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その日のまえに
| 著者 |
: |
重松清 |
| 定価 |
: |
1,500円(税込) |
| 出版社 |
: |
文藝春秋 |
| ISBN |
: |
4163242104 |
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重松清さんに呼ばれているような気がして、
当然のように『その日のまえに』を読みはじめた。
連作短編集だったから、夜中に仕事を終えてから、
眠くてしょうがない時間にでも、
ひとつずつくらいなら読めると思った。
どの短編も、死が描かれている。
しかし、死に装飾がされてない。
死は、ただそこにあって、生のように生きている。
こんなふうに書くのは、むつかしいよなぁ、と、
重松さんの手先を想像しながらも読んだ。
小説を読むときの自分は、どうしても沸点が高めになる。
しかし、心というやつの底のほうから、
小さい泡つぶがつっつっと現れて、
温度がどんどん上がっていくのを感じていた。
人ひとりが、街ひとつが、たった一日が、
「あってよかったろう?」とでもいうように、
微笑みはじめるのだった。
うん。無理して言えば、ひとつひとつの死さえもが、だ。
小説が足りてない、と感じられた自分は、
まだまだ捨てたもんじゃないな、と思った。
目からずいぶん水分が漏れてしまったけれど、
いいもので、こころが満たされた。
いやぁ、重松さん、感謝します。ありがとう。
(「今日のダーリン」より) |
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