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アーカイブ 2007/04/24
 
レシピその40
パプリカのロースト〜小学校入学の思い出〜


日本の私の実家のそばには小学校があります。
この時期のピカピカの新入生を見ていると、
私の大事にしている記憶がよみがえってきます。
それはもう18年も前のことです。

ミラノに越したその年の9月から、
長男は現地の小学校に通っていました。
全く日本語を話すことができない我が子に
「どうしても我が子の代までは、
 日本の文化を授けたい。
 そのためには日本語で勉強させたい」
と夫は強く希望しました。
私は夫とは逆に、
今後もイタリアで生活していくのだから、
イタリアの子どもたちと同じ現地校に通わせたい
と思っていました。

「外ではイタリア語、
 家族だけのときは日本語で話そうね」
と公約をつくり、がんばってみたものの、
兄弟同士が楽しく遊んでいるときに
私が日本語で話し始めると、
子ども達は急におしだまってしまいました。
これはかえって、子ども達に無理を強いて、
そのうち日本語自体を嫌いになってしまうのではないか?
と思うようになりました。
たしかにどこに住んでいても、
両親から授けてあげられることは、
日本人の私達の持っているものですし、
彼らがどこに住んでも、
日本人の両親から生まれた子であることを
意識できる人にしてあげたいと思うようになりました。
それでは、義務教育も日本人学校に行かせ、
家も学校も日本語の環境にしてみてはどうか‥‥。

日本人学校の体験入学の日、
図書館でたくさんの本を見た感激と、
節分の遊びをして、帰りにその豆をもらった喜びに、
日本人学校は毎日がこんな遊びをして過ごすところだと
子どもはきっと勘違いをしたのでしょう。
本人も日本人学校への入学を望み始めました。
日本人学校の入学の最低条件は、
「自分の名前がひらがなで書けること」でしたので、
子どもは、日本語で名前を縦書きに書く練習を
喜んで始めました。

いつものように手をつなぎながら
イタリアの現地校から帰ってきた日、子どもが、
「マンマ、僕はイタリアで生まれたでしょう?
 でもマンマとパパァは日本人でしょう?
 僕には何人の血が流れているの?」と問いました。
6歳の子どもの大きな疑問。
その彼の言葉で、
私は日本人学校入学の決断に踏み切ったのだと思います。
その場面の記憶が強烈に残っていて
1枚の写真のように私に鮮明に焼き付いています。

さて、今回はパプリカのローストです。
パプリカはどうも消化しにくくてと思う方も
おられると思いますが、
ここでは皮をとっているので心配ありません。
他の料理でもパプリカを使うときに、
この一手間をかけると驚くほど甘みが増します。

パプリカのロースト


■材料(2〜4人分)

パプリカ:大3個
ニンニク:1かけ
イタリアンパセリ:1本
エキストラバージンオイル:
   ローストしたパプリカがひたる程度




■作り方

(1)パプリカを半分に切り、鉄板に並べる。



(2)天火の上火でローストする。



(3)焦げ目がついたら
アルミホイルでカバーして
15分くらい蒸す。



(4)皮がするっと剥けるようになっています。



(5)パプリカを適当な大きさに切り、
ニンニク1かけを半分にして
しんを取ったものと、
イタリアンパセリのみじん切りと
オイルを入れて、味をなじませる。



できあがりです。
短時間でできますので、
お忙しい方もどうぞ試してみてくださいね。

 
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