おさるアイコン ほぼ日の怪談

「エレベーター」

実は私、子供の頃から左肩のすぐ後ろに
人の気配を感じています。
左肩の上に重さの無い人の顔が乗ってる感覚、
と言う方が正確かも知れません。
お陰で、夜道を歩く時に、何度振り返った事か。
こうやって、メールを書いていると、
気配がより強く感じられます。

先日、仕事でビルの7階にある
事務所を訪問した帰り、
私一人が乗った下りエレベーターが
5階で止まりました。
扉が開くと、男女一人ずつが
エレベーターを待っていて、
女性は何事も無く乗り込んで来られたんですが、
男性が私の顔を見て、
視線をホンのわずか左にずらし、
つまり私の左肩辺りを見た時に、
「ウッ」とも「グフッ」ともつかない
奇妙な声をあげたと思ったら、顔を歪めて、
扉が閉まる前に
エレベーターから出て行ってしまいました。

彼は一体何を見たのでしょう。
思わず声が出てしまうほど不愉快なもの、
一緒に居たくないほどのものとは、
一体、何なんでしょう?

前の話にもどる もう、やめておく 次の話も読んでみる