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アーカイブ 2008/04/20
 
レシピその64
シニョーラ カッシーナのオニオンスープ
〜おいしいにおい〜


キッチンでお料理をしていると、
おいしそうなにおいが家中に漂い、
なんともいえない幸福感を感じることが
みなさんにもあると思います。
そこに、日本人の友人が来ると、
「いいにおい! 何を作っているの?」といわれますが、
イタリア人の友人の場合はそうもいきません。
以前、イタリア人の友人が、
「日本のパスタ料理を食べてみたい」というので、
それならば‥‥と、昆布と鰹節でだしを取っていると
「魚くさいにおいが家中にしているじゃない!」と
すぐさま換気扇をまわし始め、
窓を全開にして、空気を入れ替えていました。
イタリアの家電製品はどれもみなそうなのですが、
すさまじい音がする割に効果が望めません。
そのため私はうるさすぎる換気扇は使わないのですが、
イタリアの友人たちは、不快な音よりも、
においを消す方をとります。
その日は寒い日だったので、
音のうるささと共に、
外気の冷たさが身体にしみました。

私は子どもの頃から、鰹のだしのにおいがすると
おいしい食事を連想していたため、
このときまで、鰹のだしのにおいが
「魚くさい」と思われるなんて、
想像していませんでした。
食文化が違うと、鰹のだしのにおいも
受け入れられないのですね。

例えば、カリフラワーやキャベツを茹でるときや、
魚を焼くとき、フライものをするときのにおいを
私は「くさい」と思いません。
ところが、ほとんどのイタリア人の友人たちは、
「くさい」と評します。
そのため、イタリアの方を自宅に招待するときは、
玄関や客間に料理のにおいがしないように、
気をつけています。
これが一番神経を使うところといっても
過言ではありません。

さて、肌寒い日がたまに訪れる今の季節。
お腹にあたたかい物を入れたくなるときが
ありませんか?
今回ご紹介する料理は、
シニョーラ カッシーノさんから教えていただいた
オニオンスープです。
さっぱりとした味です。
どうぞ試されてくださいね。

シニョーラ カッシーナの
オニオンスープ



■材料(6人分)

タマネギ:600g
小麦粉:60g
野菜のブロード(スープ):1300〜1500cc
エメンタールチーズ:100g
パン:ひとりにつき2〜3枚
オリーブオイル(※):大さじ4
クローブ:1個
塩・コショウ:適量
耐熱用の器:人数分
※オリーブオイルの代わりにバターを使うと、
 こくのある味になります。





■作り方

(1)オーブンの天板にオーブンペーパーを敷き
小麦粉を広げる。
それを200度にあたためておいたオーブンに入れ、
ときどき混ぜながら、小麦粉に色がつくまで焼く。



(2)(1)を焼いているうちに、
タマネギをスライスする。



(3)鍋にオリーブオイルを入れて、
タマネギを弱火でじっくり炒める。



(4)(3)は、20〜30分、
キツネ色になるまで炒める。
※タマネギをキツネ色になるまで炒めたものは、
 いろいろな料理に使えますので、
 多めに作って冷凍保存しておくと重宝です。




(5)小麦粉が薄茶色に焼けたらをオーブンから出す。
オーブンの火は消さずに、200度を保っておく。



(6)(5)を(4)に入れて、
全体をなじませる。



(7)(6)をかき混ぜながら、
野菜のブロードとクローブ、塩、コショウを入れる。



(8)(7)を弱火でフタをして20分間煮る。



(9)(8)をしている間に、
スライスしたパンをオーブンで焼く。



(10)器にスープと好みの分量のパンをのせ、
その上にエメンタールチーズの荒削りをのせ、
200度のオーブンに15〜20分間入れる。



出来上がりです。

小麦粉をヘーゼルナッツのような
薄茶色になるまで焼くのがコツです。
オニオンスープは味がさっぱりしているので
チーズの味が引き立ちます。
アツアツを召し上がってくださいね。
なお、我が家のひとり分の量は、
ふつうのご家庭の1.5〜2人分くらいあると思います。
スープやパンの量はお好みでどうぞ。


 
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