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最新の記事 2005/11/08
 
レシピその3
手打ちパスタ 〜リエティの郷土料理FREGNACCIA〜

カーテンに続き、ぞくぞくと家具が集まりました。
ばばやカーテンおばちゃんが、
我が家の様子をお茶のみ友達に話し、
その家族、そしてその親戚が声をかけあっての
協力体制をとってくれていたんだ
‥‥なんてわかったのは、
リエティに慣れてきてからでした。

アンティックの家具に囲まれ家庭らしくなり、
安堵して寝られるようになったのは、
すぐのことでした。

ほんとうに、毎日が驚きの生活!
私がまずイタリアの生活で覚えたこと。
パンツ、靴下、ナプキン、シーツ‥‥
全ての物にするアイロンがけ。
大理石床の磨き方。
いつでもどこでも楽しもう、という会話術。
午前のコーヒータイム、午後の集い、お食事時の集い‥‥。
これが案外と大変で、
「静かにしながら、一緒に過ごそうよ」
なんてあり得ない。
「夫がいないときは家でひとりだなんて、
 かわいそうすぎる!」と誘われて、
毎日のほとんどをみんなと過ごすつらさ‥‥
なんたって言葉ができないので
笑う、微笑む、うつむいて食す、を繰り返す私!

言葉少ない(話せない!)
上品(全く判らないのを微笑みで返す!)
神秘(そりゃ〜私だって何をしてよいかわかりません!)
‥‥私の印象はこんな感じだったようです。

もう一つ覚えたことは、
今回ご紹介するパスタ打ちです。
どの家にもあるパスタ台と麺打ち棒。
毎週末は必ず実家に集まっての食事会。
登場するのはマンマの手打ちパスタです。
小麦粉も近くの粉引き場から10kg単位で買い、
いつでもパスタ打ちできる態勢です。

今回は手打ちパスタの中でもリエティの郷土料理
FREGNACCIA(フレニャッチィア)をご紹介いたします。


FREGNACCIA
(フレニャッチィア)



■材料

●手打ちパスタ
卵:1人1個
小麦粉:中力粉を卵1個につき100〜120g
塩:少々
オイル:少々

●ソース
熟しトマト:湯むき2コくらい
     (湯むきして種をとりざく切りするか、トマト缶を使用)
ニンニク:半分(芯を抜いてつぶす)
オリーブ、キノコ、ペペロンチーニ、イタリアパセリ:適量。

■作り方

●手打ちパスタの作り方
(1) パスタ台の上に粉を出し、
   円形状に広げた小麦粉の中に、卵と塩オイルを入れ混ぜる。

(2)ボール状にしてから表面がつるっとするまで
   良く練る(20分程度)。

(3)種を寝かせる。(1時間程度)

(4)種から2人分くらいを取り、パスタ台の上で
   麺棒で下記の写真のように延ばしていきます。



(5)一方の方向にばかり延ばすのではなく、
   麺棒に絡ませてから、違う方向にしながら、
   厚さ数ミリになるまで必死で、
   コロコロと綿棒をつかって延ばします。

(6)延ばした生地を切ります。



(7)くっつかないように、ちょっと干します。
   (テーブルにテーブルクロスを広げそこに広げておきます)
   表面がちょっといい感じに乾いてきたときに
   生地を太巻きののり巻きのように巻き、ちぎります。
   切った麺は広げておきます。



●ソースの作り方
(8)深めのフライパンに
   たっぷりのオリーブオイルを入れ
   芯を取ったつぶしニンニクを入れ、
   良い〜香りになって来たら、
   ペペロンチーニやキノコなどを入れよく炒めます。

(9)油が表面に浮いて来たときに、
   トマトとオリーブの実を入れてちょっと煮ます。
   シンプルなパスタ料理なので、
   材料はおいしい新鮮な物を使ってください。
   トマトをあまり煮詰めず、
   素材感を充分に感じられるくらいのところで、
   イタリアンパセリを入れて火を止めます。

●パスタをゆでてソースとからめて完成

(10) たっぷりのお湯の中に数滴オイルをたらし、
   沸騰したら先ず家族全員をテーブルにつかせます。
   パスタは沸騰したお湯に入れると数分で茹で上がります。
   パスタをソースの入ったフライパンに入れ、
   火にかけ、ソースの味をなじませます。


ア〜、本当に美味しそうですね!
BUONAPETTITO!

リエティの料理は素朴な農村の料理です。
オリジナルは収穫した小麦粉と塩と水のみで、
パスタを作ります。
そこに畑で取れたトマトさっと煮て、
自分の畑から作ったオリーブオイルをかけて食べたそうです。
この素朴なオリジナルのレシピでも試されてください。
ただし、材料は新鮮な物にすることがポイントです
 
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