第18回 とりあえず44音がそろいました!
変な顔 競ってあそぶ にらめっこ

なんて無邪気な、ニッポンの遊びでしょう。
「笑うと負けよ」というルールも、ほんとにシンプル。
負けたほうが、笑ってるんですよ?!
あらためて、すばらしいゲームだと思いました。
そもそも、変な顔を競う遊びなんて、
ほかの国にもあるのでしょうか?
ふしぎですよね、そして愛おしい風景も浮かびます。

まさしく「ほぼ日本カルタ」にふさわしい一枚を、
キープ箱(下のほうにあります)へと収納しつつ、
はじまっております、「カルタ・ド・ニッポン」。
お題・「“まだありません”の札」にも、
たくさんの投稿をいただきました。
‥‥と、申しましても、前回の「カルタ・ド・ニッポン」を
ご覧になっていないかたには「?」ですよね。
前回は、キープ箱にまだ1枚もキープされていない
文字ではじまる読み札を募集したのです。
それは、
「へ」「め」「ら」「り」「ろ」の5文字でした。

キープされていないということは、
それだけ読み札を考えるのがむずかしいわけで‥‥。
そんな条件のもと、みなさんがんばってくれました!

「へ」の読み札から、ご紹介いたしましょう。

へーっくしょん! ちくしょー

なんでしょうかねぇ、くしゃみのあとに、
つい、つけ加える、あのひと言。
「ちくしょー」というのは、おじさんがたを中心に
よく加えられる「アフター・くしゃみ」と思われます。
くしゃみごときに支配されてしまった、己が、
くやしいのでしょうか‥‥。

ちなみに「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」には、
たくましいくしゃみを、そうですねぇ、日に3回はする
女性がおるのですが、この者は、
「へっくしょい!」
「いっぷし!」
「ぶしっ!」
などとそのたび異なる七色の破裂音を発したあと、必ず、
「‥‥ごめん」
とつぶやきます。愛おしいものです。

「へ」の読み札には、ほかにもこのようなものが。

・へのへのもへじで 試し書き

・へっぴり腰で ぎっくり腰

・へそがわかした茶を 飲みたい

この音ではじまる読み札というのは、
どうやら、なんとも情けなく味わい深いものが多いようで。

続きまして、「め」の読み札にまいりましょう。

メガネを取ったら 意外と美人

もとをたどれば、
「少女漫画の黄金パターン」になるのではないかと、
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」は考えます。
ドジであかぬけない主人公が、なにかのはずみで
メガネをはずしたら、すごくかわいくて‥‥。
いまの少女漫画でも、こういうのってあるのですかね?
あってほしいものです。

・目薬をさす 口も開く

・目を外して 洗いたい

目薬をさすとき、なぜか口も開けてしまう、ふしぎ。
目を外して洗いたいのは、
花粉症の季節を詠んだ作品ですね。

という具合で、
「め」の札は「目」を詠んだものが目立ちました。
んー、「め」はなかなか難しいようで、
投稿数も、ちょっとすくな目なのでした。

で、逆に、最もたくさん届いたのが、
「ら」の読み札でした。

ランドセルが 歩いてる

愛らしいですね、入学直後の一年生。
からだに対してまだまだ大きな新品のランドセルが
ひょこひょこ動いている様子、目に浮かびます。

今回は、この「ランドセル」が「おかぶり札」でした。

・ランドセル ぴっかぴかだね いちねんせい

・らんらんらん らんどせるっ♪

・ランドセルが まぶしい季節

・ランドセル ピンクもあります

・ランドセルの方が大きい 1年生

こうした、ぴかぴかの一年生とはまったくちがう
アプローチの、ランドセルの読み札も届いております。

ランドセル ライフル 攻めのしりとり

なるほど、この詠み人は「クジラ」とか「カメラ」などで、
しりとりの順番がまわってきたところなのですね。
で、「る」で終わることばで、攻めていると。
「る」ではじまることばはすくないですから。
でも「ルール」って返されると自分がくるしくなりますよ?

ラブレター 破らレター

なんともせつない「言いたいだけ札」。
これが事実であるとすれば、そんな状況で、
このダジャレを言ってのける人物は、すてきです。

らっきょうか 福神漬けか

「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」のひとりは、
「おれ、両方」と申しておりますが、
それはたしかにそうかもしれませんが、
「カレー」ということばを使わずに、
「カレーライス」の香りを漂わせたこの読み札は、
やはり、なかなかの良作かと。

ライスとパン どちらにしますか

「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」のひとりは、
「おれ、基本的にライス。でも場合によっては両方」
と、すこし考えてから申しておりました。
わが委員会の食いしん坊を、ややひるませたこの読み札、
キープさせていただきます。
「ライスとパン、どちらに?」って、
ニッポンのふしぎなフレーズですものね。

・らーめん食べたら はながでる

「ラーメン」の読み札も、多数ありました。
もはや日本食ですものね。

・ラムネは 小さな地球入り

きらきらところがる小さな地球。
きれいな読み札です。

・ラララでのりきる うろおぼえの歌

あー、のりきります、ラララで。
フフフ〜ン、の場合もあります。
英語の歌詞は、まったくデタラメにのりきったりします。

・来年の干支って なんだっけ?

年賀状のシーズンには覚えているのに、
けっこう忘れてしまうもの。
ちなみに、ことしの干支は?
いますぐ自信をもって、言える?
‥‥‥‥イヌですよぉ、忘れてたでしょ?

という答えがほんとに正しいものなのか‥‥
それはどこかでご確認いただくとして、
「り」の読み札にまいりましょう。

りんごのほっぺは どてらが似合う

あと、もちろん笑顔も似合います。
鼻水も似合うかな?
ほのぼのとした情景が浮かんできますねー。
「りんごほっぺ」の読み札は、ほかにも。

・りんごのような ほっぺだね

・りんご色のほっぺ 冬のこども

・りんご狩り 私もあなたも ほお染めて

「りんご」そのものを詠んだ札では、
これがナイスでした。

りんごはいつも うさぎちゃん

お弁当のなかに、うさぎりんご。
ふたをあけたときに、喜んでもらいたい‥‥
そんな、つくるひとのきもちが愛おしいです。

・リアス式海岸は ギザギザ

・リンゴ ゴリラ ラッパ パンツ

「ニッポンのふしぎな地形」ですとか、
「しりとりの定石」などの読み札が届いた
「り」のラストには、やはり愛らしい作品を。

リリアンは 乙女のたしなみ

なつかしいですね、リリアン。
プラスチックの編み機は駄菓子屋さんにも売っていて、
女の子たちが夢中になっていましたっけ。
リリアンというのは和製英語で、
「リリー(ユリの花)」と「ヤーン(縫製糸)」の
組み合わせなのだそうです。
いまでも手芸洋品店などで手に入るみたいですよ。

それでは、「ろ」の読み札を。

ロッカー開けたら 手編みのマフラー

これは高校のロッカーでしょうか、
それとも会社の?
いずれにしても、甘酸っぱい読み札。
ことしも、そんな季節になりました。
あなたも、好きなあの人に、どうですか?
ぼちぼち編みはじめてみては。

「ろ」の読み札も、1枚キープできました。
でも、この文字への投稿は、少数だったのです。
しかも、

・廊下は 走らないっ!

・廊下に 立ってなさい!

・廊下は 右を歩きましょう

と、なぜだか「廊下」の札が多数‥‥。

なにはともあれ、
これで44個、すべての「キープ箱」が埋まりましたよ!!
ありがとうございます!
すごいことだと思います。
でも、1枚しか入っていない小箱もたくさんありますので、
これからも、そのあたりを充実させるよう、
かるーくご配慮の上、ご投稿くださいね。

さて、それでは、
「フリー部門」へとまいりましょう。
今回は「お題部門」が
ずいぶんバラエティに富んでいましたので、
さらっと数作品の、ご紹介にさせていただきましょう。

マロンチックな 栗ごはん

前回のお題・「季節」への読み札です。
人によっては「言いたいだけ札」と思われそうですが、
なかなかどうして、秋のほくほくした食べ物を
まろやかに、コミカルに、しあわせそうに表した良作と
「ほぼ日本カルタ委員会(仮)」は判断いたしまして、
キープです。

便座で感じる 秋の気配


リアルに、体感しますよね、秋の気配。
ひんやりと‥‥。
電気であたためてある便座もありますが、
それはそれで、そのぬくもりに
冬に向かう季節を感じるものです。

冬と春の読み札も、届いております。

・なかなか手ごわい こたつの魔力

・初仕事は 花見の場所とり

・桜見て 錯乱

どれも、なかなか。
でも、やっぱり「春」がもうちょっとほしいですねー。
寒くなっていく今、イメージするのはたいへんでしょうが、
こころをお花畑にして、ね。
ぽかぽかの春を、お待ちしています。

サザエさんで知る 歳時期

季節が好きなニッポン人ですが、
こういう側面も、ありますよね。
サザエさんをみて、
「あれ? きょう、お月見だったんだ‥‥」
これは祝日にも言えるかも。
サザエさんをみて、
「あ、きょうって勤労感謝の日だったんだ、
 なんか、働いちゃったよ‥‥」

当たりがでたよ もう1本

ふしぎで愛おしいニッポンのシステム。
当たり付きじゃないアイスキャンディのときでも、
食べ終わったら、つい棒を確認したり‥‥しません?

夕方に 最終値引きを 待つ母さん

おさしみやお肉のコーナーのそばに、
じっとたたずむお母さん。
「4時になれば、お父さんにおさしみを
 食べさせてあげられるかも‥‥」

ニッポンのお母さんの
したたかな愛らしさを詠んだところで、
今回は終了といたしましょう。

それでは、次なるお題を。

「ニッポンの遊び」。

「にらめっこ」や「しりとり」や「リリアン」の
ナイスな読み札に、すっかり気を良くして、
このお題にしてみました。
ニッポンの遊び、たくさんありますよね?
「お手玉」「おはじき」「めんこ」
「折り紙」「竹馬」「おままごと」
「かくれんぼ」「鬼ごっこ」‥‥。
古くからあるなつかしい遊びでなくてもOKです。
子どもに限らず、おとなの遊びでもいい、のかも?
とにかく、
「ふしぎで愛おしいニッポンの遊び」
であればかまいません。
「フリー部門」への投稿も、随時お待ちしてますよ!

このまま、するするとスクロールいたしまして、
下の投稿のルールにお目通しいただき、
気軽に思いついた読み札を、お送りくださいね!
いよいよもって、カルタをつくりますよー。

キープ箱
※きわめてニッポン的な音がしますのでお楽しみに&ご注意を

投稿のルール(仮)

募集するのは「読み札」

カルタは「読み札」と「取り札」に
わかれているわけですが、
当面は「読み札」のほうを募集したいと思います。
七五調や七七調の札がカルタっぽいみたいですよ。

「ふしぎと愛おしい日本」がテーマ

なにを書いてもよい自由な投稿です。
でも「ふしぎと愛おしい日本」というテーマからは
どうぞ、はなれないようにしてくださいね。

どの文字で投稿するかは自由

「いろはにほへと‥‥」の文字のなかの、
どれを選ぶかは今のところ自由です。

部門について

大きくわけて、「お題をテーマにした部門」と、
それ以外の「フリー部門」の投稿を受け付けます。
過去の「お題」を投稿するのもOK。
その場合は「フリー部門」への投稿になります。

ひとつのメールにひとつの「読み札」

いっかいの投稿で送る「読み札」は、
一作品だけにしてください。
ひとつひとつ、集中して吟味したいので。
たくさん思いついた場合は、
何回もメールを送っていただければ大丈夫です。

詠み人しらずの投稿です

『万葉集』のように、というと大げさですが、
“詠み人しらず”の作品を集めたカルタを目指します。
“無名の知”のパワーに期待するカルタを。
なので、投稿者のハンドルネームは発表いたしません。

2007-10-24-WED
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