【本】 2005/08/14
夕凪の街桜の国

著者 こうの 史代
定価 840 円(税込)
出版社 双葉社
ISBN 4575297445
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甲子園、はじまりますね。
8月6日です。
野球をする高校生たちが、
まだ生まれてなかった1945年の8月6日は、
広島に原爆が落とされた日でした。
このことについては、自分の場所から
なにかを言うことが
はばかられるような気がしていて、
なかなか語りにくいものでした。

いまごろ、今年、つい先日、
偶然のようにですが、ぼくは
『夕凪の町桜の国』(こうの史代)
というマンガを知りました。
広島に生まれたけれど、やっぱり
原爆について語りにくかったという作者が、
その時から60年後の、いまの時代に描いた作品です。
実際にあったそのことは、何だったのか。
そのことのかけらが、ぼくにも、
このマンガから拾えたような気がしました。
拾って、ずいぶん震えました。

声を大きくすることもなく、歩くような速度で、
広島のその時、広島のそれから、
日本のその時、日本の人々のそれから、
そして戦争、そういったことごとが語られています。
このマンガを読むことができて、
ぼくはほんとうによかったと思います。
何かを言えるようなところにいるとは、
いまでも思えないのですが、
『夕凪の町桜の国』というマンガのおかげで、
たしかに、はじめて知ることができた感情を持てました。

やっぱり、これ以上、ことばを並べることはむつかしい。
この話題、ここまでにしておきます。
このマンガ、借りてでも読んでみてください。
(darling)

2005-08-14