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アーカイブ 2008/04/20
 
レシピその65
春色のロール巻き
〜イタリアでの運転免許取得〜


イタリアに住み始めて25年が過ぎたとはいえ、
まだまだ毎日のように新鮮な出来事があります。
最近、運転免許をとった友人の話です。
私はもう30年以上も前に日本で習得しましたので、
最近の日本の運転免許取得のようすはわかりませんが、
イタリアと日本ではずいぶん違う気がします。

イタリアでは、路上練習を
第1回目から一般道路で行います。
さすがにはじめのうちは、
交通量の少ない裏道などでいたしますが、
これだけでも恐ろしいことですよね。
私も車の運転をしているときは、
近くの車の屋根に
「●●●教習所」のマークを見つけると、
なるべく避けて通ります。
この路上練習と平行して
学科授業も受講していきます。
最終学科試験もその地区で受けることができますし、
最終運転試験も同様です。

さて、友人の路上練習の第1日目。
走行中、教官が
「はい、そこで止まって、
 ちょっと待っていろ」と言い、
すたすたと車から降りて行き、
とあるお店に入ったかと思うと、
テレビのモニターの箱を抱えて出て来て、
トランクに入れて、
「車を発進させろ」と言ったそうです。
そして、教官の指示でしばらく路上を走った後、
再び、「はい、そこで止まれ」。
なんと、着いた場所は教官の自宅前でした。
「お前も降りてこのテレビを持って、
 我が家まで運べ」と、指示を出されて、
ふたりでテレビを運んだそうです‥‥。
その後も路上練習の度に、
毎回同じバール(喫茶店)の前で「止まれ」の指示。
教官はエスプレッソを楽しんでいたそうです。
友人達の間では、
「きっと、いらだちを運転に反映させない
 特別訓練だったのよ」と笑い話になりました。
「なんだか、『止まれ』の練習ばかりやっている」
と友人はぼやいていました。

そしてやってきた最終試験の日は、雨。
歩行中のシニョーラに
水たまりの水をすごい勢いでかけてしまい、
友人はあわてたそうですが、教官は、
「まあ、人をひいたわけではないから」と
おおめに見てくれたそうです。
ところが、最後の「止まれ」の指示で、
なんと駐車していた車の
サイドミラーにぶつかってしまい、
サイドミラーがぽきんっと折れたそうです。
そんなわけで、試験は合格ならず。
また路上練習をすることになりました。

「あれだけやった『止まれ』の練習は
 全くなんだったんだ‥‥」と、
本人は悔しそうに話していましたが、
友人達の間で、ほんとうに大ウケの話でした。

さて、
今回のメニューは、春のアスパラガスを使ったものです。
オーブンをお持ちでない方にも
作っていただけるように、
ちょっとアレンジをしてみました。

春色のロール巻き


■材料(4〜6人分)

鶏胸肉:400g
生ハム(※):50g
アスパラガス:16本
生クリーム:200cc
サフラン:長めのものなら15本くらい。
     粉を使う場合は小さじに軽く1杯。
バター:20g
塩・コショウ:適量
※ハムやベーコンでもおいしくできます。



■作り方

(1)胸肉に食品用ラップフィルムをかけ、
重たいもので軽く叩いてのばす。



(2)アスパラガスは堅い部分を切り取り、
根元に近い部分の皮を少しはぎ、
頭の部分は4cm程の長さに切っておく。



(3)(2)を塩を少々いれたお湯でさっと茹でる。



(4)アスパラガスの先の部分は
別にとっておく。
胸肉を半分の長さに切って広げて
生ハムを敷く。
そこにアスパラガスの根もとの部分を
2本ずつ入れて巻き、
継ぎ目を下にして、塩・コショウする。



(5)(4)を1本ずつ
食品用ラップフィルムできっちりと巻く。



(6)(5)を4本一組にして
アルミホイルで巻く。



(7)(6)をたっぷりと隠れるくらいのお湯に入れて
落としぶたをして弱火で15分茹でる。



(8)(7)をしている間にソースを作る。
まず、バターでアスパラガスの先を炒める。



(9)(8)に生クリームとサフランを入れて
沸騰しないようにゆっくりと弱火であたためて、
塩・コショウで味付けをする。



(10)やけどしないように注意しながら、
食品用ラップフィルムをはずす。
はずすときに中から出てくるうまみのあるスープは
(9)のクリームの方に入れる。



輪切りにして、アスパラガスの先と一緒に
盛り合わせ、ソースをかけて出来上がりです。
黄色のサフランと若葉色のアスパラガスで春色一杯です。
生クリームで作ったまろやかなソースに
生命の強さを感じるちょっと苦みのあるアスパラガスが
ぴったりですね。

BUON  APPETITO.


 
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