【CD】 2004/05/26
クレーの天使

朗読、演奏 谷川俊太郎+谷川賢作
定価 3,500円(税込)
発売元 ポリスター
ASIN B000060N53
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音楽と言葉
 音楽は言葉に翻訳出来ない。言葉は音楽に翻訳出来ない。
だが、音楽と言葉は対話することが出来るのではないか。
音楽には言葉がひそんでいるし、
言葉には音楽がひそんでいるから。
音楽と言葉は私たちの意識下で、
ときにひとつに溶け合っているように思える。
 印刷された詩が楽譜だとすれば、
 音読された詩は演奏に比べられるだろう。
声は抑揚やアクセントや間によって音楽的になり得るが、
それ以前に詩句を構成する単語同士の意味や
イメージのむすびつきによって、
すでに私たちの心の中に
内的な旋律やリズムを形成しているのではないか。
そのとき単語は比喩的に音符であると言っていい。
 日常的な喜怒哀楽とは次元の異なる感情、
それが詩の声とピアノの音とをつらぬいて流れる。
明示的ではない、
暗示的で重層的な意味を聞きとることの出来る耳を
失いたくないと思う。
目と違って耳は脳だけでなく、
人間のからだ全体に訴えかける力をもっている。
(谷川俊太郎 『クレーの天使』ライナーより)

2004-05-26