YAMADA
おとなの小論文教室。
感じる・考える・伝わる!

Lesson856
      読者の声―「恐れる」性格



たちが悪いのが「恐れる」性格。

「恐れない」それだけで優秀。
恐がりはすぐテンパって自分しか見えなくなり、
周囲を傷つけてるのに気づかない。

ただしすごい恐がりが
恐さに負けずそれをやれば「勇気」となる。
ビビりは勇気を出さなければならない。
勇気出さないビビりは自動的に「卑怯」になる。

そんな先週のコラム、
「恐れる」性格
読者は何を感じたのか。

さっそくおたよりを紹介しよう!


<最初のたった一言が言えなくて>

「恐れる」性格を読み、ドキリとしました。

私は以前あるサークルに所属していた時、
恐れて逃げ回って
周囲の人に見放されてしまったことがあります。

最年少の私に先輩たちは
「サークルのブログ更新をやってみたら?」
「新メンバー募集の告知をしてくれない?」
など、さまざまな提案をしてくれました。

しかし、ビビりな私は
自分の書いたものがネットで全世界に出ていくことが
怖くて、すべて断ってしまいました。

最初は可愛がってくれたメンバーも
だんだん「この子は何をしたいの?」という雰囲気になり

そのまま私は逃げるように辞めてしまいました。

今も後悔とともに思い出す経験です。

あの時勇気を出して「やります」と言えばよかった?
それとも「こんなことをしてみたい」と
声をあげればよかった?

よくよく紐解いてみるともっと根本のところ
「サークルの活動内容が、ちょっと私の想像と違いました。
だから入会はしないでおきます。」
と、たった一言、勇気を出して断ればよかった。

そう、ほんとうは
初めてサークルの集まりに顔を出した時から
私の興味や考えとは少し違うと思っていました。
だから、自分がサークルの一員として
ブログや告知を作成するのに抵抗を感じたのです。

それなのに、
憧れの先輩に誘ってもらったサークルだから、
断ったら先輩に嫌な思いをさせてしまうから。

いろんな理由をつけて、
自分の気持ちにまっすぐ向き合わないで、
自分の考えをはっきりと言うことから逃げていた。
そのことが問題だったのかなと思うようになりました。

傷つくことや衝突を恐れて
自分の考えを示すことから逃げていると
結果的にもっとひどいことになる。
周囲の信用を失う。

勇気を出して自分の考えを口に出そう。

まだまだビビりな私ですが、
自己主張することを始めています。

勇気を出して考えを主張してみると、
案外なんということはなく、応援してくれる人さえいます。
この勇気を積み重ねていきたいです。
(はる)


<小さな勇気を積み重ねる>

何も起きていないのに、
余計なことばかり考えて不安になって、
将来を悲観したり。

恋人とのケンカで
自分を正当化しようと相手のせいにしたり。

なんでこうなっちゃうんだろう、と自己嫌悪。

先週のコラムを読んで、
自分の「恐れる」性格が
起因しているのかと気付きました。

なんだそういうことか、

分かった途端に気持ちが楽になりました。

「恐れる」性格だと、
勇気を出す場面ってたくさんあります。

この感想メールを送ることも、
私にとっては勇気。
些細なことでも、勇気を出すことを
積み重ねていきたいです。
(どんぐり)


<絶望的な状況でも>

私を貶めようとする人達、
私のいる現実は変わりません。

人を変える事はできず、自分が強くなるしかない。

とてもつらいですが、

「弱さを直視できる自分の強さ」

を信じて、
一つ一つ積み上げていくだけです。
(Y)


<ほーんのちっちゃな勇気>

メーカーで管理職を担っている高齢期の男です。

30年以上脇目も振らず働いて病気になり、
改めて過去を振り返ると、

「母親に対する恐れ」がありました。

「お前には価値がない」、
「私の言う事は絶対」、
と言う母。

自分の気持ちの居場所が無かった。

自分が判らなくて人を恐れる。

人の批判が怖いので
自分はこう思うという言葉に出来ない。

そして孤独になる。

どうやらこのサイクルを繰り返してたようです。

でも、気づきました。
孤独に怯えない為には、

ほーんのちっちゃな勇気。

自分を出さないと受け入れてもらえないです。
(ma)



「自分はいま、恐いんだな。」

と気づけたら、
もうかなり、問題の出口に近い、と私は思う。

たいていは、自分が恐がってる、と
気づけないからやっかいだ。

「なんかイライラしてるな私」とか、
「なに怒ってるんだろう自分は」とか、

あるいは、

「なんかきょうの私、ズルくなってない?」
「アレ? こんな卑怯な性格だったっけ俺」

そんな感じ。

まわりの人も、
よもや恐がっているとは思わないから、

自分とまわりがギクシャクする。

自分のビビりパターンを知っていると、
わりと早く気づける。

私の場合は、
「怒ってるときが、恐いとき」
母や姉は、子供のころから
私のビビりパターンを知り抜いているから、
怒っても、「恐がってるんだ」と
早く察知してくれるので、とてもラクだ。

自分が恐がってると分かれば、

その先の選択肢は限られている。

こっぱずかしいけど、
「私、恐いんです。ごめんなさい」
と正直に言って、
助けてもらうか、勘弁してもらうか。

あるいは「勇気」を出すか。

勇気は早いうちに、小さく出してしまうと、
あとは連鎖して、つぎ、またつぎと出てくる。
まわりの人にも連鎖する。

「勇気、勇気、勇気で行こう!」

と私は思う。

ツイートするFacebookでシェアする


山田ズーニーさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「山田ズーニーさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2017-12-20-WED

YAMADA
戻る