もくじ
第1回猫の紹介からはじめます。 2016-12-06-Tue
第2回「不妊手術(TNR)」という選択。 2016-12-06-Tue
第3回大失敗の捕獲作戦。 2016-12-06-Tue
第4回きなこ太郎と過ごした一日。 2016-12-06-Tue
第5回手術のこと。 2016-12-06-Tue
第6回地域猫として再び外へ。 2016-12-06-Tue

東京出身の22歳。
ひとりっこで、中高の6年間は女子校の温室で育ちました。今は編集の仕事に憧れる大学生です。
のんびりやに見られますが、好きなものにはとことんの行動派です。

庭にくる野良猫と</br>つきあうために

庭にくる野良猫と
つきあうために

担当・あやこ

公園や住宅街で、
片耳がちいさく切れている猫を
見たことがありませんか。

わが家の庭によく遊びにやってくる
黒いコも、左耳の先がV字にちょこっと切れています。
この「耳カット」は、
「不妊手術」が済んでいる印なのです。

今回、わたしははじめて
野良猫に手術を受けさせました。

猫の幸せのためにはどうするのがいいのか、
まだ考え中ではあります。
でもなにより、
そこにいる猫がかわいいから、
猫の存在が大事だから、
ひとつの方法として試してみたのです。
この経験でいろいろなことを知りました。
失敗して気づいたこともありました。

そのことを書くことにします。
作戦の一部始終をご覧ください。

第1回 猫の紹介からはじめます。

黒猫の「黒太郎」と
キジトラの「キジ美」は
1年ほど前から
我が家の庭の常連客です。
昼寝をしていったり、
窓越しに家の中をじっと見ていたり、
どうやら居心地がいいみたい。
とても仲良しで、
人なつっこい2匹です。

黒太郎はおとなしいけれど、
小さく「ナッ」と鳴きながら走ってきて
おなかをゴロンと見せます。

キジ美は自己主張が激しく
撫でてくれとニャーニャー鳴き、
いつでもゴロゴロのどを鳴らしています。

この2匹の耳には違いがありました。
4つ並んだ耳のうち
黒太郎の左耳だけ、
ちいさくV字にカットがされています。
ボランティアの方によって不妊手術が済み、
地域で見守られている
「地域猫」であることの印でした。
ちなみに
黒太郎は“メス”だったことも、
あとからわかりました。

一方で
キジ美が「耳カット」されていないこと、
つまり子猫をうむ可能性があることが
わたしはずっと気がかりでした。

うまれる子猫は絶対かわいいけれど、
そんなことは言ってられないくらい
野良猫の妊娠、出産、子育てには
危険がともないます。
どんどん増えてしまうこと。
病気や事故の可能性があること。
処分されてしまうコもいること。
母猫1匹が、
一生涯で100匹産むこともあると
聞きました。
知ってはいたことですが、
2匹が庭にやってきてから
よりリアルに感じるようになりました。

でも、今までは考えるだけで
なかなか行動できませんでした。
2匹の日常は変わりなく
いつもかわいい顔を見せてくれるから、
危機感がなかったのかもしれません。

しかし、ある日をきっかけに
わたしも野良猫のために
動いてみることを決めました。

キジ美に子猫がうまれていたことを知ったのは
今年の10月です。

第2回 「不妊手術(TNR)」という選択。