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| 荒俣 |
さて、愛書家の話を続けましょう。
１９８０年代のヨーロッパで
また別のタイプのビューティフル・ブックが
現代の愛書家たちにより
再評価、再発掘されはじめます。
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| ── |
これまで拝見した「挿絵本」ではなく。
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| 荒俣 |
それが「博物学書」というジャンルの本。
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| ── |
あ！ アラマタ先生のご専門というか、
とくにお詳しいジャンルですよね。
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| 荒俣 |
ちょうどそのころ、東京大学の周辺で
古本漁りをしていた私も
とある博物学書の１冊に出逢いました。
それが、こちら。 |
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| ── |
うわあ、なんだか雰囲気のある‥‥。
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| 荒俣 |
博物学書とは、先ほどまでの挿絵本とは
まったく異なる世界。
その歴史も、さらに１００年くらい古く、
１８世紀が黄金時代であります。
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| ── |
３００年近く前、ですか。
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| 荒俣 |
ですから、さらに手が込んでいる。
シャレにならない本物の大金持ちの貴族が
まだ、うじゃうじゃいた時代ですから
それはもう、
じゃんじゃん湯水の如く金を注ぎ込んで
つくっていたのです。
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| ── |
そ、それは、すごそうです。
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| 荒俣 |
たとえば、こちら本は
見返しが「マーブル模様」になっていますけど、
ごらんください。この、おそろしい細かさ。
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| ── |
うわー‥‥。
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| 荒俣 |
しかも、１冊１冊まったくちがうのです。
こうした部分ひとつとっても
相当に、こだわってつくっているのですよ。
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| ── |
ちなみに、これは何の本なのですか？ |
※クリックすると拡大します。
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| 荒俣 |
原題を「Historia Natvralis Ranarvm Nostrativm」
と申しまして、
ドイツのレーゼル・フォン・ローゼンホフという
生物画家によるカエルの本です。
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| ── |
カエルの本。
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| 荒俣 |
カエルの生態図鑑ですね。
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| ── |
わ、カエル。 |
※クリックすると拡大します。
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| 荒俣 |
１８世紀当時、本の「第１ページめ」には
特定の「意味」を持たせていました。
いわゆる「寓意口絵」というのですが、
つまり「この本は何の本であるのか」ということが
このページに示されているのです。
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| ── |
この場合は「カエル図鑑」であると。
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| 荒俣 |
それも、あくまで「カエル」をメインとしつつも
イモリ・トカゲ・サンショウウオ等も
描かれておりますので
大きくは「両生類・爬虫類の本」であると、
言っております。
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| ── |
なるほど。
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| 荒俣 |
さらに「博物学」ようするに
「自然科学の本」だということを示すために、
自然の情景の中で描いているのです。
言い換えますれば、
カエルの姿を興味本位に楽しんだりですとか、
お金の儲かるラッキー・ゴッドに
仕立て上げている本ではないということが
ここに、示されているのです。
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| ── |
ははぁ。
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| 荒俣 |
そして、カエルたちの後ろには
ギリシャ・ローマ時代の建物の廃墟が見えます。
これは当然「ギリシャ文明」を意味していますから、
ギリシャの科学や哲学‥‥
そのような伝承のなかに位置づけられる、
ようするに
「真面目な本である」ということが
同時に、示唆されているのです。
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| ── |
この１枚の絵で
そこまで表現しているんですか！
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| 荒俣 |
この時代には「寓意口絵専門のデザイナー」や
アーティストもいたのですが、
ホラ、カエルの産卵シーンです。ご覧ください。 |
※クリックすると拡大します。
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| ── |
おお、産んでます‥‥！
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※クリックすると拡大します。
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| 荒俣 |
イラストを、どうぞじっくりお楽しみください。
これはヒキガエルの類ですけれど、
オスの指に何やら「毛」のようなものが生えて
メスを羽交い締めにし、
ギュンギュンギュンギュンと
愛撫しておりますね。
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| ── |
ギュンギュンギュンギュンと、はい。
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| 荒俣 |
すると、メスが感極まって産卵する。
そういう研究をしていた時代、
「ホラ、ここにこういうのが付いてるでしょ、
オスのこういうところに」と、
「こういうふうに後ろからメスに抱きついて、
このように擦るのである」という
博物学者たちの発見を、描いているわけです。
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| ── |
何というか‥‥すごいです。
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| 荒俣 |
ちなみに、この本が素晴らしいのは、
職人が「手彩色」をしているという点。
つまり人が筆で色をつけているのです。
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| ── |
え、この１冊のためだけに？
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| 荒俣 |
「手業」の最たるものです。
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| ── |
恐ろしい手のかけかたですね‥‥。
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| 荒俣 |
さらに、このようなページのあとには。 |
※クリックすると拡大します。
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| ── |
はい。
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| 荒俣 |
同じ構図だけれど、色の付いていないページが
もう１枚、ついております。 |
※クリックすると拡大します。
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| ── |
なぜでしょう。
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| 荒俣 |
イラストの脇に「図版１」とか書いてしまうと
デザイン的に興ざめである。
おそらく、そういうことなのでしょう。
だから「図版１」的な番号を振るためだけの
白いページを
わざわざもう１枚、つくっているのです。
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| ── |
あ、ホントです！
色の付いてないページに「図版１」的な番号が。
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| 荒俣 |
この本を製作した人物は
きっと、
相当な凝り性で大金持ちだったのでしょうね。
「イラストの脇に番号を振るな」とでも
言ったんですよ、おそらく。
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| ── |
ははー‥‥。
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| 荒俣 |
このカエルの解剖図も、ものすごい。
なにしろ「ピン」まで描かれている。
ここまでのものは、なかなか出ない。 |
※クリックすると拡大します。
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| ── |
そうなんですか。
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| 荒俣 |
しかも、この「カエルの解剖図」は
キリストの磔を寓意してもいるんです。
「科学の犠牲となった聖なるカエル様」、
そのような意味が含まれている。
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| ── |
精神教育の一環でもあったと。
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| 荒俣 |
まぁ、キリスト教徒、
それもフランス、イタリアのようなカトリックだと、
お乳を切られてしまうシチリアのアガタや
処女のうちに
車に結わえつけられてグルグル回された
アレクサンドリアのカテリーナなど
聖処女たちのことを、思い浮かべるわけです。
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| ── |
このカエルの解剖図を見てですか。
深い世界ですね‥‥。
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| 荒俣 |
この本に出会ったとき、
もともと、博物学は大好きでしたので、
ぜひとも集めたいと思いました。
ただ、先ほど「挿絵本は１０万円前後から」と
申しましたが、
こうした博物学書の類は
さらに１００年くらいさかのぼりますので、
簡単にいうと
数十万円出さないと、ダメなんである！
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| ── |
そ、そうですか。
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| 荒俣 |
でも、ちょうどサラリーマンを辞める前後に
こうした本を集めはじめたため、
良い本を見つけても、お金に困ってしまいました。
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| ── |
ええ。
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| 荒俣 |
サラ金に行きました。
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| ── |
サラ金‥‥。
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| 荒俣 |
でも、会社を辞めてしまった失業者であるために、
マックス３０万円までしか
貸してもらうことができませんでした。
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| ── |
ははー‥‥。
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| 荒俣 |
だから、神田の神保町あたりで
良い本が出ると
「じいーっ」とその本を眺めながら、
「どうか売れないように、
どうか売れないように」
と念を送っていたのです。
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| ── |
「執念」とは、まさにこのこと‥‥。
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| 荒俣 |
しかしながら、そう強く念じていたのに、
残念ながら売れてしまったのが、この本。
あとで別ルートから手に入れたのですが、
『大日本魚類画集』と申しまして
新版画の大野麦風による、
おそらく、
日本でつくられた
最後の木版色刷り博物学図鑑です。 |
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| ── |
‥‥先生、巨大すぎませんか。
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| 荒俣 |
（とくに意に介すふうでもなく）
ええ、これはどんな本かというと、
いわゆる「錦絵」、
つまり「カラー木版画」で印刷されている
「魚の図鑑」なのでありますが、
これが
ヨーロッパの手彩色の動物図鑑に匹敵する、
素晴らしい出来栄えなのです。
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| ── |
ぜひ、拝見させてください。
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| 荒俣 |
もちろんです。それではまず、アジの図から。 |
※クリックすると拡大します。
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| ── |
はーっ、何とも色がきれいです‥‥。 |
※クリックすると拡大します。
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| 荒俣 |
続きまして、ウナギの図ですね。
この図鑑、大野麦風の最高傑作だと思うのですが、
ひとつの特徴は
掲載されている魚たちが、
食べちゃいたくなるほど美味しそうなんです。
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| ── |
なるほど、たしかに。
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| 荒俣 |
ヨーロッパの魚類図鑑が
おしなべて「干物」であるのにくらべると、
魚が生きている‥‥これはサワラですね。
実に美味しそうでしょう？
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※クリックすると拡大します。
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| ── |
はい、イキが良さそうです。
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| 荒俣 |
やっぱりわれわれは「刺身を食ってる国民」だなと
つくづく、思うわけですよ。
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| ── |
なるほど、絵も刺身というわけですか。
この赤い魚も、鮮やかですねー。 |
※クリックすると拡大します。
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| 荒俣 |
それはアカハタですね。
‥‥で、昭和初期につくられたこの本を、
神田の古本屋で見つけたのです。
即座に「これはすごい本だ！」と感じまして
すぐさま買おうとしたのですが
当時、全巻セットで
たしか３０万か４０万くらいでした。
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| ── |
ええ、ええ。
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| 荒俣 |
先ほども申し上げましたとおり、
サラ金のお世話になるような状況でしたため、
買うことができませんでした。
‥‥これはアイナメです。
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※クリックすると拡大します。
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| ── |
うろこの部分など、色彩がものすごく繊細‥‥。
正面を向いてる顔も
ひょうきんでかわいくて、いいです〜！ |
※クリックすると拡大します。
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| 荒俣 |
そこで、神田の神保町に行くたびに、
その古本屋さんをのぞいては
「あの本、売れてないだろうな」と
確認をしていたんです。
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| ── |
ええ。
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| 荒俣 |
１５年間くらい確認し続けて‥‥。
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| ── |
はい？
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| 荒俣 |
１５年くらい確認し続けました。
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| ── |
１５年ですか！
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| 荒俣 |
そうこうするうちに
『帝都物語』という小説がベストセラーとなり、
ある日突然
◯◯◯◯万円くらい転がり込んできたので、
「ようやく買える！」と
勇んでその古本屋さんに行きましたところ
なんと、
ちょっと前に売れてしまったというのです。
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| ── |
そんなウソのようなホントの話が‥‥。
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| 荒俣 |
１５年間、あれだけ売れてなかったのに
なぜこのタイミングで、売れてしまうのか。
たいへん、悲しゅうございました。
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| ── |
それは、そうでしょう。
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| 荒俣 |
そんなわけで、ここにあるこの本は
別ルートから手に入れたもの。
でも、それくらい思い入れの強い本なので
雄松堂さんに頼んで、
専用の外箱をつくってもらったのです。
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| ── |
あ、この外側は、先生がおつくりになった。
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| 荒俣 |
愛書家ですので。
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| ── |
エピソードもろとも、ものすごい本ですね‥‥。
＜つづきます＞ |
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