第35回 「ろ」に送られた読み札たち
ローソクと 豆の数だけ 生きてます

誕生日には歳の数だけケーキにキャンドルを立て、
節分となれば歳の数だけ豆をいただく。
「洋」と「和」が混ざり合った日常を笑顔で送る、
ふしぎと愛おしい日本人の姿が浮かびあがる一枚です。
ところで節分が誕生日だとどうなるんでしょうね?
やっぱり、あれですかね、
バースデーケーキを置いた部屋で、
「鬼はそと!」ってなるんでしょうか?

白い生クリームにめりこんだ豆を想像しつつ、
はじまっております「カルタ・ド・ニッポン」。
年末年始にあらためて再募集した
「ぬ」「ね」「む」「め」「よ」「ろ」から、
今回は「ろ」の読み札をご紹介いたしましょう。
ついにラストの発表になりましたよ!

「ろ」の場合は、同じことばではじまる読み札が
それほど集中することはありませんでした。
とはいえそれでも、いくつか人気のことばはありまして。
いちばん多かったのは「ローソク」の作品でした。

・ろうそくは マッチで点けたい

・ろうそく チャッカマン 線香花火

・ろうそくが 電気式だと 泣けてくる

なるほどなるほど‥‥
「なくなってほしくないんだ!」
と大声でいうほどではないけれど、
残っていてくれるなら、やっぱりうれしい。
そんな、ローソクへの淡い思いが感じ取れます。

ローソクどこ?

シンプルながら伝わる何かを感じる作品。
「どこ?」と問われるものの代表格ですよね、ローソク。
めったに使うことはないけれど
家のどこかにたぶんある、というのが
今の平均的なニッポンの家庭のような気もします。

で、次に多めだったのが
こんなテーマの読み札でした。

ロックにもこぶし

カラオケなどでは、
激しいロックを選曲しながらも、
ついついコレをまわしてしまうおじさんも多いようで。

・ロック 54歳から

・ロックも 演歌も 受けつけます

・ローリングといえばストーンズ

「言いたいだけ札」が多めに含まれておりますが、
こんな、ちょっとたのしい投稿も。

ロックンロール! と、ジャージ姿で

その場面が学校であるならば、
彼の手にはきっと、
モップかほうきのいずれかが握られているはず。

次に多かったのが、
この数字ではじまる読み札でした。

6月がなけりゃ 米はねえ

ああ‥‥。
この札にはなにか、強さを感じます。
梅雨にはいって「雨ばっかりですねえ」なんて
ガッカリした調子でよく言ってしまうものですが、
なるほどそのとおり、
6月がなければ、みんなが大好きなお米はなくなります。

六年生 肩にちょこんと ランドセル

いまの小学生は大きいですから。
あきらかにランドセルがちいさくなっちゃうんですよね。
一年生のころは、あんなにぴったりだったのに‥‥。

学校つながりで「6」の読み札をもう一枚。

六時間めは ソワソワしちゃう

友だちと遊ぶ約束をしていて、そわそわ。
帰り道の買い食いがたのしみで、そわそわ。
夕方のアニメ番組の続きが気になって、そわそわ。
勉強は?

ろくぶて!

これもいちおう、「6」の札かと。
「てぶくろの反対は?」というやつです。
ノスタルジックではあるものの、
これを言って遊んでいるちっちゃな子を目撃しましたから
もはや殿堂入りしたやりとりなのかもしれませんね。

続けてまいりましょう。
やや多めに届いた、こんなテーマの読み札です。

ロボットと モビルスーツは 違うんです

これは「ガンダム」ですか、「ガンダム」ですね?
残念ながら「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」には
それに明るい会員がいないため
ふたつの違いがよくわからないのですが、
モビルスーツはロボットではないと‥‥。
ちょっとここでも読んで、にわかに勉強してみます。

・ロボットに 魂有ると 思う国

・ろぼっと すごいぞ にっぽんじん

・ロボットはともだち 正義の味方

たしかに、ニッポン人はロボットが好きです。
その技術も世界的に「すごいぞ」と聞いたこともあります。
ロボットのヒーローアニメもたくさんあるし。
つまり、ロボットへのモチベーションが高い国、
というわけですよね。
よくよく考えると、ふしぎな気がしてきます。

さて、ここからは
様々な「ろ」で始まる読み札を
10枚ほど並べさせていただきます。

露天風呂 まずは寒さを味わわん

以前、お風呂の特集をやりましたが、
この作品もなかなか。
情景が浮かぶオーソドックスな一枚です。

ロケットは うちのうら から打ち上げる

毎度ぶすいですが、解説させていただければ、
「うちのうら」というのは鹿児島県の内之浦町のことで、
この町には「内之浦宇宙空間観測所」がありまして、
ここから日本初の人工衛星が打ち上げられているのです。
ちなみに「ほぼ日」のゆーないとが、
やはり鹿児島県の種子島まで、
なにを思ったかロケット打ち上げを見に行っています。
おもしろいですよ。

ロールケーキで おぼえた 「の」の字

ロールケーキは世界のお菓子ですけれど、
その断面で「の」の字を思い出すのは日本だけですよね。

「ろくでもない奴に  決まってる」と父

ここにも、おとうさんの札が。
せつなくもあり、愛おしくもあり‥‥。

ロッキー・ザ・ファイナル 借りてきて

こちらもおそらく、おとうさんのセリフ。
たぶんもう、3回くらいは観ているんだと思いました。

ロンドンブーツが 押入れから出てきた

これもおとうさん? ‥‥とは限らないですね。
1970年代の象徴・ロンドンブーツ。
青春そのものの、その厚底靴を、
どうしても捨てられなかったんでしょう。

ローライズとか ムリだから!

これは、おとうさんのセリフではないです。
「ローライズとかムリだから!」
と叫ぶおとうさんを想像するのもおもしろいですが、
おとうさんはたぶんこの単語をご存知ないはず。
順当に考えれば、
おなかのぽっちゃりを気にする女性の発言かと。

ロマンスカーに ロマンスグレー

つい選んでしまった作品。
はい、そうですね、
基本的には「言いたいだけ札」に属するものです。
でも、字面がきもちいいです。
なんだか情景も浮かんでしまうし。
緑の中を疾走するロマンスグレー。

ろくろっくびの 頸椎

ほんとだ。
いったいどうなっているんでしょうね?
首のあたりの骨は。

「ロールキャベツよ」 「すぐ帰る」

最後はすてきな会話の読み札で、
締めさせていただきました。
この奥さんのロールキャベツ、おいしいんでしょうねえ。
いいなあ‥‥飛んで帰りますよね。

「ろ」の読み札は、このあたりで。

これにて、
年末年始にあらためて再募集した
「ぬ」「ね」「む」「め」「よ」「ろ」
6種類の読み札の発表がつつがなく終了いたしました。
あらためまして、ほんとうにたくさんの投稿を
ありがとうございました!

さて、
ここまでの6回は「一次選考のようなもの」と、
ここで繰り返し申し上げてきました。
ということは、そうです、
当然のことですが次は「最終選考」ということになります。

その「最終選考」、
先日しっかりと、執り行ってまいりました!!

というわけで、いよいよ次回、
「ぬ」「ね」「む」「め」「よ」「ろ」の
最終選考札を発表いたします!
ちなみに、「該当作無し」はありませんよ!
ついにぜんぶが、決まるんです。
おたのしみにお待ちください!!

2009-02-06-FRI
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