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おひさしぶりです、ルヴォーさん。(そもそものお話)
 
宮沢りえさんが登場するのです!
シェフ ぷはーっ!
はふーっ!
ぜいぜい‥‥。
べっかむ3 やっと深く息ができますね。
きょういちにち、ずっと緊張していたものね。
シェフ そうなのです。ぼくらはいま、
デヴィッド・ルヴォーさんの対談の収録を終えて、
戻ってきたところです。
緊張したー! でも、おもしろかったー!
べっかむ3 なにせ、対談のゲストが、
ひとりは宮沢りえさん。
シェフ そうだよー。ただでさえ、
世界的な演出家と言われるルヴォーさんで
緊張しちゃうのに。
あ、さいしょにルヴォーさんが
「どれくらいすごいのか」といいますと。
べっかむ3 トニー賞を3回受賞なさってます。
シェフ そもそもトニー賞ってなんだい?
べっかむ3 正式にはアントワネット・ペリー賞って言うんですが。
シェフ ぜんぜん知らなかった!
べっかむ3 ブロードウェイで上演された
演劇、ミュージカルにたいし、
「アメリカン・シアター・ウイング」という団体と、
「全米劇場プロデューサー連盟」が主催、
700人の選考委員から選出される、
アメリカの演劇人にとってこれ以上の栄誉はないという
すばらしい賞なのです。
シェフ それウィキペディア読んだ?
べっかむ3 ちょっと読んだ!
シェフ それはつまり、アカデミー賞やグラミー賞、
エミー賞やピューリッツァ賞みたいなこと?
べっかむ3 まさしくそのとおり!
それをルヴォーさんは、3回受賞しています。
さらに、ノミネートはさらに9作品も。
シェフ すごいね‥‥。
たしか、組んだ役者さんたちもすごいんだよね。
べっかむ3 調べましたよ。すごいですよ。
オーランド・ブルームで『ロミオとジュリエット』を、
リーアム・ニーソンで『アンナ・クリスティ』を、
ジェシカ・ラングで『ガラスの動物園』を、
アントニオ・バンデラスで『ナイン』を。
シェフ くらくらしてきました。
そういえば対談でもふつうに
「バンデラスくんが」みたいな感じで喋ってたよね。
べっかむ3 うん、うん。
その世界的な演出家のルヴォーさんは、
じつは日本ともとても縁が深いかたで、
1988年に初来日、
1993年にはtpt(シアタープロジェクト東京)という
ちいさな演劇カンパニーの立ち上げにかかわって。
シェフ いろんな役者と組んで、
著名な戯曲を独自の演出で公演、
名作と言われる舞台をいっぱいつくってきたんだ。
くわしくはべっかむ3渾身の
ルヴォーさんのプロフィールページをごらんください!
そして、それが、ミュージカル『ナイン』につながって。
べっかむ3 縁あってそのリハーサルを観たぼくらが
すっかりまいっちゃって、
「ほぼ日」で特集したっていうわけでした。
シェフ かなり勝手に応援したねえー。
演劇のことがよくわかっていないぼくらが
稽古場に通いつめてレポートしたわけだから、
ルヴォーさんにしてみても
そうとう奇妙な応援だったと思うよ。
あれは何年前?
べっかむ3 あれは『ナイン』年前です。9年。
シェフ そんなに経つんだ!
『ナイン』は、その後映画になったから
ご存じのかたもいると思うけれど、
フェリーニの『8 1/2』を下敷きにしたミュージカル。
大人っぽくて、セクシーで、
主人公が愛すべき、ちょっとダメなモテモテ中年男。
音楽もキャストも、とってもよくてねー。
べっかむ3 ルヴォーさんの劇場版のほうが、
ずっと好きですよ、ぼくは。
映画好きとしてはくやしいくらい。
シェフ ぼくもミュージカルでは、
あれを超える作品には出会えてないよ‥‥。
そして今回、なぜ宮沢りえさんが
対談相手として出てくださったのかというと。
べっかむ3 この6月6日から東京、そして19日から大阪で
ルヴォーさん演出の『昔の日々』という
お芝居がはじまるのです。
ルヴォーさんが日本で、日本語、日本人キャストで
演出をするのはひさしぶり。
シェフ うん。そしてそのパンフレット用の対談にと、
劇場が、りえさんにオファーをしたんですね。
りえさんは6年前かな、
ルヴォーさん演出の『人形の家』に出演なさっている。
べっかむ3 そのお芝居、たしか渋谷のシアターコクーンで、
糸井さんといっしょに観に行ったんじゃなかったかな。
‥‥すごかったよね。
シェフ うん、すごかった。とんでもなかった。
そもそも『人形の家』って、すごく有名、かつ、
すさまじく「古い」話だって思ってたんだよね。
女性の自立の話だから、そりゃ19世紀には
センセーショナルなことだったと思うけれど、
なぜいま? なぜルヴォーさん‥‥? って。
そんなふうにちょっとたかをくくって行ったのに、
もう脳天ぶんなぐられるような衝撃で。
胸ぐらつかまれて揺さぶられるみたいな。
べっかむ3 ありきたりな言い方だけど、
「まばたきを忘れる」、
「かたずをのむ」、
「手にハンカチを握りしめる」、
そんな3時間だったよね。
舞台は四方を客席がかこむリングのような形式で、
そしてりえさんは、完全に主人公の「ノラ」だった!
シェフ 目の前で起きているのは、
芝居というよりも
現在進行形の出来事だとすら思えちゃった。
あれはもう「体験」に近いよね。
あんなふうに、舞台と客席が一体になった
濃密な時間をすごせるんだから、
演劇ってすごいなぁて思ったよ。
観終ったあと、完全に脱力したもの。
べっかむ3 その主演女優と演出家が、
長い時を経ての対談だものね。
ほんとうは劇場のパンフレットだけに載る予定だったのを、
「それ、パンフレット版とは別に、
 ほぼ日編集版として、ください!」って
武井さんが前のめりにお願いをしたんでした。
シェフ これはねー、もったいないよ。広く読まれるほうがいい!
このふたりだったらぜったい面白いに
決まってると信じてたし、じっさい、すごかった。
べっかむ3 1時間という限られた時間のなかで、
りえさん、みごとなインタビュアーでしたよね。
名作といわれる舞台をつくった
「役者」と「演出家」のスリリングな関係。
シェフ あんなに深い話になるとは予想していなかった。
その対談を、ほぼノーカットでお届けします!
   
もうひとつのインタビューは、木内宏昌さん!
べっかむ3 宮沢りえさんの対談のあと、
「ほぼ日」だけのスペシャルとして
さらに3時間ほど、ルヴォーさんの時間をいただいて、
また別の角度からのインタビューをしました。
これは、ぼくたちだけじゃ
太刀打ちできないだろうと思ったので、
たのもしい助っ人をお呼びしてね。
シェフ それが、木内宏昌さん!
『ナイン』のときに広報を担当なさっていたかたで、
そもそも劇作家であり、演出家で、翻訳家でもあるひと。
しかも、「ほぼ日」の山下とも、学生演劇時代の
ともだちだったりもするというご縁があって。
べっかむ3 いまは、今夏、8月9日~31日に
シアターコクーンで上演される『炎立つ』
(栗山民也演出/片岡愛之助主演)の脚本に
たずさわっているんだよね。
シェフ すごいよねー。
そんな木内さんが、
ルヴォーさんを尊敬する演劇人のひとりとして、
「ここまでちゃんと訊いたことがない!」という
ひざ詰めのインタビューをしてくださったのです。
べっかむ3 ほんとに「ひざ詰め」だったよね。
シェフ 対談場所、居酒屋の掘りごたつだったからね‥‥。
べっかむ3 りえさんとは、ホテルの会議室を借りたんだけどね‥‥。
シェフ でも、くだけた場所だからこそ、
ルヴォーさんもいろんなことを話してくださったよね!
このインタビューも、ぎゅっと5回に濃縮編集しました。
べっかむ3 このふたつの対談を読んで、
すこしでも興味をもってくださったら、
ぜひ劇場に足をはこんでほしいよね。
シェフ そう、ある意味、とても地味な芝居だし、
ハロルド・ピンターって「不条理劇」って言われてて、
とっつきにくい作品ではあると思うんだ。
東京も大阪もまだ席は余裕があると聞いているので、
ぜひみなさん、ルヴォーさんの舞台を
「体験」しに行ってみてください!
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