クロちゃん’s バッグワールド CROW'S FACTORY@TOBICHI 2

たぶんみんな知らないと思う!
“クロちゃん”ことクロカワマサユキさんが
手づくりしているちょっとすごいバッグを。
今回、縁あって、3日間だけ展示販売します!

TOBICHI2

クロちゃんのバッグを
紹介します。

「ほぼ日」の武井です。
出かける先でよく言われるのです、
「そのバッグ、いいね! どこのメーカーの?」と。
海外でも訊かれたし、
青山のブランドショップでも訊かれました。
またミリタリー系のグッズの好きな人からは
「ものすごくよくできてるけど、
どこの国のかわからない‥‥」なんて。

そうですよ、そもそもこれは軍ものじゃないです。
CROW'S factory(クロウズファクトリー)といって、
千葉にアトリエ兼ショップがあるブランドのバッグです。
しかもクロちゃんっていう、
本名は「クロカワマサユキ」というおじさんが、
ひとりで手づくりしているんですよ。

▲こちらがクロちゃんことクロカワさん。

そう答えるとまず、ほぼ100%
「手づくり?!」と驚かれます。
ミシンがわかる人は、
こんな頑丈なナイロン生地を歪みなく正確にきっちりと
手で縫製なんてできるものなのかと驚きますし、
アタッチメントがいっぱいあって
そもそものかたちのバリエーションが豊富なところも、
ひとりでつくっているとは思えない。
しかも丈夫です。
長く使っていてもヘタれないし、
破けたりほつれたりもしてこない。
さらに「荷物を入れても、持てば軽い」という
すぐれた設計になっている。
たしかにそんなバッグを
ひとりで手づくりしているっていうことは、
バッグを一見しただけでは考えにくいのかもしれません。

でもほんとうなんですよ。
これ、手づくりのバッグです。
クロちゃんがひとりで、
とくべつに仕入れた生地を使って、
6台の工業用ミシンで縫っているのです。

このバッグ、ぼく
プラハのshinoさんから教えてもらって
使うようになりました。
わりと男っぽいバッグだと思っているんですが、
「ほぼ日」でいっしょに仕事をしている
にも広がって、
彼女たちも日常づかいをするように。
そのうち写真家の菅原一剛さんが目を留めて、
カメラを入れて出張に行ったり、
ふだん手軽に持ち歩くためのバッグがあったら、
というので、トートやリュックを
カスタマイズしてつくってもらったりもして、
だんだんと周りにひろがってきました。

このバッグを「手に取って見てほしいなあ」という思いで、
TOBICHI②に3日間だけ、
クロちゃんのショップを引っ越しすることになりました。
以前はセレクトショップに卸していたのですが、
いまはアトリエでしか見られないので、
千葉のアトリエのほかに「体験」できる場所がないのです。

▲こちらが千葉のアトリエ兼ショップです。この「ごちゃっと感」まるごと引っ越せたら面白いなー!

クロちゃんのバッグのすごさ、よさを体験しに、
ぜひTOBICHI②にいらしてくださいね!
(もちろん販売します!)

クロちゃん、
あなたはだぁれ?

クロちゃんは、バッグデザイナー。
千葉県千葉市にあるアトリエ兼ショップ兼自宅の
「CROW’S factory」で、
たくさんのミシンと数匹のネコに囲まれながら、
ひとりバッグをつくっています。

シン、いまは6台あります。
バッグの底を縫う針の長い特殊ミシンとか、
カーブの部分を立体的に縫えるポストミシンとか、
革漉きミシンとか。

ひとつのバッグができあがるまでには、
たくさんの工程があって、
席を移動しながら少しずつ縫い上げていくんです。
なにしろ、全行程をひとりでやっていますから。
1日1個もつくれませんよ。地道な作業です。

▲ミシンからミシンを渡り歩いてバッグをつくります。

基本的には、自分が欲しいバッグを
つくっているわけだけど、お客さんから
「こういうものを入れたいから、
このくらいのサイズでつくってくれ」
と言われたら、喜んで対応します。
そのあたりの柔軟性は、ハンドメイドだからこそ。
オーダーメイドでつくって、
お客さん以外の感触もよかったら、商品化していきます。
今回のTOBICHI②の展示でも、実物を見て、
「ここがこうだったら」とか、
「この色はこうしたい」など
要望があればお聞かせください。
できるかぎり対応したいと考えています。

もともとは、
ガラス作家だった!?

クロちゃんのバッグづくりは独学です。
誰かにメソッドを習いにいかなかったのは、
過去の体験も関係しているのだとか。

学というか、「趣味が高じて」というやつです。
教わっちゃうと、創造力にリミッターが
かかっちゃうなと思ったことも確かですけれど。
実はぼく、バッグづくりを始める前は
ガラス作家としてステンドグラスをつくっていたんです。
たとえば公募展に金属と組み合わせた作品を出品した時、
「ダメダメ、金属が入っているからガラス作品じゃない」
って公募展から、まだミックスメディアの作品が
認められない時代だった。
それもあって、ガラス作家は辞めてしまいました。
単に食えないってこともありましたけど(笑)、
正直、行き詰まってしまったんです。

辞めたあとは、ファッションショーのディレクターや
イベンターなどをしながら、
趣味でバッグづくりをやっていました。
ある日、偶然友だちが
バッグをオーダーしてくれたのですが、
その友だちの知り合いにたまたま
原宿の大きなセレクトショップのバイヤーがいて、
「じゃあ」ってことで紹介してもらったら、
その日のうちに50個の注文をもらいました。
それがバッグの仕事のはじまりです。

ルーツは、
ボーイスカウト。

そもそも「趣味でバッグをつくっていた」っていうのが
普通じゃない気がしますよね。
その「普通じゃない趣味」のルーツは、
子ども時代にまでさかのぼるようです。

どものころにボーイスカウトをやっていて、
そのころから、自分でキャンプ用のバッグを
つくっていたんです。中学生のころには、
「マウンテンスポーツ」っていう
ブランドまで立ち上げました(笑)。
友だちから「これつくって」「あれつくって」といわれて、
ナイフケースとかをつくってあげていたんです。
家にあった足踏みミシンや手縫いで。

▲スケボー少年でもあったらしい。

その後、ご縁があって
とあるファッションショーのディレクターをしたときに、
洋服屋さんから「いらない工業用ミシンがあるんだけど、
いる?」って言われて。そのミシンのおかげで
厚い布も縫えるようになったから、
量販の生地屋さんに行ってナイロン生地を買ってきて、
キャンプ用のいろいろな道具を入れるための
バッグをつくり出したんです。

ボーイスカウトをやっているとき、
富士で世界ジャンボリーというのがあって
アメリカのボーイスカウトのエリアに行った時、
全然世界が違うことに驚きました。
ぼくたちは6人用のテントに8人で寝ているのに、
あっちは、4人用のテントに2人で寝ているわけですよ。
しかもベッドまで入れて。
「なんだこの差は!」と衝撃を受けて、
そこから自分なりに研究を始めたんです。

「アメリカ」が先生だった。

クロちゃんが最初につくりはじめたバッグには、
アメリカンスタイルのキャンプへの憧れが
込められていました。けれども情報がない。
クロちゃん、独自の方法で
徹底的な研究をはじめます。

にはともあれ、いいバックパックを
手に入れなきゃ!」と思いました。
その後、高校生だった1975年に
『Made in U.S.A. catalog1975』
という雑誌が発売されたのですが、
それにいろいろなアウトドアメーカーの
住所が載っていたんです。

「ザ・ノースフェイス」とか、「シエラデザイン」とか、
「KELTY(ケルティ)」などの
アメリカのアウトドアーメーカーに
英語でレターを書いたんです。カタログを送ってくれって。
知り合いの大学生に英語を教えてもらって。
それで手当たり次第に手紙を出して、
カタログを送ってもらいました。
そういうメーカーの商品は
まだ多くは日本に入ってきていませんでした。
「REI」というシアトルにあるアウトドアショップは、
いろいろなメーカーの商品を扱っていたし、
セールもあったので嬉しかったですね。

インターネットなんてない時代です。
郵便為替で送金をして、オーダーをしてから
商品が届くまで、だいたい3~4カ月かかりました。

ぼくがつくるバッグはミリタリーっぽさがあるので、
ついつい“ミリオタ”なのかと思われがちなのですが、
アメリカへの憧憬やアウトドア愛が、背景にあるんです。

このスタイルは
ぼくがつくりました。

CROW’S factoryのバッグは、
SAS(サックフィッシュ・アタッチメント・システム)で、
いろいろなポーチだったりをアタッチメントできるのが
特徴的です。
確か似たシステムを米軍が使用しているのが、「PALS/パルス」
(Pouch Attachment Ladder System/
ポーチ・アタッチメント・ラダー・システム)
と言うんだったかな?

PALS」じゃないんですよ。
正確には「MOLLE/モール」
(Modular Light Load-carrying Equipment
/モジュラー・ライトウェイト・ロードキャリーイング・
エクイップメント)といって、
さまざまな用途のポーチや付属品をモジュール化して、
必要に応じて付けたり外したりする仕様のことを指します。
PALSというのはそのMOLLEの一形態で、
パルスウェビングという1インチ幅の帯が
縫い付けられているのが特徴です。

このパルスウェビング、最近のミリタリー系のバッグには
ほとんど採用されていますし、
いまではアメリカ軍も採用するシステムなのですが、
実はこのSASは、ぼくが独自に開発したんです。
えっ、特許出願とか意匠登録ですか?
それが、していないんですよねぇ‥‥(笑)。

それだけじゃなくて、ホルスターとか、
ワンショルダーとかいろいろ考案したのですが、
みんな、いま世の中ではポピュラーになっていますよね。
先程も言いましたが、ぼくは基本的に、
自分が使いやすいバッグをつくりたくて
この仕事をしているんです。
ワンショルダーをつくったのも、
デイパックをいつも片側で背負っていたから、
「だったら最初からワンショルダーのバッグを
つくればいいんじゃ‥‥」
ということからつくったわけだし。

ワンショルダーを最初につくったのは
1990年くらいだけど、
94年から原宿のセレクトショップで
販売されるようになって、
それが雑誌にたくさん載ったから、
いろいろなメーカーに広がってゆきました。
でも、ほかと違ってウチの場合は、
右肩にかける用と左肩にかける用のどちらもあるんです。
それに1回つくってオシマイじゃなく、
気になったところを修正したりとか、
新素材にしたりとか、常にアップデートしています。
ほかのメーカーだと、
一度仕様が固まったらまず直さないんでしょうけれど、
ぼくは「あっ、ここ直そう」と思ったら、
どんどん変えていっちゃう。
だから同じモデル名でも、つくり方とか仕様は
どんどんブラッシュアップされていきます。

マルチカム!
(素材のこと)

パルスウェビング、ホルスター、ワンショルダー‥‥。
もしかしてCROW’S factoryは、
人知れずトレンドを生み出す秘宝の館??
まだなにか、大きなネタを隠しもっていませんか?

とえば「マルチカム」っていう
迷彩パターンを最初に使ったのも、ウチなんです。
「ショットショー」というミリタリーの見本市が
毎年ラスヴェガスであるのですが、
「CRYE/クライ」という会社が
新しい迷彩パターンを出すと聞いて、
友だちと一緒に行ったんです。交渉しようと思って。
2000年のことでした。
恐る恐る「売ってよ」と言ったら、
気軽に「いいよ」って(笑)。
まだ米軍に正式採用される前の小さな会社だったから、
すっごいユルかったんです。

ただ、「じゃあ送るね」ってなったころに
湾岸戦争が始まっちゃって、
特殊部隊向けに出すのに忙しかったらしく、
生地が届いたのは結局2年後でした。
それでも、マルチカムを使って商品をつくったのは
ウチが日本では最初だと思います。

よく、「そんなミリタリーの見本市があるなんて
知らなかったし、そもそもクロちゃん、
すごい情報ネットワークと行動力だね」
って言われるのですが、
「新しい迷彩パターンが久々に出る」っていうことで、
当時、その筋ではすごくウワサになっていたんですよ。
とはいえ、直接日本から訪ねていく
酔狂な人はなかなかいないかもしれないけれど。

量産できません。

クロちゃん、興味があることには物怖じせずに突き進む
マジメさをもちながらも、商売ベタというか‥‥。
普通なら、「オレが発案者だっ!」って
自己顕示したくなりそうなものだけれど。

もほら、結局個人でやっているから
量産できないじゃないですか。
量産すると同じバッグになっちゃうし、
すこしずつよくしていきたいし。
それに、バッグが気に入ってもらえること自体は
嬉しいけど、ぼく自身が有名になりたいわけじゃないから。
名前が知られて何かと声をかけられるようになったら、
それこそ、バッグをつくる時間が
なくなっちゃうじゃないですか。
ポジティブシンキング? そうかも(笑)。

あと、バッグとはあまり関係ないけど、
「コレクターは保存用、開け用、交換用と3つ買え」
という認識を広めたのも、ぼくたちなんですよ。たぶん。
実はぼく、GIジョーのフィギュアとか、
テディベアとか、ブリキのおもちゃのコレクターなんです。
そうだ、せっかくなので、そのあたりのコレクションから
販売できそうなものを
TOBICHI②に持っていっていいですか?
他人にしてみれば、それこそ単なるおもちゃにしか
見えないと思うけれど、
ほしい人にはお宝があるかもしれません。

ほぼ日×クロちゃん×
菅原一剛さんの
「カメラバッグ」ができた!

今回、TOBICHI2に出品される
CROW’S factoryの商品の中には、
ほぼ日とクロちゃん、そして写真家の菅原一剛さんの
アイデアがカタチになったバッグも登場します。
はっきりいって、目玉商品!

れがカメラバッグ?」と思うかも。
旅先でお散歩するとき、これさえあればOK、
というバッグと言ってもいいです。
写真家の菅原一剛さんが
ウチのバッグに興味を持ってくれて、
遊びに来てくれたんです。
そのとき、サイズ感とか仕様を
一緒に考えてくれました。

▲菅原さんとの試作のようす。

その後、2世代ばかりマイナーチェンジを繰り返し、
現在のカタチに至ります。
トートなんだけど、小雨が降ったときや埃除け、
防犯用のために、ベルクロで取り外しができる
ジッパーつきのカバーが付いています。
開口部をUの字にしたので、ガバッと一気に開けられます。
あと、カメラを入れることを想定しているので、
底がダブルパッドになっています。
元は決してカメラ専用バッグではないのですが、
「ほぼ日」と菅原さんと一緒につくった改良版、
みたいな感じです。

一眼レフカメラと交換レンズが2本くらい入って、
そのほかお財布やメモやパスポートも入る。
しかも、ウチがつくっているので非常に頑丈です。
ほら、ファッションメーカーのバッグって、
買い換えてもらわないといけないから
適度に壊れるじゃないですか。
ぼくはそれが嫌で、可能な限り丈夫につくっています。

あと自分で言うのもなんですが、
ショルダーストラップがこれまたよくできています。
寝たきりの人が床ずれにならないように開発された
医療用ハニカムメッシュを使っていて、
不思議と、少々重い荷物を入れても肩に響かないんです。
そしてなによりも、蒸れない!
この素材はリュックの背にも使っています。

TOBICHI2で3日間、
展示販売します!

クロちゃんのバッグは、
素材のディテールや使い勝手が考え抜かれています。
その実力は、手にとってじっくり見てもらってこそ
伝わるはず。今回のTOBICHI②での展示販売に際し、
「お店を引っ越すつもりで乗り込みます!」
と断言してくれたクロちゃんの、
丹精込めたハンドメイドバッグに触れられる3日間を
どうかお見逃しなく!

OBICHI②は1、2階があるんですよね。
2階にバッグをずらりと並べます。
代表的なもので言うと、‥‥うーん、
いっぱいあるんだけれど、簡単に説明しますね。
そして1階は、ぼくのコレクションをあつめた部屋。
GIジョーのフィギュアとか、
テディベア、ブリキのおもちゃ、自転車のパーツなどを
たくさん持って行く予定です。
非売品もあるけど、なるべく販売しようと思います。

Armadillo Tote
アルマジロトート)

ウチの特徴が凝縮してるって言ってもいいかな。
全体にSASを使ったトートバッグで、
お好みでボトルホルダーやスマートフォンケースなどの
オプションポーチがつけられます。
S、M、Lの3サイズ、
色はブラック、サファリグリーン、
カーボングレー、マルチカム(迷彩)があります。
価格は15000円~28000円(税込)です。

Hawgleg Holster
ホッグレッグホルスター)

西部劇で腰の低い位置から太ももにつける
銃を入れるホルスターってありますよね。
あのかたちをヒントにしたバッグです。
両手がふさがらないので便利ですよ。
肩に斜め掛けして使うこともできます。
サイズはミニ、スタンダード、M、Lの4種類、
色はサファリグリーン、マルチカム(迷彩)、
オリーブドラブ、レザーなどがあって、
価格は15800円~49800円までいろいろです。

Geck-O Multi Pack
ゲッコーマルチパック)

バックパックです。
SASを前面と左右につけているので拡張性が高いです。
全面には大きめのベルクロをつけているので、
ベルクロワッペンがつけられます。
Sがマルチカム(迷彩)とサファリグリーン、
Mはさらにブラックをつくりました。
価格は55800円~59800円です。

Geck-O Sacoche
ゲッコーサコッシュ)

ぼくは自転車も好きなので、
それ用につくったサコッシュバッグです。
身体に触れる部分に医療用のハニカムメッシュを使っているので
汗をかいても蒸れにくく快適ですよ。
もちろん街で使ってもらっても。
26800円~32800円(税込)です。

カメラバッグ

ウチの定番的な商品である
アルマジロトートやアルマジロボストンをベースに、
「ほぼ日」さん、写真家の菅原一剛さんと
相談しながらつくった、
カメラを入れて街を歩く用のバッグです。
もちろんカメラを入れなくてもかっこいい。
ちょっと懲り過ぎちゃったかなあと思うくらい、
いろいろ手をくわえています。
ワンサイズ、色はブラック、サファリグリーン、
カモフラージュが、マルチカム、ブラックマルチカムの2色。
ショルダーストラップとボトムパッド、カバーつきで、
58400円~60400円(税込)です。

ベルクロワッペン

ベルクロワッペンもオリジナルのものを
たくさん持って行きます。
定番でつくっているレザーのスカル(どくろ)のほかに、
ウチのキャラクターと猫、血液型のものなどを
友人のアーティストにデザインしてもらい、
今回のためにつくりました。
1800円~2900円(税込)です。

そのほかのアクセサリー

ショルダーストラップSML、
スマートフォン用のモバイルポーチ各種、
ボトルホルダー、ウォレット、
ウォッチベルト、キャップやポロシャツなどなど、
こまごまとつくってきた小物を持って行きます。

コレクション

復刻のアメリカ製のリーバイスのジーンズ、
カウボーイブーツ、テディベア、ブリキのおもちゃ、
GIジョーなどのフィギュア、自転車のパーツなどなど、
これまでに集めたコレクションを出します。
見るだけでも楽しんでもらえると思いますよ!

shinoさんの語る
クロちゃんのかばん」

1980年代、私がスタッフとして関わっていた
長野県美麻村でのガラスのワークショップに、
クロちゃんが参加してくれたのが
出会いのきっかけでした。
その頃、彼はガラスで作品をつくっていて、
そしてその当時から
アートのコレクターでもありました。

けれどもそれ以降は
お互いどうしているのかも全く知らず、
連絡も途絶えたまま。
何年もして──たぶん2000年頃ですが──、
すでに私はチェコでの暮らしを始めていて、
年に何度かは日本に戻って
リボン関係の仕事をしていました。
そんなときに蔵前の問屋街で
クロちゃんにばったり再会したのでした。

立ち話ではあったけれど、
「今はこんなもの作ってるんだ」
って見せてくれたのが、
肩にかけていたワンショルダーのかっこいいバッグ。
ひと目でそのバッグの質の高さはうかがい知れたし、
「原宿の老舗のセレクトショップで
扱ってもらえることになったんだよ」と、
本人もとても喜んでいたし、
私もすごいなぁと感心。
でもどういう経緯でガラスから
バッグ作りに行ったのか、
頭にクエスチョンマークがついたまま、
「またね」と別れたのを覚えています。

それからしばらくして、
生まれた町でもある千葉に
アトリエ兼ショップを開いたと聞いて、
遊びに行きました。
そうしたら、色んなバッグが壁にかかっていて、
「うわ~~!」。
しかも全て1点ずつ自分で縫っていると聞いて
ほんとうにびっくり。
アトリエをのぞいたら、たしかにミシンが並んでいて、
ほんとうにひとりでやってるんだと認識。

基本のかばんに、いくつもポーチを
取り付けて機能が拡張できる
ナイロンバッグというものを
私はちゃんと見たことも、使ったこともなかったので、
クロちゃんに色々と説明をしてもらいながら、
私が最初に目をつけたのが
シンプルで大ぶりの黒いトートバッグでした。
というのも、以前から
シンプルなトートが欲しかったんだけれど、
トートは口が大きく開きすぎるので、
海外での暮らしで使うのはちょっと困るのです。
ところがクロちゃんのトートはオプションで
マチ付きのジッパーがつけられる!
トートの形をくずさず口が閉じられる!
いうことなしだったのです。

ところがクロちゃんは売ってくれませんでした。
「shino、腰が痛いって言ってたよね?
だったら、こっちにしなさい」
と、正面から見ると正方形の
リュックを差し出しました。

「これはね、小さく見えるけれど、
みかん箱1箱分くらいの分量は軽く入る。
でもいくら入れても重さを感じないよ」

しかも、米軍の使う医療用の
特殊なメッシュ素材を使っているから
背中も蒸れにくいし、
全ての角を丸くしているから擦り切れたりしない、
などなど、次から次へと蘊蓄が繰り出されます。
そして
「とにかくいちど背負ってみて」
と。
それで(トートに未練を引きずりつつ)
背負ってみたら‥‥あれ? なにこれ?
まるで背負ってないみたいじゃない。
それくらい軽く感じたのです。

それ自体は頑丈な作りで、存在感のあるバッグなのに、
背負った途端「あれ?」となる。
ほんとうに不思議でした。

私は職業柄、チェコでビーズ(ガラスです)の
仕入れにも行くし、
週に一度は青空市場に食材や牛乳など
重たいものを買い出しにも行きます。
チョーカーの材料になりそうなチャームを探して
蚤の市を巡ることも多々。
そういうときに、重さを感じさせず、
しかも両手が使えるリュックというのは
たしかに便利だと思いました。ですから、
「そうだよ、重い荷物を持ち歩くならこっちだよ!」
というクロちゃんのオススメに素直に従うことに。
カーキ色のリュックに
赤いドクロのベルクロワッペンをつけてもらって
にんまりとしながら帰ったのでした。

その後、このリュックで何度
プラハ⇄東京を往復したことか。
MacBookにあわせたサイズで
外付けバッグをつくってもらったので、
飛行場での保安検査もらくらく
(パソコンは乗り換えのたびに出して
検査にかけないといけないので、
すぐに取り出せるというのはとても便利なのです)。
しかもたくさん入る割には小ぶりに収まるので、
機内持ち込み手荷物がサイズオーバーで
「お客さま!」と足止めされる心配もなくなりました。
(けっこう毎回、大荷物なのです。)

このリュック、今は主に
プラハで市場に買い物に行く時に愛用しています。
牛乳2リットル、ヨーグルト1リットル、ワイン1瓶、
そんな買い物をしてもへっちゃら。
そして、プラハでもよく
「かっこいいリュックだね」と褒められます。

「ほぼ日」の武井さんがプラハに来て、
「このバッグ、いいね!」と言ってくれたのは
もう何年も前のことになります。
しかも、使ってみてあまりに気に入ったものだから
日本に戻ってすぐに
クロちゃんのところに行ったのだとか。
そして私と同じ仕様の(素材違いの)ものを
使うことになったので、
「生活のたのしみ展」のための
チェコでの買い出しでは、私と武井さん、
こんなコンビっぽいことになっています。

こうして「ほぼ日」で
クロちゃんを紹介してもらえる日が来るとは!
友人としても、いちユーザーとしても、
とっても嬉しいのでした。

菅原一剛さんの語る
「クロちゃんのカメラバッグ」

学生時代に使っていたカメラバッグは
普通の帆布のトートバッグでした。
いわゆる機能的な「カメラバッグ」とちがって
好きなバッグだし、気に入っていたのですが、
困ったことがありました。それがフタ。
トートバッグだから当然フタなんて付いてないんです。
そうすると、雨が降ってきたときに困るし、
ホコリもかぶるし。
そして中身がパッとすぐ見えちゃう。
これはトートバッグのいいところなんだけれど、
カメラを持ち歩くときは見えないほうがいい。
そんなこともあって、吉田カバンさんと一緒に作った
「フォトート」にもフタをつけてもらいました。

ぼくも重たいカメラを持っての移動が多いのですが、
そんなときに出会ったのが、
shinoさんが使っているクロちゃんのリュック。
しかもこのリュック、
長い時間背負っていても、まったく疲れないのです。
このかっこうよさ、じょうぶさは、
ちょっとアレンジすれば、カメラ用になるぞ、て。

だからクロちゃんに最初に言ったのが
「フタ、つけてもらえませんか」ということ。
このフタはもちろん取り外しができ、
さらに開閉用のジッパーがついています。
「∪」のかたちのジッパーを開閉すれば、
カメラを取り出すことができるようになっています。
これね、手前から見て「∪」か「∩」か、
迷うところだと思うんですが、
手前を開ける「∪」のほうが使いやすいかも。

そして「底にクッションがあるといいですね」
ということでした。
カメラって、埃や雨もそうだけど、
やっぱり衝撃に弱いんです。
特にデジタルカメラは電子機器だから、
バッグに入れて床にぽん、というときに、
堅い床にぶつけたくありません。

大きさも調整してもらいました。
いわゆるトートバッグは、深いですよね。
でも、カメラをすぐに取り出すには、
そんなに深くないほうがいい。
かといって、うんと浅いのも困る。
街歩きにはカメラ1台と
レンズ1本ぐらいがちょうどいいから、
クロちゃんがつくっていたトートや
ボストンバッグを参考にしながら、
「このくらいだと、ちょうどいいよね」
という深さを一緒に考えました。

中のつくりもいいですよね。
フラップつきのポケットとメッシュのポケット、
ジッパーつきのポケットもある。
フィルムカメラ用のフィルムを入れるのもいいし、
SDカードのケースを入れておいてもいいし。

そして、拡張できるというのが
クロちゃんのバッグのいいところなので、
こんなふうにポーチをつけてもいいですね。

ぼくがわがままを言ってつくってもらった
ブラックカモフラージュの生地のものも、
今回、販売をすることになって、かなり嬉しいな。
カメラ好きのみなさんはぜひ見てみてくださいね。

TOBICHI2
CROW'S FACTORY

2018-03-12-MON