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アーカイブ 2015/11/01
 
レシピその256
ポルチーノのフライ〜人生の先輩。〜


すっかりと秋色になりました。
今回は私が仕事をしていたころに
とてもお世話になった友人姉妹をご紹介します。
会社では社長、
そして従業員たちの昼食までつくる
肝っ玉イタリアンマンマのマリア・グラツィアと
その妹ルイーザ。
私は彼女らが好きです。
どこが? と聞かれるとたくさんありすぎますが、
なんといっても、相手の気持ちを
さっと拾って対処してくれるその柔軟さです。
それは彼女らの思いやりや慈悲愛が
ベースになっていると、
私が身にしみてわかるからでしょう。


▲ショールームで。
 右がマリア・グラツィア72歳、左がルイーザ70歳です。


マリア・グラツィアが大学生のとき、
美容院専門の問屋をしていた父親が
脳出血で突然亡くなりました。
大学生の彼女は生活のために、
小さい手ぼうきに人形の細工をして
近くのキヨスクに卸して売り始めました。
それが好評だったので
友達を集めて売り出し始めました。
その体験が原点で、
大学で科学を専攻していた彼女は、
別の世界であるアクセサリーの部門で
花開いていきます。


▲「母が喜んでいる姿を見るのが
 一番うれしかった」とマリア・グラツィア。


一家を背負っていた当時も今も
変わらない気持ちだといいます。
数々の苦境を乗り越え、
彼女の想像力の偉大さで
人が魅了するモノづくりをしています。
彼女の底辺にはいつも
人が喜ぶ物をつくろうという気持ちがあります。
彼女はビジュー(アクセサリー)の会社をつくり、
妹はその材料部門、
弟は営業実務部門にたずさわり、
家族経営をしています。

今まで彼女はフェアでヨーロッパ中を飛び回りながらも、
会社をどのように楽しめる場所にするかを真剣に考え、
従業員やお客様のために
リラックスできる庭やテラスをつくり、
その時々を大切に会社を経営をしてきました。
4年前にママが亡くなると
自分の残された人生を考えてこの会社を閉め、
できていなかったことを始める決断をしました。


▲「何の悔いもなし」と明るく断言します。

大学に戻り、教会の聖書研究会に在籍し、
ボランティアにも積極的に参加する‥‥
彼女の新しい人生計画はもう始まっています。
いくつになってもスタートする力を持つこと。
この前向きな気持ちを知り、
私もそうありたいと思いました。
彼女らにまたひとつ、
大きな人生の教えをもらいました。

さて、
今回のメニューは
秋のポルチーノの味を楽しみましょう。
ポルチーノのフライです。
少し違った食感をお楽しみ下さいね。

ポルチーノのフライ

■材料(2〜3人分)

ポルチーノ:中4個
卵:小2個
小麦粉:大さじ5
ポレンタ粉:大さじ5
揚げ油:適量




☆下準備

・ポルチーノはさっと洗って
水気を拭き取る。
・小麦粉とポレンタ粉を混ぜておく。




■作り方

(1)ポルチーノを厚めに切る。



(2)ほぐした卵液を通して
小麦粉とポレンタ粉を混ぜたものをつける。



(3)粉をつけたところ。



(4)高温に熱した油でさっと揚げる。



(5)油切りする。



熱々のところにお好みの
お塩をかけながら召し上がってください。
今回、私はフレーク塩を使いました。
Buon appetito!


 
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