああ、「もしも」ってことは、ないのか。
ないんだないんだ、「もしも」はない。
そうわかっていながらも
「もしかしていまごろ
 グリーンカード取ってたりして」
なんて考えるのも、
時間が経ったからこその
たのしみかもしれません。

ああ‥‥この投稿のもっとも大きなテーマである
「タイミング」については語り尽くされてしまいました。
時間、状況、気持ち、などなどなど、
恋愛を成立させる様々な要素が含まれているのが、
「タイミング」なんですねぇ。
あらためて理解しました。

それにしてもやっぱり、
「友だちが食い止める」は、すごい。
多くのドラマは、そこを食い止められずに
物語がころがっていくような気がします。
その意味で、(JFD)さんの経験は
「ドラマ直前」な出来事だったのかも。
でも、だからこそ、ものすごくリアル。
アメリカの彼のせつなさも、痛いほどに伝わってきます。

 幸せなら良いな。
 私は幸せだよ。毎日頑張って生きてるよ! 安心してね。

という最後の展開が、
読んでいてとても気持ちよかったです。
きっぱりと。
やさしさに満ちて。
(JFD)さんの明るい思いが、
ぱあああっと世界に広がっていくイメージを持ちました。

絶好調の恋歌くちずさみ委員会、
今回は、こんなところで。

次は土曜日にお会いしましょう。
ご紹介したい投稿がたくさんあるんです。

2012-01-25-WED

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