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「幻世の祈り」ー家族狩り第1部
| 著者 |
: |
天童荒太 |
| 定価 |
: |
500円 |
| 出版社 |
: |
新潮社 |
| ISBN |
: |
4101457123 |
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「遭難者の夢」ー家族狩り第2部
| 著者 |
: |
天童荒太 |
| 定価 |
: |
500円 |
| 出版社 |
: |
新潮社 |
| ISBN |
: |
4101457131 |
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「贈られた手」ー家族狩り第3部
| 著者 |
: |
天童荒太 |
| 定価 |
: |
500円 |
| 出版社 |
: |
新潮社 |
| ISBN |
: |
410145714X |
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「贈られた手」ー家族狩り第4部
| 著者 |
: |
天童荒太 |
| 定価 |
: |
540円 |
| 出版社 |
: |
新潮社 |
| ISBN |
: |
4101457158 |
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まだ遠い光ー家族狩り第5部
| 著者 |
: |
天童荒太 |
| 定価 |
: |
500円(税込) |
| 出版社 |
: |
新潮社 |
| ISBN |
: |
4101457166 |
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●関連するほぼ日コンテンツ
【天童荒太さんの見た光。】
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小説の中に、すべてを出し尽くして、
「もう、これ以上、自分の中には何もないよ」
というところまでやりきることができた……。
そこまでやることを許された状態が、
まずは、幸福だったなぁと思います。
「ここまでやって、
この作品に足りないところがあったとしても、
それは自分自身の才能の未熟さであるし、
誰のせいでも何のせいでもなくて、
どこにも言いわけのできないものとして、
ちゃんと引き受けることができる」
そういう気持ちで、胸を張って、
作品に対する責任を自分で持てるということが、
書き終えた充実感としては、
いちばん大きなものでした。
小説の中に、すべてを出し尽くして、
「もう、これ以上、自分の中には何もないよ」
というところまでやりきることができた……。
そこまでやることを許された状態が、
まずは、幸福だったなぁと思います。
今回の小説は、五か月連続という
異例の刊行形式にしたために、
毎月、「終わり」が
あらたに生まれてくることになりました。
「毎月の一冊ずつについても、
完成した作品として
読者のもとに届けなければいけない」
「最終的に五部すべてを通して読んだときに、
物語の筋が完結するというのにとどまらない、
もう一段も二段も
表現の豊かさや
作中にこめてある願いとか言葉の深みを、
読者に受け取ってもらいたい。
それこそ、
四部までの印象をくつがえすくらいの、
まったく別の作品として
生まれかわるくらいの感動を、
五部の終わりまで読みきったときに
届けられるように、全体の流れを
しっかり見通さなければならない」
その両者を満たすような仕事を、
毎月持続しつづけたものだから、
内に抱えた思想性なり言葉なりが、
成長していって、ほんとうに、
これまで経験していないような力が
出てきたんだと思います。
すでに、去年末の、物語を
いったんラストまで書き終えた時点でも、
「こんなになるとは思ってもみなかった」
という高みに来ていたのは確かでした。
「こんなことが書けたんだ。うれしいなぁ」
「もう、これだけのものが書けたのならば、
ものを書く人間としては満足だ。
この作品は、通俗的な意味で
ヒットにならなくても構わないぞ」
と、すでに当時でさえ、
そう言いきれるものになっていた自負はあります。
(「天童荒太さんの見た光。」より) |
ほんとにつらいことが起きている中で
生きている人に届ける小説ですから、
「やっぱり、その時代状況も
内側にしっかりと持った上で、書きたい」
と思うんです。
今回あたらしく書く『家族狩り』五部作では、
世界で起きていることと、
ちいさな家族の中で起きていることが
リンクしているんだということを、
具体的な物語のなかで、伝えたいし、
自分も書くことを通して、
世界と個人のつながりを、より深い部分、
精神的な部分も含めて、見ていきたいと思ったんです。
そうしないと、閉じてしまうから。
ちいさな家族や、
ひとまとまりの社会の中だけを見ていくと、
どうしても、内に内に、こもってしまいます。
自分と自分の仲間だけを見ていこうとしても、
人間ていうのは、他人はごまかせても、
自分はなかなかごまかしきれない。
よそで沢山つらいことがあるのを知っているのに、
見ないようにしてると、
感情が微妙にゆがみ、
幸せの価値基準もずれてくるんです。
そうすると、かえって窮屈になるし息苦しくなって、
自分や自分の家族や仲間を
追いつめることにもなるのではないかなと──
ほんとうに大切なことは、
こもることではなくて、もっと広げてあげることだろうし、
世界と自分たちの地域や家族は
密接につながっているんだということを
示すことだろう、と。
(「天童荒太さんの見た光。」より) |