怪・その13
「前夜の夢」


私の父は11年前、車の事故で亡くなりました。

山奥の夜道を大雨の中、
車で走っていた時のことでした。

携帯も圏外の場所だったため連絡はずっとつかず、
捜索願を出し待つこと一週間、
偶然釣り人に発見されました。

夏で視界が悪かったらしく、
運悪く工事中だった道を避けて走ったため、
道を誤り、すぐ下の崖から車ごと転落。
多分、即死だったでしょう、との警察のお話でした。

その見つかる日の前の晩。

兄(父の息子)は
肩を誰かに叩かれて目が覚めたそうです。

兄嫁は、夢に父が出てきたそうです。

そして、凄いなあと思う話がもう一つ。
いとこの夢にも父は出てきて、
その姿はお面をつけていたそうです。

小さい頃よく父が遊びに連れて行ってくれた場所で。

いとこは当初、
なぜ父がお面をつけていたのかが
わからなかったそうです。

翌朝みんな、
「父は見つかる。」と確信したそうです。

そして、発見されました。

父は無事、仏様となって帰ってきてくれました。

父は1週間後に発見されたため、
夏だったこともあり、
遺体は腐乱がかなり進んでいました。

当然、顔はいつもと、変わっていました。

父は、見せられない顔をお面で隠して、
夢に出てきたようです。


偶然なんかじゃない。
家族は、ちゃんと繋がっているんですね。

(A)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
前の話にもどる もう、やめておく 次の話も読んでみる
2011-08-10-WED