第25回 カルタで、ゆく年くる年
畳の下の 新聞を読む

大掃除のシーズンに突入。
みなさま、はかどってますか?
それとも‥‥まだこれから?
いずれにしても、今年のよごれは今年のうちに。
きれいなおうちで新年を迎えたいものですよね。

で、きれいにしようと大掃除をはじめたのに、
つい陥りがちなのが、冒頭の札のような状態。
畳の下に敷いていた昔の新聞を読みはじめちゃって、
「ああ、こんなことあったよなぁ‥‥」
なーんて、ね。
フローリングのお宅でも、油断はできませんよ?
本棚から久しぶりにみる本が出てきたりすると、
ついつい読みふけってしまうものです。
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」でも、
先日、席替え&大掃除があったのですが、
みごと、この罠にはまっていたものがおりました。

ふしぎに愛おしいニッポンの年の瀬を詠んだ一枚を
キープ箱(下のほうにあります)に片づけながら、
はじまっております、「カルタ・ド・ニッポン」。
お題・「年末年始」にも、多数の投稿をいただきました。
2007年の「カルタおさめ」、まいりましょう。

窓 担当ね。

やはりこの時期、みなさん気になっていることのようで。
大掃除の読み札、多めに届いておりました。
「窓、担当ね」
と言われているのは、これ、お父さんなのでしょう。
なぜ、そのように推測したかといいますと
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」のメンバーに、
「まいとし窓掃除を命じられてるんだけど‥‥
 あれは、あれは寒い!」
とボヤいていた者がいたからです。
ボヤいていようと師走、やることはいっぱい。

・ちょっと 今年のゴミ収集 今日まで!?

ゴミを出す日も気をつけてなきゃならないし、

出すか 出さないか

と、これは年賀状のことですね。
はい、これもちゃんとやらないと、ですよね。
‥‥それにしても「出すか、出さないか」
なるほどこれはふしぎなニッポン。
ばたばたしつつもキープしましょう。

餅つきの リズムと呼吸

ああっと、そうか、お餅の準備もしないと。
ペッタン。
「ほいよ」
ペッタン。
「はいな」
ペッタン。
「よっこいしょ」
餅をつく者とこねる者の、あの独特のリズム、
あうんの呼吸。
良いニッポンに目をつけました。キープです。
さ、次、次!

おお味噌か

あああああああ!
この忙しいときに!!
‥‥ま、まあ、いいでしょう。
もう、大晦日ですし。
「言いたいだけ札」で、ちょっと落ちつきましょうか。
テレビでもみましょうね。

年越しは TVのチャルネル はしごする

いわゆるザッピングというやつですね。
世界的に行われていることなのでしょうが、
そうですね、年末年始のニッポンでは、
たしかにこの傾向がとくに高まると思います。

レコ大 紅白 かくし芸

こちらもテレビの年末年始。
ぜんぶをみる人は昔にくらべれば減ったとはいえ、
それでもこの3つの番組には
とくべつな「年末年始感」を感じる
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」の面々です。
‥‥それは、平均年齢が高いからかもしれません。

さて、ぼちぼち年越し。

・除夜の鐘 聞こうと意地見せる 子供たち

はい、覚えがあります。
意地を見せようとがんばりました、
除夜の鐘というものを聞きたくて。
でもちいさいころはやっぱり眠っちゃうんですよね。

夜行くか 朝行くか 初詣

ああ、たしかにこれは悩みますね。
家庭ごとにちがうのでしょうか。
ことしは夜、前のとしは朝と、
とくに決めていない家庭もあるようですし。
あなたは2008年の初詣、夜? それとも昼?

なんにせよ、元旦の朝がやってきました。

家族にも すこしよそゆき 「おめでとう」

前の晩に除夜の鐘を聞けなかった子も、
元旦の朝に、「あけましておめでとうございます」。
なかよし家族のあいだに、
すこしだけよそゆきの雰囲気が漂う、
とてもニッポンらしい風景を描いた読み札、
キープいたしましょう。

・年賀状 もらって数える 友だちの数

ほんとうは、年賀状の数=友だちの数
ではないのでしょうけれど、
枚数を数えてしまう、そのお気持ち、わかります。
気になりますよねー。
気になるといえば、

・なかなか当たらぬ 年賀状

年賀葉書についている、くじ。
あれはなかなか気になるものです‥‥よね?

今回、年賀状の読み札も複数いただきましたが、
キープするのは、こちら。

初恋の人の子が 葉書の中で育つ

うーむ‥‥。
なかなかリアルな正月の読み札。
初恋の人の子ども‥‥複雑な心境になりそうですが、
知り合いが元気で幸せなのは、何よりです!

おもちはいくつ? ぼくふたつ

かわいい作品。
やはりテーマがお正月になっても
「食」に関する読み札は、ほかより多めに届きました。

もち おせち カレー

ふしぎですよねぇ、最後にカレーがくるところが。
でも、これがニッポンなのだと思います。
良い意味でのでたらめさ。
キープしておきましょう。

・ウチは「おすまし」 ウチは「丸餅」

こちらはお雑煮の読み札。
お雑煮のアレコレについては、
お題・「年中行事」のときにも触れましたが、
ほんとにこればかりは話が尽きませんね。

・ついのめりこむ おせち番組

そうですね、おせちに関してもそうでした。
日本中にいろんな風習があるようで、
よそのおせちは気になるものです。

正式なのは 何重かさね?

三段もあれば五段もあり‥‥。
でも五段の場合はいちばん上の箱を
からっぽにしておくんですって、
運勢が広がる余白として。
へえ〜〜。

・羽子板って どっちが表?

そもそもは献上品だったので飾りがあるほうが
どうやら表のようですよ。
羽つきで遊ぶときは、そっちが裏になるのにね。
ふしぎです。

・親戚揃うと 名前何だっけ…?

お正月は、親戚が集まるシーズンでもあります。
そういう場で、親戚の名前をわすれちゃってること、
よくありますよね。

・子供たち 人見知りは 最初だけ

でも子どもたちには、名前を覚えているかどうかなんて
どうでもいいことで(そんなの関係ねぇことで)、
テレているのは最初だけ、
あっという間に調子にのりだすものです。
そして‥‥

ちらりと見えた ポチ袋

この、ちらりを子どもたちは見逃しません。
優秀な読み札ですね。
お年玉の読み札も多かったですが、
風景を浮かばせるこちらが出色でした。

ちなみに「ポチ袋」はごぞんじですよね?
お年玉を入れる、あのちいさなかわいい袋のことです。
‥‥なぜ「ポチ袋」という呼び名なのでしょう?
調べてみましたら、これには諸説ありました。
まず、「これっぽっち」の「ぽっち」が由来という説。
また、これは‥‥ちょっと説明がはばかれるのですが‥‥
お年玉を入れる袋だから、
お年「玉袋」と言ってしまうのは、あまりにアレなので、
「タマ」ではなく「ポチ」に変えたという説もありました。
ネコの「タマ」を、イヌの「ポチ」にすりかえたわけです。

‥‥それはそれとして、とにかく、
子どもたちは一生懸命ポチ袋を集めるのです。
集めるんですけれど‥‥

出た! 母さん銀行

別名、「あなたのために預かっとくから銀行」。
‥‥まぁ、お母さんもね、いろいろたいへんですから。

特番終わって 正月も終わる

にぎやかなお正月の特番から、
いつものレギュラー番組の構成へと
グラデーションでかわっていく、あの感覚‥‥。
そんなところにも、
お正月の終わりを感じさせられるニッポンでした。

「フリー部門」へとまいりましょう。
今回は、もう、テーマもばらばらに。

朝のテレビの 占いは 気になる

「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」にも、
これを気にするメンバーがおります。
星座とか血液型とか、テレビ局によって
いろいろあるようですね。
占いの人気はニッポンだけではないでしょうが、
「血液型占い選手権」のようなものは、
わが国だけなのではないでしょうか。
星占いにしても「ランキング」でみせるというのが
とてもニッポン的。
ワースト星座だったりすると、気になりますよねぇ。

小腹って どこ?

ねえ、どこなんでしょう。
「別腹」は、主に甘いものが入るところでしょ?
それとはまた別にある「小腹」。
「なんとなく、ちょっと食べたい」ときの「腹」‥‥。
「食」に関するニッポンのことば、おもしろいです。

とりあえず ビール

連載が開始して以来、もっとも多く寄せられたのが、
じつはこの読み札なのです。ダントツです。
あまりにも「おかぶり札」だし、
あらためて札にするには一般的なことばかなぁ、
と掲載を見送っていたのですが、
ほんとうに同じ作品が毎週何通も届き続けるので、
これは無視できないと思い至り、
キープすることにいたしました。
「とりあえず、ビール」
‥‥すっかりおなじみのフレーズですが、
よくよく考えれば、ふしぎなのかも?

カニがもたらす 静けさ

「カニを食べるとき無口になる」
という内容の作品も、ここまで多数届きました。
代表として、この落ちついた作品をキープ。

うれしいことは おすそわけ

「おすそわけ」という、
すてきなニッポン語を詠んだ札をご紹介したところで、
ことしのカルタを締めくくりたいと思います。

今週もキープ札は、すべてこちらの
「キープ箱」に加えさせていただきました。
気がつけば、200枚を突破してますよ!

キープ箱
※きわめてニッポン的な音がしますのでお楽しみに&ご注意を

さて、
いつもですと、ここで次なるお題を発表するのですが、
6月から先の見えぬまま投稿を募集し続けて半年が経ち、
キープ箱には200枚をこえる札が収納されました。
「詠み人しらず」という主旨で、
ハンドルネームさえ記載されないコンテンツにも関わらず、
たくさんの投稿を、ありがとうございました!

「カルタ・ド・ニッポン」は、ここで一度、
中締めをさせていただきたいと思います。

「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」といたしましては、
ここまで集まった「読み札」という財産をもとに、
この先のたのしい展開を、
じっくり話し合って決めてゆきたいと思うのです。
そのために、しばしお休みをいただくことにいたしました。

とはいえ、ナイスな読み札を思いついたならば、
いつもと同じように投稿を、お送りくださいね。
いただいた作品には今後も必ず目を通しますし、
優秀な読み札はちゃんと発表したいと思っていますので。
すべて「フリー部門」で、今まで以上にお気軽に、どうぞ。

‥‥次なる展開はどうなるのか?
「これでいこう!」と決まりましたら、
このページで発表させていただきますね。

ひとまず、ここまで、ありがとうございました!
またお会いしましょう!
みんなのカルタが、できつつありますよ!!

 

投稿のルール(仮)

募集するのは「読み札」

カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれているわけですが、
当面は「読み札」のほうを募集したいと思います。
七五調や七七調の札がカルタっぽいみたいですよ。

「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ

なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。

どの文字で投稿するかは自由

「いろはにほへと‥‥」の文字のなかの、
どれを選ぶかは今のところ自由です。

部門について

大きくわけて、「お題をテーマにした部門」と、
それ以外の「フリー部門」の投稿を受け付けます。
過去の「お題」を投稿するのもOK。
その場合は「フリー部門」への投稿になります。

ひとつのメールにひとつの「読み札」

いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。

詠み人しらずの投稿です

『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。

2007-12-26-WED
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