京都
「知りあいの宿」を
つくろう。
夏休み、京都は案外空いている。




この夏、ほぼ日の「知りあいの宿」になった
京都の「旅館 銀閣」。
ほぼ日乗組員のあいだでも、
「『銀閣』の森さんやサカベさんに、
 いろんなところを教えてもらえるなら
 行ってみようかな〜」
と、ウキウキ京都気分が高まっています。
そんななか、乗組員のひとりモギモギコが
「あたし、修学旅行に行きそびれたから
 まだ京都に行ったことないんだよねぇ。
 ‥‥この際、行こうかな!!!」
と、行く気マンマン状態に。
そうと決まれば、はやくはやく、
「銀閣」に電話して、新幹線のキップとって!
というわけで、暑い盛りの京都に、
ほぼ日乗組員モギモギコが、行ってまいりました。



京都と言えば「どすえ」どすえ〜。
というような、京都の人に聞かれたら激怒されそうな、
京都への認識しかなかった、モギモギコです。

そこに、船がドンブラコッコスッコッコとやってきました。
「知り合いの宿のある京都」とは!
はじめての京都へ、いざ、行くぞ!

でもね、ちょっと心細いので、というか一人旅は寂しいので
道連れ(ほぼ日乗組員・クサナギ)を
社内ナンパして、一緒に行くことにしました。

まじで「おのぼりさん」なんだから、
「銀閣」のサカベさんに
いろいろ訊くのが正解どす 。
前もって、こちらの要望をメールで送っておこうっと。
サカベさんにメールでお願いしたことは、以下のとおり。

・二人とも、寺社仏閣「命」であること。
・ジャパニーズなお香を買いたいこと。好みは「沈香」。
・京都ならではの夕ごはんが食べたいこと。
・京都のクラブで踊りたいこと。
・空也上人が口からブッダを出してる像がある、
 六波羅密寺とはどこか知りたい。
・京都の有名なお粥の朝食を食べたい。
・おみやげはなにがグッド?


さあ、サカベさんはどんなおすすめを
してくれるのでしょうか?
では、まいりま〜す。

サカベ印がついている場所は、
「旅館 銀閣」のサカベさんが
おすすめしてくれたところです。

金曜日
17:30 東京駅出発!
われらは、東海道新幹線で京都に向かいました。
鉄道マニアのように、アヒル顔の 新幹線を激写。
すばらしき哉、カメラ付き携帯電話。
20:30
京都に到着。
サカベさんに前もって教えてもらっていた
倉蔵(くらくら)」という、
銀閣近くの居酒屋さんに移動。
ところが、満席だったので、
いったんホテルに荷物を置きに行く。
20:35 「旅館 銀閣」に到着。
荷物を運んでくださった宿の方、
「おいでやす」と! おお、京都!

銀閣、お部屋セット。

荷物をほどいて(いや、いまどきほどかないな)、
一服(灰皿がなかなかカワイイ)。
サカベさんにおすすめのクラブを訊いておく。
21:30
再度「倉蔵」へ。
観光旅行といえば、
アジア諸国漫遊ばかりだったので、
つい、しょっているリュックを
前に抱え込むようにして歩いていると、
「モギさん、ここは日本。
 おいはぎなどはあまりいない」
と、冷静にクサナギよりツッコまれる。

さて、「倉蔵」到着。
はも、生麩、湯葉と、
京都の味覚を注文、焼酎でKAMUPAI。


気楽で、ナイスな雰囲気。
23:00

新幹線での移動でやっぱりくたびれたので、
サカベさんおすすめの
「メトロ」というクラブには行きませんでした
(すみません)。
かわりに、闇夜の町屋を見学散歩。
京都駅の近くにも、町家があるんだねー。
おもろい看板などを激写しつつ、怪談などしつつ
情緒あふるる町並みを歩く。
途中、闇に浮かぶ「東本願寺」が見える。
良く知る寺にぶら下がってるランプやら、
門やらとは、縮尺が違うのでちょっと肝が冷える。
闇夜なので、余計肝が冷える。

闇夜でうまく写真がとれない。

土曜日
8:00 銀閣さんの大浴場は、朝風呂がOK!
朝は6時から9時まで(夜は12時まで)なので、
間に合うように早めに起床。
お風呂には、打たせ湯がありましたが、
強さが絶妙でたいへん気持ちがよいです。
肩凝りに効きました。
10:00
朝食は、サカベさんおすすめの
イノダコーヒーへ。
「ぜひ本店へ」ということなので、
地下鉄を利用して行きました〜。


二階の席からの眺め。

本店の内装は、とても重厚でよかったのですが、
実は、2〜3年前に焼けてしまって、
再建されたそうです。
それまでは、オリエンタリズムあふれる
熱帯の洋館風だったそうな
(そっちも見てみたかった)。

いただいたのは、 コンチネンタルブレックファストの
「京の朝食」。
喫茶店で出てくる朝食としては、
抜群においしいです!

でもじつは、喫茶店だから、
とタカをくくっておりました。
このおいしさには、頭が下がります。
すばらしきかな、京都。
11:30


そして、日中は「涼しいですよ〜」と、
これまたサカベさんおすすめの、
洛北の貴船神社へ。


こんな風景を見ながら歩く。

三条京阪駅から、京阪電車で
出町柳駅へ。
出町柳駅から、貴船口駅まで、
叡山電鉄で30分程度。
駅から神社までは、2キロくらいあって、
バスも出てますが、歩いてもへっちゃら。
おみくじ大好きのわたくしども、
神社で、当然おみくじを引き、中吉。
このおみくじは「水占」といって、
水にぬらすと、文字がうきあがってくるという、
ナイス仕掛け。竜神様ナイス!
(ちなみに、乾かすと文字は消えるので、
 何度でも楽しめる。のか?)


本殿へ続く階段。燈篭が立つ。

お参りするなら、本殿だけではなくて、
奥社までいくのがおすすめです。
涼しい〜だけではなくて、
すごくリフレッシュできますよ。


貴船神社の奥社。

ここで、一時間くらい、
ぼ〜〜っとしながら、京都の地図などを頭に入れる。

昼食は、川床(川の上の桟敷席)が、
とても涼しげで気持ちよさそうだったのですが、


貴船川に桟敷を出して、
足を水につけながらごはんが食べられる!


予算の都合でここはあきらめまして、
(今度こそ、来ますね!)
神社の鳥居のそばの「鳥居茶屋」で、
あゆ茶漬けをたべました。

↑鳥居茶屋

これは、ほんとうにおいしかったなぁ〜。
(貴船神社は、夜にいくのも
  おすすめだそうですよ。
 提灯のあかりに照らされた川床で、
 ごはんをたべながら夕涼み、
  というのも素敵ですよね←『銀閣』の森さんのオススメ

16:00 市内にもどってきて、
サカベさんに場所を訊いておいた
六波羅密寺」へ。
空也上人が、口から仏像を出している像を拝む。
歴史の教科書で見たあの仏像を目の前にするのは、
感慨深いものがありました。
16:30 「六波羅密寺」の近所には
六道の辻」という
あの世とこの世をわける辻があるらしいので、
行ってみる。
いちお、県境などで人々がするように、
辻をまたいで、
「右足があの世、左足がこの世」
というようなことはしました。
せっかくですから!


六度の辻の碑が目印だよ。
17:00

せっかくなので(旅行中この言葉を連発)、
清水寺」に向かう。
「六道の辻」からは、歩いても行ける距離。
と、いっても、結構歩くす。
歩いている途中に、乙な銭湯なぞを見つけると
ついふらふらと寄りたくなるんだけど、
「銭湯は京都でなくてもいいだろう」と
やや冷静になり見送る二人である 。

↑こういう味わい深い銭湯が町のソコココにある。
(これは、5条のあたりの銭湯。)


道すがらには、「六道珍皇寺」もあります。
エンマ大王にもつかえたらしい、
小野篁という人ゆかりの寺だそうです。
なんだか、京都は怪しさも満点でよいですね。
「清水寺」到着。
あの舞台を見たよ! 本物だよ。


やっほー。これが清水の舞台だ!

拝観時間が終了したので、参道に出てみると、
みやげもの屋があっちゅうまに店じまい!
いや、いま寺が終了なら、
あと一時間くらい店をあけとくと、
もうかるんではないのか?と
わたしのなかのあきんどゴコロが騒ぎ出す 。
「京都だから、深い理由があるに違いない」
とは、クサナギ説。
みなさん、お買い物はおはやめにね!

18:00
せっかくなので、このまま歩いて
八坂神社」へ。
途中の道に「松栄堂」というお香の老舗があることを
サカベさんにきいていたので、
閉店ぎりぎりのお店に滑り込む。
たんまりとお香を買い込みました。
「銀閣」に帰ってから、
ちょっとくゆらしたりしましたが、
かなり理想のカホリ!!

そして、「八坂の塔」をみながら、
石塀小路」という、
入り口が「民家?」というような小道で、
風情を楽しむ。料亭などが立ち並んでいますよ。


この左側の門が、小路への入り口。
見落とさないで。
18:30 八坂神社」到着。
ここでも大好きなおみくじを引く。
そして、一休み。

これが、祇園祭りの神社なんですなあ。
19:00
夕飯は、サカベさんに、「京ならでは」のものを!
とリクエストして予約をしてもらった
卯庵(うあん)」という店に行きます。
「八坂神社」から、
店がある「先斗町」までの間には、
舞妓さんがよく歩いてるという、
花見小路」もあるので、ぶらぶらと歩く。
結局舞妓さんは見かけなかった・・・。
あたりには、これまたサカベさんに聞いておいた
和菓子の老舗などもありましたが、
閉まっておりました。
みなさま、これは肝に銘じたほうがいいです。
【老舗ははやく店じまいをする】
20:00
ようやく「卯庵」到着。
こちらの店は、川床もあります。
鴨川を見ながらのんびり食事ができますよ。
今回は、ハモづくしをいただきました。
お値段は一万円ちょうど。大満足でした。
22:00 鴨川の河原をぶらぶらして
(夏なので若人がガンガン花火をしていて
 危険なポイントなどあり。) 、
たぶん「本能寺」だと思われるものを見て、
「銀閣」に戻る。
日曜日
10:30 きのうおいしかったし、
雰囲気もよかったし、ふたたび
「イノダコーヒー」の本店で朝食。
サカベさんに教えていただいた、
朝がゆが食べられる「瓢亭」は、
朝早すぎ&わたしたちには
ちょっと大人なお値段だったので 、
今回のところは、断念。


ふたたびイノダコーヒーの店内。
11:30 食後は、
「やっぱ、弥勒菩薩見とかないと!でしょ!」
ということで、 太秦にある「広隆寺」まで。
いい仏像はいい!


なぜか、寺ではなく
「ほこら」を撮ってしまった。
鯉が泳いでました。
12:00

太秦からタクシーで、
竜安寺」に石庭を見に行く。
おすすめタクシーは、京都出身の スガノから
「ヤサカタクシーです」といわれていたので、
わざわざ「ヤサカタクシー待ち」をする。
別の会社のタクシーにも乗ったけど
運転手さんはやさしい人ばかりでしたよ。

「竜安寺」の石庭には、
禅の精神が込められています。
ひとによって、見え方や解釈が
違うそうですよ。


看板には、英語で「ROCK GARDEN」。
いや、ロケンロールのほうじゃないんだけどね。



苔むした庭は、
ちょっと涼しさを感じる。

13:30

ここで、『陰陽師』で人気爆発の
清明神社」に向かうことに。
ガイドブックに
「一条戻橋」を渡ってから行くとよい、
と書かれていたので、そのとおりにしました。

おみくじは、当然ここでも引く!
末吉でした。
社殿など改築されている部分があって、
寺社仏閣栄枯盛衰物語がうかがえました。

14:30
おみやげショッピングは、サカベさんおすすめの、
京都駅の「伊勢丹」の地下へ。
漬物から、
いづうのサバ寿司(白洲正子さんもおすすめ)、
水ようかんまでをお買いもの。
17:00 さようなら、京都よ。
新幹線で、帰路につくのでした。


こうやってあらためて振り返ると、自分たちの旅行の
無節操なことにおどろきました。

でもね、やっぱりサカベさんに
おすすめしていただかなかったら、
ちょっと足を伸ばして貴船神社まではいかなかったし、
ガイドブックにあまり載っていないお店を
教えてもらったりして、
ほんとにたすかりましたよ。

それにしてもね、旅館の方から、
タクシーのおっちゃんから、
町中で道を訊いたおねえちゃんまで、
京都のひとは、いろんなお話をしてくださいます!
ついつい長話になってしまうんですけれども、
そんななかから、地元のひとしか知らない、
とっておきの情報を教えてもらえたりして
うれしかったです。
よそ者には冷たい、なんていう話は、
ウソなんだなあって、思いました。

まだ見足りない寺社仏閣があるので、
ぜひ、近いうちにまた来ようと思いました。
また、オフ・シーズンに来るからね〜!
オフ・シーズンの京都は、お店に待たないで入れたり、
お寺や神社が広々していて、快適でしたよ〜!

2003-08-19-TUE

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