第20回 お好みカルタ弁当
あたためてください

この読み札だけをみても、
ピンとくるものはないかもしれません。
ですが今回のカルタのテーマは「お弁当」です。
いかがでしょう?
一気に場面が浮かび上がってきたはず。
ここは、そう、コンビニエンスストアのレジ前です。
電子レンジにお弁当を入れる
店員さんの姿までが、見えてはきませんか?

みじかいことばで、ニッポンの日常の
哀愁ある愛らしさを詠んだこの一枚を
キープ箱(下のほうにあります)へと収納しつつ
はじまっております「カルタ・ド・ニッポン」、
お題・「お弁当」にも、たくさんの投稿をいただきました。
たくさんすぎて‥‥なんということでしょう!
フリー部門への投稿がほとんどありませんでしたよ?!
投稿数はいつもより多いくらいなのです。
‥‥それはつまり、
みんなが「お弁当」のことを考えたということです。
みなさん、たいへんな食いしん坊ということです。
いやはや、食べ物の誘引力って、すごい。

というわけで今回、「フリー部門」はお休み。
思う存分カルタ弁当を食べていただきましょう!

右に寄ってる!

あー、寄りました!
横にして、カバンに入れちゃうと、
右か左かはともかく、ごはんやおかずが寄りました。
だれしもある経験なのでしょう、

・がーん! 寄ってる‥‥

・三分の一が 空洞

・カバンの中で 七転八倒

などと、いわゆる「寄り弁」の読み札は
複数届けられました。
カバンのなかで起きる、ちいさな事件ですね。

イチゴの味が するおかず

なつかしい‥‥。
からあげも、しゃけも、ちくわの天ぷらも、
うっすらとイチゴ風味に。
ひとつの箱にふたをしてしまっておくから起きる、
これも小さな事件?
いや、それほど悪いことでもないですよね。

・おかずとくだもの べつにして

というように、それを嫌うかたもいらっしゃいますが、

・おかずの染みが おいしいごはん

と、むしろ香りのミックスをたのしむ人々のほうが
多数なのではないかと思うのです。

タクアンの下の 黄色いごはん

よくぞ、こんなにもちいさな部分に
注目してくださいました!
ニッポンのお弁当の、ふしぎで愛おしい
黄色い染みを詠んだこの一枚、キープです。

あっ 箸がない!

おっと、これは事件。
こういうとき、どうします?
誰かに借りる? どこかまで買いにいく?
ちなみに「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」の
メンバーのひとりは、むかしこれをやったとき、
ボールペン2本で食べたそうです。
せめてエンピツにしてほしいものです。

・また お箸忘れてる

これはお弁当を作った側が視点になった読み札。
また別の味わいがありますね。
「やれやれ」という表情が浮かびます。

・割箸を キレイに割れず ヤな予感

あー、これはヤだ。
ある意味、箸を忘れるよりヤかもしれませんよ?

・ノートに染み入る 弁当の香

ん? それってもしかすると‥‥。

・弁当の 汁染み教科書 香りたつ

なんか風流に詠んでますけど‥‥。

・カバンの中 弁当の汁たれてる!

事件じゃないですか!
しかもわりと大きな事件ですよ、それ。

‥‥なかなかお弁当を食べるとこまでいきませんね。
とにかくフタを開けましょうよ。

フタにくっつく ノリ弁当

またこんな事件が!
‥‥いや、でも、そうですね、
ノリ弁のノリ、よくフタにくっつきました。
それをはがすのも、ちょっとたのしいんですしね。
事件と呼ぶにはちいさなことすぎました。

・駅弁のフタ ごはん付きすぎ

はい、薄い木の板でできた駅弁のフタには
ごはんつぶがたくさんつきます。
お赤飯も、そうですよね。
‥‥と、とにかくはやく食べましょうよ。

・早弁は お昼休みに 腹が減る

無いんですか!
なんで食べちゃうの?!
‥‥まあ、育ち盛りですから仕方ないですね。
購買部でパンでも買ってきてくださいね。

外の空気も 調味料

景色のいい場所で食べるお弁当って、
いつもよりワンランク上においしいものです。
‥‥おいしいんですから、食べましょうか?

・隣のべんとは うまそに見える

だからぁ、キョロキョロしないで!
気持ちはわかりますけど、ここはひとつ、
自分のお弁当に集中しましょうよ。

けっこう悲しい 日の丸弁当

‥‥まだ、ながめているんですね。
あ、日の丸弁当だったんですか。
たしかに、絵的には美しい日の丸弁当ですが、
いざ自分のお弁当のフタをあけてこれだと、
けっこう、切ないですよね。

・うちの弁当 茶色一色

あ、こちらのお弁当も
なにやら地味なご様子で‥‥。

・気を抜くと 茶色になっちゃう お弁当

ああ、こちらも。
お肉ばかりつめこんじゃうからですよ。
もっとこう、赤とか緑のものを‥‥

すきまに プチトマト

そうそうそうそう!
いろどりがね、大切ですから。
栄養のバランスもありますし、ね。

なぜにおべんと 隠して食べる

お弁当箱をフタで隠して食べる子、いましたよねー。
あれはどういう心理だったのでしょう?
ふしぎですねー、そしてやっぱり愛らしい。

‥‥ところで、やっと食べはじめたのですね。

あまい? しょっぱい? 卵焼き

「目玉焼きに醤油かソース」と並んで、
意見がわかれる問題ではないでしょうか。
あなたはどちら派?
ちなみに「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」では、
わずかばかり「あまい」が優勢でした。

でも、卵焼きはお弁当のためだけの料理とは
限りませんが‥‥

・弁当のヒーロー 卵焼き

という読み札もきたので良しとしましょう。

おねがい! ウインナーを タコにして

これもまた、お弁当の人気者。
お母さんにお願いする
ちびっ子の顔が浮かんできて、キープ。

シュウマイ2個と 交換ね

すてきな読み札。
お弁当タイムのうきうきが伝わってきます。
たのしいですよね、おかずのとりかえっこ。
シュウマイ2個となら、あなたは何を交換します?
ちなみに「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」の
とあるメンバーは、眉間にしわを寄せてしばし熟考の末、
「う〜ん、大きめのからあげ1個とならアリかなあっ!」
だそうです。
空想のお弁当を前にしても、彼は真剣でした。

おにぎりの中身に 一喜一憂

期待と不安が入り混じります、おにぎり。
「こいつの中身はなんだろう?
 願わくば、好物のスジコであってくれ‥‥‥
 ‥‥‥‥‥‥ああ、ツナマヨっ!!」

ご飯だけ残って 食べ方失敗!

この逆のケースもあります。
それはつまり、おかずがあるのにごはんが無い!
という大いなる失策です。
食べる前に、まずはお弁当ぜんたいを見渡し、
自分なりのプランを立ててから臨むべきです。
レストランではないので、おかわりはできませんよ!
‥‥横から「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」の
とあるメンバーが「コンビニでおかずだけ買う」だの
「いっそもう1個弁当買えばいい」だの言ってますが、
うるさいうるさいそういうことじゃないの!
バランスのことを言ってるの!
‥‥次にまいりましょう。

帰りは 鞄が軽くなる

お弁当、おいしかったですね。
ぜんぶたべたので、カバンが軽いですね。
でもその分、体重が重くなってるんですね。

・酔っ払い 必ず持ってる 折り詰めの寿司

こちらのかたは帰り道なのに、
お弁当の中身が入っているようで。
いろいろです。

さあ、おうちにつきましたよ。

お弁当 残したおかずで ご返答

「言いたいだけ札」ではありません。
お弁当でご返答‥‥韻を踏んでいるのです。
ピーマン残せば、それはピーマン嫌いのメッセージ。
何も残さなければ、「おいしかったよ」のお礼ですね。
つくった側はよろこぶことでしょう。

・残りもの 箱につめればお弁当

という、「残りものでお弁当」という読み札も
何通かいただきました。
くらしのひと工夫ですよね。
で、さらに工夫を加えていたのがこちらでした。

残り物じゃないの 残しておいたの

「残りもの」ではなくて
「あなたのために残しておいたもの」。
すばらしい表現です。

カラになったら ママの勝ち

おっしゃる通り。
つくってくれるあの人はきっと
真剣勝負でお弁当を手渡してくれているのですものね。
おいしかったときは、笑顔で負けを認めましょう。

ま、たまにはこういうこともあるでしょうけれど‥‥。

ごめん 寝過ごした

今回はこのあたりで。
今週もキープ札は、すべてこちらの
「キープ箱」に加えさせていただきました。

キープ箱
※きわめてニッポン的な音がしますのでお楽しみに&ご注意を

「キープ箱」の中身は、毎回更新していきます。
あなたの札が、ここに入りますように‥‥。

それでは、次なるお題を。

「京都」。

各地域のお題のときにやったでしょ?!
と言われそうですが、京都です。
先日、東京糸井重里事務所の社員旅行に同行した
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」はつくづく思いました、
京都にはまだまだふしぎで愛おしいものが満ちている、と。
そんなわけで、
京都をテーマにした読み札をあらためて、大募集!
食べ物関係、観光関係、伝統の文化、京都のことば、
題材はいろいろありますよね。
地元のかたのディープな読み札もにも期待しています。
訪れたことのないかたも、イメージだけでお気軽に。
そうだ、そうそう、「フリー部門」もお忘れなく!
過去のお題を探って、再挑戦してみてくださいね。

下にあります投稿のルールを軽くお読みいただきましたら、
くれぐれもお気楽に、ご投稿くださいませ!
みんなで、カルタをつくりましょうねー!

投稿のルール(仮)

募集するのは「読み札」

カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれているわけですが、
当面は「読み札」のほうを募集したいと思います。
七五調や七七調の札がカルタっぽいみたいですよ。

「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ

なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。

どの文字で投稿するかは自由

「いろはにほへと‥‥」の文字のなかの、
どれを選ぶかは今のところ自由です。

部門について

大きくわけて、「お題をテーマにした部門」と、
それ以外の「フリー部門」の投稿を受け付けます。
過去の「お題」を投稿するのもOK。
その場合は「フリー部門」への投稿になります。

ひとつのメールにひとつの「読み札」

いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。

詠み人しらずの投稿です

『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。

2007-11-14-WED
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