ほぼ日刊イトイ新聞 フランコさんのイタリア通信。アーズリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。
2008-11-26-WED

ヴァレンティーノ・ロッシ、
フェラーリに乗る。


cassano

きょうはサッカーをちょっと離れて、
ここでも何回か触れている
オートバイライダーの
ヴァレンティーノ・ロッシの最新情報です。

8度目の世界一になったあとは。

この秋、日本の「ツインリンクもてぎ」でおこなわれた
2008MotoGP世界選手権シリーズ第15戦
A-STYLE日本グランプリ決勝で
ヤマハに乗ったヴァレンティーノ・ロッシが勝利し、
彼は8度目にして最新の世界一になりましたね。

cassano

彼はあらゆる時代のオートバイライダーとして
最強と目され、来シーズンの勝利も望んでいますが、
実はその一方で将来のことも考えています。

それは、いつか4輪車に乗る、ということ。

ヴァレンティーノ・ロッシの夢は、
イタリアで最も優れた車フェラーリに乗って、
F1で世界チャンピオンになることなのです。
あと1年はヤマハに乗らねばならないのですが、
その先は‥‥?

そのように考えている彼は、
フェラーリ社長であるモンテゼーモロ氏に、
たびたび試乗をお願いしていました。

そして、先週のこと、
トスカーナにあるムジェッロのサーキットで、
念入りなテストが行われました。
このコースはオートバイの
世界選手権にも使用されますから、
ヴァレンティーノも良く知っているコースです。
そして、ヴァレンティーノ・ロッシは、
完璧に価値あるタイムを出して周囲を驚かせました。

cassano

F1ドライバーへの夢は近づいたか?

11月20日、彼はフェラーリに乗り、
午前中に26周、午後に25周しました。
彼は過去にもフェラーリで走ったことはありますが、
こんなに長く、つまり本格的試乗は初めてです。
彼が乗ったのはF2008、つまり、
ブラジルF1でライコネンやマッサが使ったもので、
このテストは、まさに見ものでした。

フェラーリのドライバーの伝統的な赤いつなぎ服と、
ヘルメットはオートバイレースの物と似たのを着用し、
ヴァレンティーノ・ロッシはムジェッロの1周を、
午前中は1分23秒09で、
午後には更に1分22秒05で走り、
ひどい嵐が来てテストはここで中断されました。

cassano

数ヶ月前ですが、ライッコネンやマッサの、
この同じムジェッロのコースでの最高記録は
1周が1分21秒台でした。
ということは、ヴァレンティーノ・ロッシは
大健闘したことになります。

テストが終わるとヴァレンティーノ・ロッシは、
フェラーリのエンジニアたちから賞賛され、
お祭り気分の中で、こう明言しました。
「オートバイライダーの世界では、
 何年もの間、ぼくは最高だと実証してきたけど、
 F1でもそうなれると良いな。
 何年か前から、ぼくは車の運転も
 とても上手いと気づいているんだ。
 でも、どうせなら一番になりたい‥‥」と。

このテストには、ヤマハのチームマネージャーである
デイヴィッド・ブリヴィオも立ち会っており
「これは娯楽、お遊び、
 シーズン終了後のご褒美ですよ」と言っています。
ヴァレンティーノは、
まだヤマハのために走るでしょうが、
未来には何でも起り得ます。

自分のm46ナンバーを付けたヴァレンティーノが
フェラーリで疾走するところ目の当たりにして、
ぼく、フランコはとても感動しました。
フェラーリのエンジニアたちは最後に、
「ヴァレンティーノは
 少年みたいに幸せそうだったよ」と、
こっそり、ぼくに話してくれました。

ヴァレンティーノは、
子どもたちがみんなそうするように、
将来を夢見ているのです。
夢は、最後には叶えることもできるかも‥‥。

cassano


訳者のひとこと

オートバイのことは良く知りませんが、
ヴァレンティーノ・ロッシが
少年のようだというのは、いかにもですね。
こんな可愛い顔をして、
よくあんなに危険なレースで
優勝したりするものだと、
いつも、おばあちゃん気分で感心しております。

ところで、
オートバイならぬエアロバイクに乗って、
フランコさんはダイエット中だそうです。
ご健闘を祈る!!

モスキーノ

翻訳/イラスト=酒井うらら



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