ITOI
ダーリンコラム

<みみしたがうのか。>

今回は、いつも以上にちからぬくよ。
めでたい日だからね、自分の。
そうそう、誕生日誕生日。

六十歳になってしまった。
十五歳が志学で、
三十歳が而立、
四十歳が不惑ときて、
五十歳が知命、そして、
六十歳になったら耳順ということらしい。

耳順だよ、耳順。
みみしたがうんだよね。
そうはいかないもんだよなぁ。

でも、あくまでもこれは孔子さまの話でね、
ふつうのぼくらが望んだら、欲深だよ。

実感としては、そうねぇ‥‥。

「そうこうしているうちに、
 日もとっぷりと暮れてまいりまして‥‥」
というくらいの感じで、60年生きてしまったんだ。
「え、もうこんな時間か。まいったなぁ」
という気持もあるし、
ずいぶん長いこと遊んでるなぁという感じもなくはない。
夕暮れになって、カラスが鳴いて、
山の向うに日が沈んでさ、暗くなっても、
帰るところがよくわからないので、
まだしばらくは外で遊ばせてもらいたいよ。

ということなんで、
還暦を過ぎた老人じゃが、いも、
どうか、この先も嫌がらずに遊んでやってくだされ。
お礼に、あなたたちにも、
一年にひとつずつ年齢をあげましょう。

そんで、今週の『ダーリンコラム』を、
これでいいやってことにしてもらいたい。
六十歳だから、もう疲れてるんだ。
「赤いちゃんちゃんこ」にからめたお祝いは、
たのむからやめてください。
ほんとにつらいんだから、その冗談。
いや、本気なら、もっと哀しいのよ。

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2008-11-10-MON
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