忘れないうちに書いておかなくっちゃ。 ほぼ日リニューアル物語

去る2007年6月6日、 「ほぼ日刊イトイ新聞」は創刊以来変わってなかった トップページをリニューアルいたしました。 いったいどんな経緯で? どんなコンセプトで、どんなふうに? 新しいページもようやく浸透しはじめたいま、 そのリニューアルにまつわるあれやこれやを 書いておくことにしました。 そのいちばん大きな理由は、 「書いておかないと自分たちが忘れちゃうから」。 ほぼ2年をかけた一大企画の悲喜こもごも。 よろしければ、お読みください。 ナカバヤシが担当します。




2007-09-18 第1回 長くて見づらいトップページ
2007-09-19 第2回 最初のリニューアル会議
2007-09-20 第3回 挫折と8周年宣言
2007-09-21 第4回 3つのエリアと3つのテーマ
2007-09-23 第5回 ふたつのラッキー
2007-09-24 第6回 さぁ、デザインだ!
2007-09-25 第7回 社内プレゼンから意外な展開へ
2007-09-26 第8回 まだまだ変わりつづけます




第1回 長くて見づらいトップページ
ほぼにちわ。
10年目を迎えた2007年6月6日、
ご存じのように、ほぼ日刊イトイ新聞は
トップページを全面的にリニューアルしました。

創刊以来、9年続いていたページを
すっきりリニューアル! したわけですが!
そこには、深刻な問題から愉快な出来事まで、
さまざまな紆余曲折があったのです。

なにせ、まるまる2年近くをかけた
長い長いプロジェクト。
せっかくですから、その経緯をここに
記しておくことにしました。
なんといっても、
書かないと自分たちが忘れちゃいますから。ね。
立ちふさがったいろんな問題や、
いただいたたくさんのご意見、
発見した事実や、悩んだすえの解決策などを、
覚えておかなきゃ、もったいない!

というわけではじめさせていただきます!
「ほぼ日リニューアル物語」!
担当は、リニューアルプロジェクトの
進行を務めました、私、ナカバヤシです!
どうぞ、よろしくお願いします。

さて。それではまず、
こちらのデザインをご覧ください。
2007年6月5日までの、
「ほぼ日」のホームです。



長い! 一目瞭然、長いですね!
じつは、この長さには、理由があるのです。

創刊当時、ほぼ日刊イトイ新聞は、
いまよりもずーっとコンテンツ数が少なかったんです。
「毎日更新!」と言ってはみたものの、
そんなに毎日毎日更新できるネタもない。
ひどいときには、
「今日のダーリン」以外の
「新メニュー」がひとつしかない!
という日もあったのです。

そういったときに
この縦に長いデザインは、
「更新コンテンツを多く見せる」ために
すごく便利だったのです。

具体的にいうと、
「今日のダーリン」の下に「新メニュー紹介」があり、
その下に「昨日の更新コンテンツ」、
さらには「一昨日の更新コンテンツ」も並びます。
こういうデザインになっていると、
その日の更新コンテンツが少なかったとしても、
「なんだかたくさんコンテンツがある!」
というふうに見えたわけなんですね。

つけ加えると、当時のインターネットは、
まだまだ接続に時間やお金のかかるものでした。
回線をつなぎっぱなしにしていると
どんどんお金がかかる時代。
インターネットに
毎日アクセスできる人も限られていて
読者のみんなが「ほぼ日」に
毎日アクセスするとは考えられない。
だから、ひさしぶりに訪れた人のためにも、
2〜3日分のコンテンツを
トップページに並べておくほうが喜ばれたのです。

ところが、月日とともに、
状況はいろいろと変わってきます。
問題もいろいろと生じてきます。

まず、1日に更新されるコンテンツの
本数が飛躍的に増えました。
すると、ページをスクロールする量が増えて
「スクロールがめんどうです」
というメールをいただくようになりました。
また、長くなるだけでなく、
読みたいコンテンツを探しにくくなったりもしました。

増えていったのは、コンテンツだけではありません。
「今日のダーリン」の両横にある
「小さなお知らせのバナー」も増えていきました。




いろんなお知らせが無節操に並んで、
なにがなんだかよくわからないですよね。
このころから、新しく訪れてくださった読者の方から
「どこになにがあるのかわかりません」
というメールをいただくようになりました。

9年前のデザインをもとに、
その場その場で増改築を繰り返していたページですから、
そういった混乱が起きるのも当然です。
家にたとえるなら、
設計図なし! 現場監督不明!
で増改築を繰り返していたようなものなのです。

象徴的な出来事があります。
以前に行った、読者アンケートで、
「ほぼ日の中で、見づらいと感じたページは?」
と質問したところ、
なんといちばん多かった回答が
「ほぼ日のトップページ」だったのです!

もう、まったなし! 制限時間いっぱい!
そろそろ本気でリニューアルやろうよ!
そんな話が出はじめたのは、
2005年の夏頃でした。
しかし、このときは、このプロジェクトが
険しい険しい道のりになることを
だれ1人として予想していなかったのでした‥‥。

(つづく)




2007-09-18-TUE