第36回 のこり6枚、選定札を発表!

ほぼにちわ、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」です。

あらためまして、
「ぬ」「ね」「む」「め」「よ」「ろ」の再募集には、
たくさんの投稿をありがとうございました。

すべての作品をひとつひとつ、じっくりと味わい、
それぞれにつき20前後の作品を
「一次選考通過読み札」として選んでまいりました。

そして、いよいよです。
その「一次選考通過読み札」のなかから、
6枚の「最優秀読み札」を発表できることになりました!

最終選考を行ったのはもちろんこの人、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」会長、糸井重里です。

前回行ったときと同じように、
プリントアウトした作品を会長の前に並べていきます。

それでは、
最終選定札の発表へと移ってまいりましょう。
糸井会長の「短めの感想」にはじまる、
「ぬ」「ね」「む」「め」「よ」「ろ」の
選定札をご覧ください。

短めの感想 糸井重里

「ぜんぶそろってよかったね、
 という、その感想につきますね。
 参加してくれたみんなのおかげです。

 とてもたくさんの投稿をいただきました。
 こちら側で"選ぶこと"をはっきりとやった後だったから、
 みなさんも考えやすかったんでしょう。
 ああやってポイントを示して、別枠でお願いすると、
 やっぱり出てきますねぇ、いいのが。

 総評ですか?
 それを語るには、まだちょっと早いかな。
 またね。
 ほんとの、最後のときにね。
 今回は短めの感想ということにしておきましょうか。」

「ぬ」の選定札

ぬかづけ みそしる しろいめし
ヌンチャクで、自爆。

【選評 糸井重里】
ヌンチャクのはねえ、
つい笑っちゃったんですよ(笑)。
いや、わかるんです、
ヌンチャクっていうのがこういうものだっていうのが。
笑ってしまったからには、
まあ、次点くらいには入れておかないとな、と。

で、いちばんの札は「ぬかづけ」にしました。
恒久的に使えそう、という点で。
いい作品だと思いますよ。

「ね」の選定札

ねこよ、 どこへゆく
ねえちゃんよ 親父の前で 着替えるな

スカッとしてますよねぇ、ねこよどこへゆく。
ここから先の展開が、
想像力のある人なら誰でもたのしみになるような、
そんな読み札です。
いわゆる「猫族」と呼ばれる人たちが
この先どこに向かっていくかっていうのもあるし、
ほんとうに具体的な行き先としての
「今日はどこにいくんだ?」っていう感じも当然ある。
もっと言うと、
「どこへ行くかを問われない自分」
というのも見えるんですよ、この札には。
「どこへ行くのかって、もうそんなことは
 わかっているに決まってるじゃないか」
っていう「私」が見える。
これは、みごとなものだと思いますね。

次点はこれで。
絵になったらたのしそうなのを選びました。
これは家族まとまって暮らしてた時代の景色ですよね。

「む」の選定札

むいた栗が 売ってる!
無駄毛に厳しく 無駄肉には甘く
無煙焼き肉 盛りあがらず

「む」はちょっと悩みまして。
悩んだときはこういうシンプルなのを選ぶんです。
むいた栗が売っている‥‥。
この中に含まれてるものは、いっぱいありますよね。
甘栗をむくというのは、
すべて「手作業」なんだということを
よく知っているぼくならではの思いもあります。

次点は、どうかと思いながらも、これでしたねぇ。
「毛」だ「肉」だ「無駄」だ「厳しい」だって、
もう、見苦しい字が並んでるんですけど(笑)、
選んでしまいましたよ。

もういっこ、次点を。
これも「肉」なんですけどね。
こういう場面と感想は、たしかにありますから。

「め」の選定札

名案なければ あみだくじ
目力の強い 赤ちゃん

実際にカルタをやっているときに
「名案なければあみだくじ〜」って読まれたら、
「あ〜、そうそうそう」って思うじゃないですか。
この「そうそうそう」
って言われそうなところがいいですよね。
こういう札も混ぜておきたいので選びました。

次点もいいですよ、これは。
多くなってないですか? こういう赤ちゃん。
むかしの赤ん坊はもっとボーッとしてたでしょ(笑)。
近ごろは生まれたばっかりの写真が
すでにかわいかったりしますからね。
だんだんと、こういうふうになったんでしょうかねぇ。
「しっかりしてるわぁ」っていう
赤ん坊のホメかたも
最近はずいぶん増えた気がするんですよね。

「よ」の選定札

よろしくと言って 去る男
ようかんを バナナみたいに 食べる人

「よ」は、よかったです。
いい読み札がいっぱいありました。
それで最終的には、
声に出していい感じだった作品を選びました。
「よろしくといってさるおとこ〜」
‥‥ねぇ(笑)。
声に出すといいんですよ。
かめばかむほど、という読み札ですね。

いちばん笑えたのは、これ。
次点にします。
これはやっぱりねぇ、
目の前でそれ見たら
すごいインパクトだと思いますよ(笑)。
いや、すごいなぁ‥‥。
いるんだろうなぁ、こういう人。
ほんとに見たんでしょうかねぇ(笑)。
笑いました。

「ろ」の選定札

6月がなけりゃ 米はねえ
ロケットは うちのうら から打ち上げる

「6月」ということばに、
もう「雨」が入っていますからね。
こういう誰も言ってないところを
パーンと伝えるセンスっていうのは、
たいしたものだと思いますよ。
「ろくがつがなけりゃこめはねえ〜」
読んでみても、いいんです。

次点にはこれを入れましょうか。
上手いです。
でも普遍化して笑えるところまではいってなくて、
そこがちょっとだけおしかったですね。

と、いうわけでみなさま、
ついに、ようやく、とうとう、
「あ」から「わ」まで44枚の読み札をすべて、
ここにめでたくそろえることができました!!

ありがとうございます!

長い時間がかかりましたが、
ここまでたどり着けたのは、
ひとえにみなさんからのたくさんの投稿のおかげ。
ほんとうにありがとうございました!
「詠み人しらず」という
投稿者の名前を掲載しない決まりなのにも関わらず
こんなに多くの参加があったのは、
ほんとにすごいことだと
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」は感激しております。

さあ、
ひとまずの目標、すべての読み札がそろったいま、
「カルタ・ド・ニッポン」はどうなるのでしょうか?!
終わる?
いえいえ、終わりません。
「カルタ・ド・ニッポン」は、
次の展開へとすすむことをすでに決意しています。
カルタの読み札がそろって「次の展開」といえば、
もちろん‥‥。

くわしくは、次の更新でおしらせいたしましょう。
一週間後にご報告できる予定です。
いましばらく、お待ちください。

最後にもう1回。
たくさんの投稿をありがとうございました!
読み札については、とうとうカルタがそろいましたよ!!

2009-02-13-FRI
最新のページヘ