おさるアイコン
最新の記事 2005/11/22
 
イタリアの話
リエティ 〜名物祭、たらい乗り競技〜

今回はリエティをご紹介いたします。
ローマから北東に70km。 
街のピアツァ(広場)に「イタリアのおへそ」と、
記された所があります。
リエティは地理的にイタリアの中心なのだそうです。
人口はリエティ市で5万人で、
主な産業は農業と工業です。

我が家の窓いっぱいに見えた
テルミニッロ山は標高2,700m。
夏にはキャンプ場、
冬にはスキー場としてにぎわう山です。
我が家ではキャンプとスキー以外の行楽として、
イタリアでは誰もしないお花見と、
紅葉狩りが加わります。
そしてベリーノ川はこの山を通って、
街の中心を流れ込み、ローマのテベレ川まで続きます。

リエティの気候は地中海性気候で夏の湿度は低く、
家も太陽の光線さえさえぎれば涼しく過ごせます。
そんなわけで太陽の光があたる側は、
雨戸をきっしりと閉めます。
外に出て汗をかいても肌がべとべととしないので、
つい、何も防御しないままいると、
真っ黒になってしまいます。
イタリアの太陽光線の強さに驚かされます。
水も水道水が飲め、冷たいので氷など全く必要なし、
‥‥というか、
リエティの人は夏でも胃を冷やすものを避けます。
冬は山からの吹き下ろしの風が吹く時には、
家中の隙間風が入りそうな所に、
クッション枕木のような物を置いて対策をしました。
一冬のうち何度かは、
24時間ずっと暖房をつけっぱなしにしないと、
水道管が凍って破裂事件が起きてしまいます。
水源地もあり、特に膵臓が弱い人に、
喜ばれていた水質でした。
ここの水を飲むと、
すぐに尿意をもよおすのには驚きです。

私は始めの4年間は、
郊外のビッラレアティーナという
集団住宅に住みましたが、
その後はもっと奥に入る田舎町サンタルフィーナに、
引っ越ししました。

どちらの家からもある時間になると、
塩の磯臭い懐かしい香りがしました。
海もないこの街になぜ?
なぜかな〜と思いをめぐらすと、
な、なんと! 
ローマからアドリア海にまで通っている道の名前が、
サラーリア街道。
ローマ時代、塩(サーレ)を
アドリア海から運んでいたそうです。
風がアドリア海から塩の香りを運ぶのか? 
それともローマ時代の塩の香りが、
道に残っているのか?
そんな思いをめぐらせていました。

ところで、リエティの名物といえば、
住民待望の夏のお祭りです。
ボランティア組織の太陽の祭りが主催する
その名も「太陽の祭り」がベリーノ川で開催されます。
木製のたらい乗り競争をします。
そして、川岸から一本木が掛けられ、
選手が一人ずつ突き落としをします。
この川は山からまっすぐの川ですので、
冷たくて泳ぐなんてことは出来ませんので、
落とされた時はかなりの打撃でしょう
‥‥なんて、観ている方の言うことで
真剣そのもの勝負なのです。 
マッチョマンをキャ〜と応援する楽しみって、
やはり夏のものですね。
急流の所もあり水深は4mもある所もあるので、
昔はこの競技で亡くなった人もいるとのことです。
夜になると街の中心で太陽の祭りのメンバーが、
野外仮設レストランで、
前回ご紹介したフレニャッチャを作り、
町中パスタの香りに包まれます。

ところで、このたらい乗り競技がご縁で、
リエティは日本の伊東市と姉妹都市にもなりました。
今年は調印20周年記念でした。
伊東市がたらい乗りに参加するときもあり、
あまりの水の深さ冷たさに、
参加者達は気を引き締めるそうです。
観客のイタリア人が日本の旗で日本からの参加者を、
応援してくれたりして盛り上がります。
伊東市のメンバーが文化交流で、
日本の文化を紹介してくれ、
この地に親日家が多いのには驚きました。

今回のお料理?
ついつい、たらい乗り競技のお話にはまってしまい、
すっかり忘れてしまいました。
次回はバーベキュー好きの我が家の、
冷たいお米サラダ、プリモです。
乞うご期待を!
 
ご感想はこちらへ もどる   友だちに知らせる
©2005 HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN All rights reserved.