第28回 該当作なし‥‥再募集です!

ほぼにちわ、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」です。

前置きはそこそこに、
会長、糸井重里による
審査結果の発表をつづけましょう。
今回は、無念の「該当作なし」があらわれます。

「な」の選定札

なまはげよ むしろお前が 泣かしてる
鍋終わり 〆はうどんか雑炊か

【選評 糸井重里】
笑いました。
まさに、「な」ではじまる「なまはげ」。
これですよ、やっぱりいいんですよね。
最初にテーマがあると、パワーがちがいます。

次点もいいですね。
これは正しい答えがないから、いいんです。
永遠に語られることですよ。
さらに「ラーメン」っていうのもありますけど。

「に」の選定札

二丁目あたりは ゲイタウン
庭にひょっこり スイカの芽

これどうしましょう?
投稿作じゃないんですよね?
作例として1回目に提示したやつ。
でも、選ぶと、これなんですよねぇ。
「そんなんありか?!」と言われそうですが、
申しわけないと思いつつ、自前のにしました。
しかも自分じゃ忘れてるんだけど、
これ、ぼくが言った読み札だそうです。
なかなかだと思いました、ありがとうございます。

「スイカの芽」は、
ノスタルジックなもののなかでは、
選ばれてもいいなと思って、次点に。

「ぬ」の選定札

該当作なし

うーん。
そもそも「ぬ」はずいぶん投稿がすくなかったようで。
ここは、がんばってもらいたいですね。
「ぬすっと」とか「ヌード」とか、
どうでしょうかねえ‥‥。
ああ、でもヌードはむつかしいか。

「ね」の選定札

該当作なし

「ねこ」とか「ネクタイ」とか、
「ね」はいろいろありますよ?

なにか1枚、選んじゃおうかとも思ったんですけど、
せっかくここまで集めたんだからね、
もうちょっとがんばってみたいですね。
うん。
また募集しましょう。

「の」の選定札

残り物じゃないの 残しておいたの
海苔はしっとりか パリパリか

「の」は、これですね。
なかなかいい読み札です。
その理由らしきものも言えば言えるんですが、
「これだと思った」と、
あえてこれは、そこまでにしておきましょう。

「は」の選定札

早くなる じゃんけん
初恋の人の子が 葉書の中で育つ

ふたつともいいんですけど、
短い「じゃんけん」に軍配を。
これを読むと自分の中で、
早いじゃんけんが起ち上がるんです。
“ジャーン”っていうマッキントッシュの起動音みたいに。
「しょっ、しょっ、しょっ、しょっ」っていう、
イメージがわきあがる。
そこで肉体がシンクロするんです、ことばと。
それを楽しむ読み札ですね。

ことばは長くなると、
基本的に弱くなっていくんです。
このまえ発見したことに
「俳句とかって頭の5文字でいいんじゃない?」
っていうのがあるんです。
たとえば「われときて 遊べや親のないすずめ」なら、
「われときて」が主題で、
「遊べや親のないすずめ」っていうのは、
「入れさせてもらいます」っていうくらいで入るような、
頭の5文字をよく見せるためのものなんじゃないかと。
「古池や」だったら、「古池や‥‥」でおしまい。
「蛙飛び込む水の音」で、いちおう古池のまわりを
つくってるわけですよ。
「五月雨を」は、「五月雨を‥‥」であって、
「最上川‥‥」ではないわけですよ。
最上川のことを言いたいときは、
「最上川」ではじめるべきなんでしょうね。
だから、さっきのに戻るけど、
「なまはげよ」は、ほんとよくできてます。
繰り返します。
ほんとに言いたいことは、先に言うんです。

「ひ」の選定札

冷やし中華 はじめました
響きがかわいい 先斗町

投稿してくれた人は、
「なんでこれが?」って思うかもしれませんが、
「冷やし中華はじめました」にしました。
これ「桜咲きました」と同じことですからね。
なんでもないんですけど、
こういう季節もちゃんと入れたいんです、カルタに。

次点の先斗町もよかったです。
でもやっぱり「先斗町」は
ポンと頭にきたほうがいいです。

「ふ」の選定札

武道は だいたい ニオイがすごい
部活のあいさつ 何言ってるか わからない

これも笑いました、両方とも。
どっちにも選ばれる資格はあるんですよ。
「ニオイ」はボディ、
「あいさつ」はことばだから「知」ですよね。
その意味では「肉は知に勝つ」ということで、
「すごいニオイ」を選びました。
かなり競り合って、
ボディコンシャスなほうにいきましたね。

「へ」の選定札

便座で感じる 秋の気配
別腹 という考え方

悪くないです、これ。
便座の温度で、からだが秋を感じる。
ニッポンの読み札ですね。

「別腹」は、「駅弁は別腹」というのがあったので、
それをさらに追いかけるように次点にしました。
「別腹」という概念そのものが、
日本をあらわしてるんでしょうね。

「ほ」の選定札

ほんぼにっがん イドイすぃんぶん

これにしました。
うちでしか選ばれない札ですから、
せっかくですので入れさせていただきましょう、
というきもちです。

次点は見つからなかったです、残念ながら。

「ま」の選定札

祭りといえば 尻を出す
松茸もらった ど、どうしよう
マロンチックな 栗ごはん

この3作品は、よかった。
「ま」はいいですね、なぜだろう?
どの札もぜんぶ、言いたいことが冒頭にきてますしね。
最終的には声に出して読んでみて、
「祭りといえば 尻を出す」になったんですが、
ほかももったいないですね。
「ど、どうしよう」っていうのの「ど」がいいし、
「マロンチック」っていうのもナイスです。

「み」の選定札

水のあるところに 小銭あり
水やりもしないのに 父 朝顔を買う

水のあるところに小銭あり。
これは不思議ですね。
でも日本だけじゃなく海外でもこの現象はあるから
「ふしぎと愛おしい日本」ではないのかな‥‥
と考えていたら思いつきました。
「海外の水の中にある小銭って、
 あれ、日本人のしわざじゃないか?」
いや、まあ、でたらめなんですけど。
「日本人が海外に行った場合、
 小銭の感覚がマヒするから投げやすいだろうし」
などと思いが広がったりして
それがちょっとおもしろかったんで、これに。

次点の「父」もよかった。
これをしでかすのは父じゃなくてもあるんだけど
ここはやっぱり「父」を出したい。
「父」というものは精神過剰になりがちなもんですよ。
「朝顔があったらどんなにいいだろう‥‥」とかね。
精神過剰のことを、ぼくはロマンチックと呼ぶんです。
だから、この読み札は、じつはロマンチックなんです。

「む」の選定札

該当作なし

うーん。
ここも、お願いしたいです。

「め」の選定札

該当作なし

「め」も、ないですねえ。
がんばりましょう、よろしくお願いします。

「も」の選定札

「もしもし」って かわいい響き
もうお父さんとは 入らない

「もしもし」っていうのは、
いつか消えるのかな? と思ったこともあったんですが、
まったく消えませんからね。
このふしぎは、選んでおきたいところです。

次点。
また「父」です。
おとうさんは何したわけじゃないんでしょうに。
ここでも精神過剰な香りが漂いますね。
当然、これもロマンティックです。

というわけで、みなさま、
今回「該当作なし」が並んでしまいました。
そこで‥‥

この読み札をあらためて募集!

該当作なし 該当作なし
該当作なし 該当作なし

読み札をきちんと1枚ずつそろえるために、
「ぬ」「ね」「む」「め」ではじまる読み札を
再び投稿のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
締め切りはひとまず1月の7日とさせていただきますので、
この年末年始に、ぜひ読み札を考えてみてください。
ふるってのご投稿、お待ちしています!

ナイスな読み札が集まりましたら
再度、選定を行って、
ここで発表させていただきますね。

投稿の方法は、
下にあります「投稿のルール」をお読みくださいませ。

それでは!
‥‥って、まだ発表が終わったわけではありません。
次回、ラスト、
「や行」〜「わ行」を、おたのしみに!

投稿のルール

募集するのは「読み札」

カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれていますが、ここでは「読み札」を募集します。

6種類の文字ではじまる読み札を

今回、募集するのは
「ぬ」「ね」「む」「め」「よ」「ろ」
いずれかの文字ではじまる読み札です。

「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ

なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。

ひとつのメールにひとつの「読み札」

いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。

詠み人しらずの投稿です

『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。

2008-12-25-THU
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