もくじ
第1回感動課、誕生。 2016-12-06-Tue
第2回僕のとこに、突風がやってきた。 2016-12-06-Tue
第3回「喜ばせたい」思いだけは純粋。 2016-12-06-Tue
第4回名脇役でいたいねん。 2016-12-06-Tue
第5回(番外編)副社長から見た、福西さん。 2016-12-06-Tue

去年の春に京都からやってきて、東京のIT企業ではたらいている、まだ社会人2年目の若者です。「サイボウズ式」というメディアの編集に携わっています。

職場に感動を。

職場に感動を。

担当・あかし

私が勤めているサイボウズ株式会社という会社には、
「社員を感動させる」というお仕事があります。

営業なら、「商品を売る」。
開発なら、「商品を作る」。
広報なら、「商品を広める」。

これらとまったく同じように、「社員を感動させる」ことだけが
ミッションのお仕事があるのです。

退職する社員にサプライズをしかけたり、
新人研修の最後の日に、研修中のできごとを動画にして流したり、
社員旅行をはじめとする、いろんな社内イベントの準備をしたり。

その役職の名前は、「人事部 感動課」。
感動課をしているのは、福西 隆宏(ふくにし たかひろ)さん。
通称、ふくちゃんです。

感動課のお話を社外の人にすると、よく、
きれいな若い女性社員がやってるの? と聞かれるのですが、
実は福西さん、関西弁を話す、40歳過ぎのおもしろーいおじさんです。

感動課が創設されて、もうすぐ6年。
そんな「職場に感動を生む」お仕事をされている福西さんに、
仕事について、ご自身について、とことん、聞いてみました。

担当は、ほぼ日の塾 2期生の、あかしです。

プロフィール
福西 隆宏(ふくにし たかひろ)さんのプロフィール

第1回 感動課、誕生。

福西さんのインタビューに入る前に、
サイボウズで「感動課」という職種ができた背景について、
すこし説明します。

サイボウズは、「グループウェア」とよばれる
ソフトウェアを開発し、販売するIT企業です。
グループウェアとは、社員のスケジュールや会議の内容など、
あらゆる情報を共有するためのシステムのこと。

そんなグループウェアを作っている会社ですから、
サイボウズ社内では、全社員がいろんな情報を共有します。
社員一人一人の毎日のスケジュールや、日報、報告書、売り上げ。
自分が考えているちょっとしたことなども、
すべてグループウェア上で共有します。

そういった、共有されているいろんな情報の中に、
副社長が書いている「まるボウズ日記」という
日記がありました。

約6年前のある日、その「まるボウズ日記」の中に、
突然、このような書き込みがあったのです。


タイトル:人事部感動課

創設しました! 多くの人が人生の多くの時間を会社で過ごす。
そして、多くの人が真剣に仕事と向き合い、一生懸命働いている。
辛いことも、悲しいことも、数々の困難を乗り越えながら。  

にもかかわらず、会社で感動することが少ないように感じる。  

学生時代は、テニス部で、勝って泣き、負けて泣いた。
社会人になりたての頃、実業団テニスの試合で、
勝って喜んだり、負けて悔しがったり、合宿幹事の打ち上げで、
涙が出そうになっても、仕事ではそれほど感動することがなく、
これが会社、これが社会人なのかなと思っていた。  

もちろん、自分自身がそれほど仕事に対して、
真剣に取り組んでいなかったこともあるとは思うが
親に養われて行ってきた学生時代のクラブと比べると、
仕事は、自分が自分の人生をかけて取り組んでいるものであり、
感動できるくらいの必死さや真剣さはあったと思う。  

昔、NHKの「プロジェクトX」という番組があり、
好きだったのでよく見ていて、よく感動した。 人の仕事で。  

そう考えると、自分たちの仕事でも、表現の仕方で、伝え方で、
もっともっと感動できることがあるのではないかと思った。  

もちろん、夢も理想も志もなく、
真剣に取り組んでいる人もいない、
そんなところに感動はない。 なので、そんなところで、
無理やり感動を捏造(ねつぞう)するのでは決してない。  

大きな夢、大きな理想、高い志があり、
それを実現しようと真剣に取り組んでいる人がいる
「そこにある」多くの感動を、
「感動」として表現したいだけである。  

そんな感動を創りだしている人たちに
もっともっと感動してほしいと思う。  

職場に感動を。

私には、人を感動させるセンスはあまりないので、
感動課創設のために、一人のメンバーを
人事に異動してもらいました。
昨日は、そのメンバーの歓迎会がありました。

感動してくれたどうかはわかりませんが。

いずれにせよ、彼とともに
人事部感動課の歴史が始まりました。とても楽しみです。

 *******

そう、その「彼」こそが、福西さんだったのです。
副社長の「職場に感動を」という思いから生まれた、人事部 感動課。

福西さんは、どんな人なんでしょうか。
さあ、いよいよ、感動課のインタビューのスタートです。

第2回 僕のとこに、突風がやってきた。