【本】 2005/07/31
やわらかい話―吉行淳之介対談集

著者 吉行 淳之介
定価 1,470 円(税込)
出版社 講談社
ISBN 4061982737
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昔は、対談本とか、あんまり売れないと言われてました。
売れない理由は、ぼくにはわかりません。
出版社の人たちが、そういうのを聞いていただけです。
ぼくは、昔から対談本というものが大好きでした。
小沢昭一さんの対談とか、吉行淳之介さんのものとか、
あとでまとめる人もスゴイんでしょうけれど、
とにかく、その場のキャッチボールがスゴイ。
一般的な著作や、ひとり語りでは、
作者本人が、次に語ることを知っているのですが、
対談という相手のいる場では、そうはいかない。
本人にもわからないことが、いつもはじまってるんです。
酔っぱらった野坂昭如さんと、
偉大なる稲垣足穂との対談なんて、
「じゃぁキスしましょう」って‥‥組んずほぐれつ。
そんな予定はなかったと思うんだよ、どう考えたって。

対談というのはおもしろい、と、ぼくは思ってたんです。
「ほぼ日」にも、対談形式のコンテンツが
たくさんありますけれど、たくさん読まれてますよね。
それに、対談本だって、ちゃんと売れてるみたいです。

対談には、
まずは、本人にも次の展開が読めないおもしろさがある。
そして、むやみな引用がない。
さらに、しゃべって通じないコトバはつかいづらい。
というような、利点があるのですよ。
昔の本読みたちには、そういういいことが
通じなかったのでしょうかね。

(「今日のダーリン」より)

2005-09-04