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アーカイブ 2009/04/26
 
レシピその90
クロスタータ(イタリアのタルト)
〜リエティの思い出〜


いちごの季節ですね。
いちごジャムを作ったので、
ジャムを置く棚を整理していたら、
思いがけず、すてきな出会いがありました。
昔作ったジャムが出てきたのです。
この棚は保存食専用ですので、
ときどき、こんなことがあるにしても、
これは年代ものです。
1996年に作ったプルーンのジャムです。



フタを開けて味見をしてみました。
‥‥おいしい!

いまはもう独立した子供達が、
当時はまだ家にいて、食欲も旺盛だったので、
ビンも大きいものでした。
その頃の思い出が一瞬によみがえってきました。
甘いものと一緒によみがえってくる思い出といえば、
楽しいことばかりではありませんか?

今回ご紹介するメニューは、
「クロスタータ」(イタリアのタルト)です。
クロスタータといえば、
リエティのことを思い出します。
リエティに住んでいたころは、
毎日、ご近所の方とお茶タイムがありました。
お茶タイムにいつもといってよいほど、
出てくるものはクロスタータでした。
日持ちするという利点が大きいと思いますが、
みんながよく作るジャムを使う上に、
特別な材料がまったく必要ないので、
思いついたときに作れる気軽さがあるからだと思います。
紅茶にもコーヒーにもよくあいますし、
もちろん飲み物がないときにも、ちょっとつまめます。
ジャムの好みは別にして、
クロスタータを嫌いな人をみたことはありません。

みんなに好かれるクロスタータにも、
「我が家の味」があります。
生地のかたさ、厚さ、ジャムの種類、甘さなど、
シンプルなものだからこそ、
各家庭の好みがはっきりと出ていました。
よくみんなでクロスタータのレシピの交換をしましたが、
結局、各家庭の味に戻ってしまうのは、
やはり「慣れた味が一番」という家族のリクエストかしら?
‥‥なんて思っています。
一番の思い出は、
クロスタータの名人のロザンナが、
私が日本に帰国するときに、
「おみやげに」と持たせてくれた、
直径30cmの巨大クロスタータです。
大きな上に、彼女のクロスタータは、
生地が厚いので、ずっしりと重く、
その上それを5、6枚も用意してくれたので、
うれしさと重さが比例している、
と笑ったものでした。

さて、今回ご紹介するのはこの年代物のジャムと、
できたてのいちごジャムを合わせて作った
クロスタータです。



オリジナルはバター、ミルク、小麦粉を使いますが、
今回はバターのかわりに、
オリーブオイルとお米の粉を使って軽くしました。
どうぞ試してみてくださいね。

クロスタータ(イタリアのタルト)

■材料(18cmのタルト型に使う分量)

小麦粉:150g
米粉:50g
オリーブオイル:大さじ 4
卵:1個
砂糖:60g
ベーキングパウダー:小さじ1
レモン:半分(皮のみ使用)
好みのジャム:100〜200cc
(今回は2種類を混ぜました)



☆下準備
・型にバターを塗り、小麦粉をかけ、
 余分な粉をはたいて、冷蔵庫に入れておく。
・レモンの皮をすりおろす
 (白い部分が入ると苦くなるので注意)。
・他の材料は計っておく。
・直径18cmのタルト型と、ふるいを用意する。



■作り方

(1)粉とベーキングパウダーを一緒にして、
ふるいで2回ふるう。



(2)ボールに卵と砂糖を入れて、
砂糖がよく溶けるまで撹拌する。



(3)オリーブオイルを入れる。



(4)すりおろしたレモンの皮を入れる。



(5)(4)がよく混ざるように撹拌する。



(6)ふるいをかけた粉を一度に入れて、
ざっくりと混ぜる。



(7)手でひとまとめにする。



(8)生地はタルト台用とかざり用の2つに
ざっくり分けて、
(かざり用はタルト台の4分の1くらいの量で)、
ラップに包み、冷蔵庫で30分以上ねかす。
(ラップは後で、生地をのばす時にも使うので
 大きめにカットする)
オーブンを180度にあたためる。



(9)タルト台の生地を冷蔵庫から取り出し、
ラップを広げる。
めん棒に生地がつかないように、
ラップをもう1枚用意して、生地の上にのせる。
めん棒でラップの上から生地をのばす。
厚みは5mmくらい。



(10)上側のラップをはずして裏返して、
タルトの型の上にのせる。



(11)生地をしっかりと手で押さえ、型と密着させる。
生地が足りないところは生地をのばしたり、
あまっているところから取ってきて、
型のかたちに合わせる。



(12)型からはみだした生地を切る。



(13 )フォークで底に穴をあけ、
180度のオーブンで10分くらい焼く。



(14)タルトの飾り用の生地を冷蔵庫から取り出し、
(9)のときと同じように、
上にもラップをかけてから、
めん棒で3mmくらいの厚さにのばす。
1cmくらいの幅の帯状に切る。
(パスタカッターで切ると、
 ぎざぎざのリボン状になります。
 お持ちでしたらお使いください)



(15)オーブンから出したタルト台にジャムを入れる。



(16)飾り用の生地を上に写真のように重ねて、
180度のオーブンで20分焼く。
(焼く時間は、オーブンによって違いがあります)



出来上がりです
ジャムビスケットのような懐かしい味です。
ジャムの分量はお好みですが
私は甘みの少ないジャムをたっぷりと入れます。
甘いジャムがお好きな方は
ジャムを少なめにしてくださいね。

BUON APPETITO!


 
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