エナガのねぐら。  カワイイ小鳥の観察記 フロム富士山麓
 
北海道シマエナガ探索の旅・前編 観察日 2013年9月24日 − 2013年9月26日
 

写真集「エナガのねぐら」が無事に発売となりました。
「読んで鼻血出しました」とか「悶絶しました」とか、
皆さんからいろいろな反響をいただくたびに、
私はもう、嬉しくて嬉しくて、ジタバタしております。

さて今週は「北海道シマエナガ探索の旅」。
書いてるうちにどんどん長くなってしまったので、
二つに分けて、今日はその前編をお届けしまーす。

そもそもは、エナガの写真集を作るにあたり、
東京書籍の編集者・角田さんと作戦会議をしました。
そのとき「シマエナガって人気ありますね」
みたいな話の流れから、いつのまにか
「じゃ、撮りに行ってきます!」って話になって、
北海道までシマエナガを探しに行くことに。
まだ秋口なので丸みが足らないかもしれないけれど、
会えるかどうかわからないけど、
一か八かで、
おりゃーっと出発!

 

【1/5日目 釧路市動物園】

釧路空港に降り立ってレンタカーを借り、
まずはじめに訪れたのが釧路市動物園。
ゲートを入って一目散に駆けつけたのはここ、
カナダカワウソの前だっ!

あくび。かんわええー。

カナダカワウソのω(クチとその周辺)が
あまりにも立派で可愛らしいので、
私はずっとカワウソ舎の前に立ちっぱなし。
1時間…
2時間…
ハッ おい、俺、しっかりしろ!
シマエナガを探しにきたんだろ!

と正気に戻った私は、
釧路市動物園の中にある湿原へと向かいました。
湿原を縦断する全長450mの
木道散策路をうろついていると、
森の奥から、

ツブ…ツブ…チュルリ…

確かにシマエナガの声が聞こえてきます。
そのまましばし待ってみると…

あっ! 白っぽい鳥キターッ! 
と撮ったらハシブトガラ。
ほかに見た鳥は、アカゲラ、シジュウカラ、アオジ、
ゴジュウカラ、キバシリなどなど。
結局シマエナガには会えませんでした。
残念。

気を取り直して動物園を一回り。
レッサーパンダがかわいかったです。えへ。

その後レンタカーをずーーっと運転して、
根室市の風蓮湖のほとりにある
ロッジへとたどりつきました。
ここに4連泊して、
道東のシマエナガを探索するぞ! おー!
という計画です。

 

【2/5日目 根室市周辺】

早起きしたら、霧が出ておりました。
ロッジ前から眺める風蓮湖はこんな様子。

サギとカモがたくさんに、
タンチョウがすこし。
行ったり来たり、魚を食べたりしておりました。

さっそく早朝から、
根室市内の明治公園へGO!
ウロウロと探し歩くものの、
シマエナガはまったく見つからず。

むむむ。

霧がいつしか小雨に変わる中、
次は市民の森へと向かってみました。
ここにはハイド(野鳥観察小屋)があるのです。

この小屋がハイド。鳥を驚かさずに森を観察できます。

ハイドに入って小窓をそっと開き、
小雨が降るなかじっと待つこと2時間。
おなじみのゴジュウカラやハシブトガラが
姿を見せるだけで、
シマエナガは現れません。

むむむむむ。

がっかりしつつロッジに戻り、
お昼ゴハンを食べながら湖にふと目をやると…

風蓮湖を泳ぎ渡るエゾジカ!

シカって、泳ぐんですねえ。ほええ。

午後は春国岱原生野鳥公園へ。
散策コースに沿って原生林の中を一周するも、
シマエナガの声はまったく聞こえませぬ。
そうこうするうちに雨がひどくなってきました。

むむむむむむむ。

この日はシマエナガをあきらめて、
納沙布岬を見に行きました。
岬の灯台から海を眺めていると、
黒くてまるっこいアザラシの頭のようなものが
チラチラと見え隠れ。
雨で視界が悪く、
撮影はできませんでした。

結局、根室市周辺ではシマエナガの鳴き声も
気配も何もキャッチできず、
まったく見込みがない感じです。

これはまいったぞ。
明日は捜索範囲を変えてみるか……と
ネットで検索してみたところ、
宿から車で二時間ほどの中標津・丸山公園で
撮影されたエナガの写真を見つけました。
なーんとなく、良さそうな気がします。
よし、明日はココへ行ってみよう!

 

【3/5日目 中標津】

早起きして中標津へ向けて出発。
森と牧草地ばかりの、
やけにまっすぐな道を、
淡々と運転すること約2時間。
ようやく丸山公園につきました。

いざ!

カモですね。

マガモのメスでしょうか。うん。
なんとなくどす黒い感じの顔ですけど、
なかなか可愛いですね。

あ、あっちには…

エゾリス! ひゃっほう!

これは私が「いいポーズ」と呼んでいる、
リス特有の悩殺ポーズではありませんか。
まだ秋口なのに、この子はもう耳毛が少し
生えはじめていますね。
いいなーエゾリス。
かわいいなーエゾリス。
最高ですなーエゾリス。

あっちから別のリスが走ってきた!

収穫! 収穫!

オニグルミの木にのぼって、
たわわな実をくわえて降りてきたリス。
嬉しそうに走り回っては、
あちこちの地面にクルミを埋めるリス。
そう、いまはオニグルミの収穫期なんですね。

というわけで、
中標津の丸山公園は、
エゾリス天国でした!

あ、だめじゃん。
シマエナガを探しにきたのに、
まだ見つかってないじゃないっすか。
うわー。

丸山公園では見つからなかったので、
そのすぐ近くにある森林公園へ向かいました。

入り口のところにある掲示板には…

シマエナガが一年中見られる……ゴクリ……

なんかイラストが微妙にカワイクないけど、
シマエナガが年中見られると書いてあるので、
おっし! と気合を入れ直して、
森林公園の桟道とか山道を
歩き回ること2時間。
しかし出てくるのはゴジュウカラにハシブトガラ、
アカゲラ、コゲラにシジュウカラ。

だめだ…

とあきらめて、車に乗り込み、
ゆっくりと山をおりはじめたそのとき、
念のために開けておいた窓の外から、
「チュルリ」と一声聞こえました。

きたー! きたきたきたー!

その場に車を止めて外に出て、
声のするほうへ突進したところ、
いたいたいましたー! やっほー!

こんにちは!

なんか髪の毛がピョーンとかなってるけど、
顔が白くてかわいい!

そのまま10羽ほどの群れにくっついて山道を歩き、
約500枚撮影することができました。

シマエナガ!

シ・マ・エ・ナ・ガ!

もうホントにお餅みたいで可愛らしい。

森林公園の中心部を縄張りにしている群れは、
この一つだけだったようで、
他の群れにはまったく遭遇しませんでした。

とにかく見つかってよかった。
撮影できてよかったよかった。

中標津から風蓮湖への帰路、
野付半島の先っぽまで行ってみました。

▲野付半島の先っぽでウロウロしていたエゾジカ。

そしてロッジへ帰還。

▲夕暮れの風蓮湖を渡るカモたち。

ううむ。
よい一日でありました。

以上、
北海道シマエナガ探索の旅・前編でした。
来週は怒濤の後編です。
おたのしみにー!

今週は、イラストのお話をしましょう。
写真集を作っている途中で、
エナガの年間スケジュールや
巣づくりの手順など、
イラストで説明したいところがでてきました。

そのイラストを誰に描いてもらうのがいいか、
編集の角田さんと相談して、
ほぼ日のこのページをデザインしてくださっている
田口智規さんにお願いすることにしました。

田口さんはとてもいい人で、
こちらからのお願いを、
たいへん快く引き受けてくださいました。
ありがとうございます!

田口さんにお願いするにあたって、
「こんなふうな絵をお願いします」というラフを
編集の角田さんが描いたわけですが、
これが、もう、ほんと、面白いので、
ここでバラしちゃう。


編集の角田さんが描いたラフ。

うーむ。
うーむ。
うーむ。

んで、田口さんが描いてくださったイラストが、これ。

おお、素晴らしい!

ポワポワとした可愛らしいエナガです。
さすが田口さんであります。

写真集『エナガのねぐら』の中には、
こんなふうな可愛らしい田口さんの絵が、
二カ所に入っていますよ。
ぜひご覧ください。

あ、そうだ、ついでに。
東京書籍・角田さんが台割案に描いた
面白いエナガの絵をふたつ、
暴露…じゃなくてご紹介、いたします。


これは斜め後ろからの角度かな?

なんとなく、
後ろ暗い所があるエナガ、
そんな風に見えます。

それとも、何か悪い事でも
たくらんでいるのでしょうか。

正面顔…?

エナガの正面顔と思われます。
クチバシと思しきパーツが、
笑っているクチのようにも見えます。

この絵を見ていると、
なんだか、もう、
チカラが出ない。
そんな気がしてきますね。

写真集『エナガのねぐら』には、
この「チカラが出ない絵」の元になった写真が、
ちゃんと収録されていますよ。
探してみてくださいねー。

2013-12-20-FRI
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