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アーカイブ 2008/04/06
 
レシピその63
エビクリームかけレモンのリゾット
〜イタリアのお米〜


春爛漫のミラノから、こんにちは。
ミラノの桜は八重で、日本の桜よりも濃いピンク色です。
満開になるとボリュームがあるため、枝がたれさがり、
しだれ桜のようになります。

さて、ミラノに住むようになってから、
イタリアのお米料理に目覚めました。
「イタリア料理=パスタ」というイメージで育ったせいか
日本にいるときは、
イタリア人がたくさんお米を食べる人たちであることを
想像していませんでした。

ここ北イタリアは
ポー川の豊かな水が育んだパダーナ平野で、
お米の栽培が盛んです。
第2次世界大戦前までは
南イタリアはパスタやピッツア、
北イタリアはお米とポレンタ(※)が主食の主流で、
ミラネーゼの老人のなかには、
「昔は米、ポレンタ、パンが主食で、
 パスタやピッツアは食べなかった」
という人がいるくらいです。

※ ポレンタはトウモロコシの粉から作る
 ミラノの伝統食です。


日本にコシヒカリ、ササニシキ、など
たくさんの種類のお米があるように、
北イタリアで収穫されるお米も幾種類もあります。
お米の大きさや長さも様々ですし、
水分の吸収の仕方にも大きな違いがあります。
また調理法も、日本料理にはもちろん、
リゾット、スープ、付け野菜、お菓子など、
日本よりも米を使う料理のバリエーションが多く、
どの料理にどのお米を使えばよいか、
いつも迷っていました。

日本人の私にとって主食だったお米と、
全く違うイタリア米。
だからこそ抱いたこの疑問を解消したくて、
思い切ってイタリアの精米工場を訪ねることにしました。

うかがったのは1880年に創業した、イタリア大手の
お米のブランド(精米会社)「RISO VIGNOLA」の
精米工場です。
初代は麦も扱っていたそうですが、
今ではお米の精米のみ行っています。
5代目社長のジョバンニさんはお米の研究に熱心な方で、
その精力的な活動は、イタリア国内で有名です。
ジョバンニさんはイタリアはもとより、
海外の人達にもお米のよさを伝えるため、
各国で行われるフードフェアに積極的に参加し、
毎日をお米と共に過ごしています。


まだ水をはる前の準備中の水田です。
車でトリノ方面に1時間強走ると、
こんな風景が広がってきます。


精米工場の前の川には鴨が。
のんびりと過ごしています。


精米工場の入り口です。
昔のもみ取り機の石のパーツが、
花壇に使われていました。
右が社長のジョバンニさんです。


収穫されたお米を収納する建物です。
8千トン収納可能だそうです。


精米後のお米を真空パックにする部屋です。


熱心に説明してくれるジョバンニさん。
後ろに見えるのはパック済みのお米です。


精米所の中に入ります。
1階から3階にいろいろな機械があります。


お米はこれらの機械を通り、
精米、そして選別されます。


お米の大きさを分ける網です。
目の細かさが3段階になっています。


振動選別機。いわゆる「ふるい」です。
凄いスピードで選別されていきます。


こんな石も全て出されます。


精米前のお米が‥‥


いくつもの工程を経て、こんなに綺麗に精米されました。


左から奥様のエマヌエッラさん、私、ジョバンニさん。
ジョンバニさんは、お忙しい中、
数時間に渡り、情熱的に
お米について語ってくださいました。

今回の訪問で、私が一番聞きたかったこと。
「どの料理にどのお米を使えばよいか?」の答えは、
ジョンバニさんによると
「その人の好みや料理する人の腕」で決まるそうです。
ついに結論に至りました。
さて、今回のメニューはお米を使ったイタリア料理、
リゾットです。

エビクリームかけレモンのリゾット


■材料(4〜5人分)

【リゾット】
 お米:2カップ
 ブイヨン:750cc
 レモンの皮:2個分と、その別に飾り用少々
 オリーブオイル:大さじ3
 バター:40g
 パルメジャンチーズ:大さじ3
 イタリアンパセリ:少々
 水:200cc(レモン水用)
 塩:適量

【エビクリーム】
 エビ大:4、5尾
 生クリーム:75cc
 オリーブオイル:大さじ3
 白ワイン:75cc(写真には入っていません)
 イタリアンパセリ:飾り用に少々




■作り方

(1)レモン1個分の皮を水200ccに入れて、
10分ほど弱火でゆで、レモン水を作る。



(2)レモン1個の皮をする。
イタリアンパセリはみじん切り。
パルメジャンチーズもすっておく。



(3)ブイヨンをあたためる。



(4)鍋にオリーブオイル大3とお米を入れ、
よく油がなじむように炒める。



(5)(4)にブイヨンを少し入れてよくかき混ぜる。



(6)10〜15分後、ブイヨンがなくなってきたら、
レモンの皮をすったものと
(1)のレモン水を入れてよくかき混ぜ、
好きな堅さになるちょっと前で、
塩を入れてフタをする。



(7)(6)を蒸している間に、エビクリームを作る。
フライパンにオリーブオイル大3を入れて
頭と尾を残して殻をむいたエビを炒める。



(8)エビをひっくり返して塩をふり白ワインを入れる。



(9)(8)に生クリームとパセリを入れる。



(10)エビにしっかり火が通るまで弱火で煮る。



(11)エビに火が通ったタイミングを見計らって、
(6)にバターとパルメジャンチーズを入れて
よくかき混ぜる。



皿にリゾットを盛り、
その上からエビのクリームソースをかけます。
刻んだレモンの皮とイタリアンパセリを飾ってみました。


 
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