糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

06月22日の「今日のダーリン」

・ワールドカップ、ついつい観てしまう。こんなつもりじゃなかったのになぁとは思うけれど、やっぱり世界水準のチームの試合は、ぼくみたいな目の肥えてない観客にもおもしろいのだ。

そういうなかで、みんなも注目していたけれど、ぼくもたっぷりよろこばせていただいたのが、あらためていま取りあげられている「大迫ハンパないって!」という発言だった。

思わず、こころから出たことばの力だ。そのあとには、最初の叫びについての短い解説が続く「後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん」。そして解説の補足「そんなん出来ひんやん、普通」ときて「そんなん出来る?」と、周囲に問いかける。無意識で、見事なまでの「起承転結」になっている。さらにいえば、最後が疑問形になっているので、いくらでもループする予感も感じさせる。高校生大迫選手のサッカーも「ハンパない」けれど、とっさにこの発言をできた滝川第二高校の主将も、すばらしい「ことばのストライカー」だったと言える。こんなに、いわば後世まで語り継がれるような発言は、大迫選手が見事な活躍をしたからというだけでなく、大迫選手に感動して、それを見事にことばで表現した敗軍の主将のおかげだったと言いたい。内容があんまり芯を突いているせいで、ユーモラスなギャグのように伝説化しているけれど、ことばのセンスに、ちょっと、感心してほしいな。

もうひとつ、試合のサイドメニューとして、どうしても語りたくなってしまうのが、イケメン過ぎると語られるモロッコチームの監督だ。イケメンであることに、あえて「過ぎる」は必要なのか。なにが「過ぎる」のか、と試合の中継を観はじめたら、「あ、これは過ぎる…」と、思った。試合を観ているつもりなのだけれど、どうしても、監督が映ると場違いな映画のワンシーンのように見えて、スポーツの試合っぽくないと思えてしまうのだ。いや、だれのせいでもないのだけれどね。こんなおまけも含めて、ワールドカップ、魅せるわぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。おいおい、気がつけば、一年の半分近くがもう過ぎてたよ!