おさるアイコン ほぼ日の怪談

「二人以上‥‥」


私の友人にいわゆる「見える人」がいます。
彼女は実に淡々としていて、怖がるでもなく
身の上にあった話をしてくれます。

それは彼女が男女6人で旅行に出たときのこと。
旅館に着いて、男女それぞれ3人部屋が
あてがわれていたのですが
まず、みんなで一緒に
お茶を飲もうということになり、
荷物を持ったまま6人一部屋に入りました。

そのとき、その部屋に「何か」を感じたそうです、
みんな。
あんまりいい部屋じゃないねって。

そうなんです。
6人が6人、みんな「見える人」だったのです。
そうこうするうち、その中の一人の女の子が
気分が悪くなったといって倒れてしまいました。
どうやら彼女に憑いたものは
タチが悪いもののようだったので
「まずはこの部屋から出よう。」
ということになり
男の人2人で女の子を持ち上げました。

ところが重いんです、すごく。
なにかが取り憑いているわけだから
彼女ひとりの重さじゃなく、
二人分の重さがあっても
おかしくはないんだけど、それにしても重い。
やっと廊下に引きずり出して、
女の子の首筋にお守りをあてがい、塩をまき、
憑いているものを鎮めました。

しばらくすると女の子は意識を戻したので、
一部始終を話し、すごく重かったことを話すと

「うん、私に、男の人がひとりと、
 犬が一匹、しがみついて離れなかったんだよね。
 多分、犬の重さだったんじゃないかな、
 二人分以上って。」

と話してくれたんだそうです。
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