飯島食堂へようこそ。天海祐希さんと、
副菜ごはん。
写真：小川拓洋
その3泣きます。泣きました。泣きますよねえ。
- ──
-
海苔がきました。
おにぎりに巻いてどうぞ。
- 糸井
-
ちょっと待って、
この海苔だけでちょっと味見をしてみて。
- 天海
- うわ、パリッパリですね。うわっ。
- 糸井
- おいしいでしょう？
- 天海
-
うん。すごい香り。
食べちゃいますね、これね。
- 飯島
-
もう戻れませんね。
私はいつもテレビを観ながら
そのまま食べちゃうんです。
- 天海
-
海苔、大っ好きなんです。
どこの海苔ですか？
- 糸井
-
有明海です。
今年の海苔は豊作で、
なおかつ質が高いんですよ。
- ──
-
去年は海が暖かくて雨が多かったので、
不作だったんです。
海苔は薄くて暖かい海だと
おいしく育たないんだそうです。
濃くて冷たい海のほうがいい。
- 天海
-
へぇ、冷たくないと！ そういえば、
青森の大間にドラマの撮影に行ったんですけど、
「地元の人しか食べられない海苔がある」と、
それでおにぎりを作ってくれたんです。
- 糸井
- おいしかった？
- 天海
-
とっても！
海流が３つまじわる
離れ小島で穫れる海苔なんですって。
でもそんなに量が確保できないから、
地元にしか出回らないんだそうです。
何が違うのっていったら、
ものすごい歯ごたえなの。
- 糸井
- 硬めなんですか。
- 天海
-
海苔というよりほんとに海藻みたい。
お醤油ビッタビタにひたして
すこしふやかしてからごはんに巻かないと、
ぱりんと割れちゃうほどなんです。
でもこの有明海の海苔も
しっかりしてますね。
- 糸井
-
築地の海苔屋さんが仕入れてきた海苔のなかから
僕らが社内で品評会をして、選んで、
これはこういう味、こちらはこういう味、って、
ブランドにして売っているんです。
- 天海
- みんな意見は一致するんですか？
- 糸井
- それが、合うんだよ。
- 飯島
-
でも、食べているうちに
だんだんわからなくなってきますよね。
だから、前に戻ったり、水を飲んだりしながら。
- ──
- 後半、酢飯でちょっと食べてみたり。
- 天海
- あぁ、そうかご飯を巻くと変わりますよね。
- 糸井
-
お寿司屋さんがご飯を持って来てくれて、
いろいろ巻いてくれるんです。
- 天海
-
アハハハ。贅沢！
じゃあ私も失礼して、
おにぎりに海苔を巻いて。
- 糸井
- たまんないよ、この鮭からおにぎりへの流れ！
- 飯島
- 鮭とおにぎりはね、切っても切れませんから。
- 天海
-
おいしいっ。
鮭も、おいしい。
昔、すっごい塩っ辛い鮭ありましたよね。
あれがとっきどき食べたくなるんですよ。
- 糸井
-
たまにデパートとかで、
塩が強めだと言って売っているんだけれど、
昔のは全然違いますよね。
- 天海
- 違いますよ。
- 飯島
- お茶漬けとか、いいですよね。塩辛い鮭。
- 糸井
-
塩をすることで、出てくる旨味があるんだろうね。
それこそドラマのロケとかって、
食べ物もままならないだろうから、
こんなの出てきたら、たまんないですよね。
- 天海
-
泣きますね。
泣く。
まず泣きます。
- 糸井
-
飯島さんに最初にうちのメンバーが会った時、
おにぎりを食べたんだよね。
- 飯島
- 映画『めがね』の撮影のあとですね。
- ──
- 泣きました。
- 天海
- 泣きますよねえ。
- 飯島
-
次は、糸井さんの好きな、
コロッケのグラタンです。
- 糸井
- グラコロ！
- 天海
- えーっ！！
- 飯島
-
コロッケの材料を、揚げずに、
グラタンにしたんです。
ちょっと熱いので気をつけてくださいね。
グラタンコロッケ
まるめずに、グラタン皿いっぱいに、
揚げず、焼いて仕上げる「グラタンコロッケ」。
サクサクした食感がたのしいメニューです。
材料
- じゃがいも 中５コ
- 鶏ひき肉 100ｇ
- たまねぎ 1/4コ（みじん切り）
- れんこん 100ｇ
- サラダ油 小さじ１
【Ａ】
- うすくちしょうゆ 大さじ１
- 砂糖 大さじ1/2
- 酒 大さじ１
【Ｂ】
- 牛乳 200cc
- バター 大さじ１
- 塩 小さじ1/2
- こしょう 少々
- パン粉 大さじ４
- サラダ油 小さじ２
つくり方
- れんこんの皮をむき粗みじん切りにし、
５分ほど酢水（分量外）につけ、
水で洗い、ザルに上げておきます。 - 熱したフライパンにサラダ油小さじ１をひき、鶏ひき肉、
たまねぎ、１を炒め、【Ａ】で味付けします。 - じゃがいもの皮をむき、４等分に切り、
鍋にひたひたの水と塩少々（分量外）を加え、ゆでます。 - やわらかくなったらお湯を切り、鍋に戻し粗くつぶし、
【Ｂ】を加え、マッシュポテトのように混ぜながら煮ます。 - なめらかになったら２を加え味をみて、
薄いようなら塩・こしょう（分量外）で味をととのえます。 - 焼き皿に５を入れ、
サラダ油小さじ２を混ぜたパン粉をのせ、
22O℃のオーブンで10～15分
こんがり焼けばできあがりです。
- 天海
- グラタン、お好きなんですか？
- 糸井
-
コロッケが好きなんです。
前に『ぼくの好きなコロッケ』という本をつくるとき、
理想のコロッケを表紙にしようと、
飯島さんのところで色んなコロッケを作ってもらいました。
いっぱい揚げてもらって食べたなぁ。
- 天海
- 幸せでしたか？
- 糸井
- うん。
- 天海
-
それにしても、おいしい。
あ‥‥ちょっと私‥‥がっついてませんか？
大丈夫かな？
- 一同
- （笑）
- 糸井
- 男役だから大丈夫。
- 天海
- 「元」ね。
- 糸井
- 「にぎりめしに負けちゃダメだぜ」！
- 天海
- 負けちゃダメ。
- 飯島
-
糸井さんそんなふうにおっしゃいますけど、
天海さんのＣＭのドレス姿
すごくステキだったんですよ。
- 天海
- 馬子にも衣装です。
- 飯島
-
マリーアントワネットみたいな、
裾のフワッとしたドレスを着て。
- 糸井
-
お似合いになるでしょう！
じつはね、うちで、天海さんは
“着ぐるみ”って呼ばれてるんだ。
天海祐希の着ぐるみを被った面白い人だって。
うちにも、樋口可南子という着ぐるみを着た人が
いるんですけどね。
- 天海
- フフフフフ。
- 糸井
-
面白い話がいっぱいあるんだよ。
お笑いの番組にゲストで出ても、
あんなに面白い部分を出すことはない、
というくらい、面白かったの。
（つづきます）
2017-05-18-THU
木曜ドラマ『緊急取調室』
4/20にはじまったテレビドラマ
『緊急取調室』セカンドシーズン。
天海祐希さんは主役である
警視庁捜査一課・緊急事案対策取調室の刑事
「真壁有希子」を演じています。
ちょうどこのコンテンツの収録時、
撮影の真っ最中だった天海さん、
楽屋ばなしもたくさん聞かせてくださいました。
『ＬＩＦＥ 副菜２ もうひと皿！』
飯島奈美さんの最新刊は、
食卓にうれしい副菜を５６品あつめた
かんたんなレシピ本。
副菜、と言ってますけれど、
ちゃんと「ごちそう」なのです──その意味は、
今回、天海さんと糸井重里が食べた料理を
ごらんいただければ、わかるはず！
ほぼ日刊イトイ新聞をフォローする
© Hobo Nikkan Itoi Shinbun.