ほぼ日テレビガイドシリーズ  秋の連ドラチェック2013  あややとふたりのプロフェッショナル    はいはい、お待たせしましたー。 半年に一度の恒例コンテンツ、 「連ドラチェック」がやってきましたよー。 え? いつもより早いじゃないかって? なかなか鋭いつっこみですね。 じつは今回は、どうしても このタイミングではじめたかったんです。 というのも、このコンテンツのレギュラー 森下佳子さんが脚本を担当している NHKの朝ドラ『ごちそうさん』が いよいよこの秋スタートするんですー! さあ、そのあたりを皮切りに 今クールのドラマを語っていきましょう。 メンバーはもちろんこの3人。 ほぼ日の超弩級テレビッ子、あやちゃん、 脚本家の森下佳子さん、 そして漫画家の荒井清和さん。 また延々としゃべることになると思いますので どうぞのんびりお読みくださいね。 進行役は、ドラマに疎い永田、 そして「魂と味わいのイラスト」は、 「気仙沼のほぼ日」のサユミが担当します。 どうぞよろしくお願いします。
第3回 『リーガルハイ』のおもしろさは鉄板? 堺雅人の魅力を独自に解釈!
リーガルハイ フジテレビ系●水曜日午後10時
あやや じゃ、『リーガルハイ』、行きましょう。
主演はもちろん、堺雅人さん!
森下 「倍返し」してましたねー、堺さん。
あやや 「倍返し」、「10倍返し」ですよ。
荒井 「100倍返し」もあったような。
森下 もう、法律違反ですよ、利息が。
『闇金ウシジマくん』並です(笑)。
荒井 いまや完全に旬の人になってますね、
堺雅人さん。
あやや 『半沢直樹』に続いて、
前作が大好評だった『リーガルハイ』ですからね。
森下 絶対推すでしょ。
あやや ずばり、大本命ですよ。
荒井 細かいことを言うと、
前作が『リーガル・ハイ』、
今度のは『リーガルハイ』で、
いわゆる「ナカグロ(・)」が
とれてますね。
── お、気をつけよう。
あやや みなさん、前作はご覧になりました?
森下 はーい。
荒井 観ましたよ。
あやや わたしももちろん観ました。
大好きでした。
森下 おもしろかったねー。
荒井 このふたりのキャラクターがいいんですよね。
あやや 堺さんと新垣結衣さんね。
森下 とくに、堺さんの古美門先生が。
荒井 あの演技はすばらしいですね。
長ゼリフも気迫があって。
あやや 脚本もよかったー。
通り一遍で進んでいかないし、
必ずちょっと意外なところに持っていくし、
あと、脚本の古沢良太さんの特徴ですけど、
ちゃんとハートフルでウォーミングなんですよ。
もう、心が動く要素がぜんぶ入ってますよね。
笑い、泣き、唸り、ガッキーかわいいー、
ぜんぶ入ってる。
森下 けっこうすごいことしてたよね。
金田一耕助の格好になったり。
あやや してた、してた。
あと、ガッキーのこと突っ込むときに
森下 「この、朝ドラヒロインめ!」みたいな。
あやや そうそうそう(笑)。
荒井 言ってましたね。
じつは、新垣結衣さんは
朝ドラやってないんですけどね。
やってないからこそ言えるという。
森下 どうだろう、比べるものじゃないですけど、
私は半沢直樹より古美門先生のほうが好きかなぁ。
あやや うん、完成度から言ったら、
古美門先生のほうが高いと思いますよ。
森下 わたしの知り合いに銀行マンがいるんですが、
世の中は『半沢直樹』で盛り上がってるけど、
圧倒的に古美門先生のほうが好きなんだって。
というのも、半沢みたいな人が
実際の銀行の職場にいたら
仕事が進まないことこのうえない、と。
古美門先生みたいにさくさく仕事してほしいって。
あやや あと、ガッキーも、ほかのドラマより
『リーガル・ハイ』の中で
いちばん輝いていたような気がします。
荒井 そうですね。
『空飛ぶ広報室』もよかったですけど、
新垣さんは、髪型とかキャラ設定とか、
いろんなもん含めて、
『リーガル・ハイ』のほうが魅力的に見えましたね。
そのへんは人それぞれではありますが。
あやや あれじゃないですか。
わたし、堺さんが出るドラマで
毎回、これ言ってますけど、堺さんって、
相手役の女性を引き立てるのがお上手ですよね。
『半沢直樹』の上戸彩ちゃんもすごくよかったし。
森下 よかったねー、上戸彩ちゃんの浮き具合がね、
あの息の詰まった中だと、
とても愛おしく見える。
あやや そうそうそうそう。
── そうそうそうそう。
あやや え? 永田さんも『半沢直樹』観てたの?
── 観てました。
というか、ぼくのようなものまでが観ると、
そのドラマは高視聴率を記録するんです。
逆にいうと、視聴率40パーセントを記録するドラマは
ぼくのようなものまでが観る、と。
荒井 え、ちなみに最近観たドラマは?
── 『あまちゃん』と『半沢直樹』です!
一同 な・る・ほ・どー。
あやや ドラマ素人が高視聴率のカギか!
── 素人とは失敬な。
もう5年も連ドラチェックを編集してるのに!
荒井 なんの話でしたっけ?
森下 堺さんは相手役の女性を
引き立たせるのが上手だと。
あやや そう! 
『半沢直樹』の上戸彩ちゃんもそうだし、
映画『大奥』では、
当然といえば当然かもしれませんが、
菅野美穂さんがすごくいいんです。
荒井 それがきっかけでご結婚されましたね。
あやや あと、映画『ゴールデンスランバー』でも
竹内結子さんが
すごく魅力的に見えるんです。
もう、なんでしょう、堺さんと共演すると
自動的に魅力1割アップ、みたいな。
森下 めっちゃ優秀なファンデーションみたいな。
あやや そうそうそうそう。
森下 マイナス5歳肌。
あやや マイナス5歳肌!
きゃー、菅野ちゃんはずっとマイナス5歳肌!
森下 ♪タラリラララララーラーラー
あやや ♪タラリラララララーラーラー
── 荒井先生、ドラマの話に戻しましょう。
荒井 堺さんって、『リーガル・ハイ』以前は
それほど連ドラの主役やってないですよね。
あやや 最初はあれかな、
『ジョーカー 許されざる捜査官』。
あれ、おもしろかったー。
その前は、基本、脇役でしたよね。
荒井 脇役としてよく見ましたね。
あやや 『新選組!』の山南さんが有名ですかね。
そのあと、木村拓哉さんの
『エンジン』にも出てましたね。
森下 はじめの頃さ、テレ朝のドラマで、
バラの香りがどう、とかいう‥‥
なんかストーカーみたいな。
荒井 あった、あった、あった。
けっこう強烈なやつ!
あやや 『嫉妬の香り』!
森下 それだ。
あやや 釈由美子さんのドラマもありましたね。
荒井 ああ、ありましたね。
森下 超人気女性漫画家が、
実は男兄弟4人で‥‥っていう‥‥。
あやや 『ヒミツの花園』!
森下 出るねぇ。
── さすが、
ドラマ専用人間ハードディスク。
あやや いや、堺さんって、じつは、
いろいろやってるんですよ。
荒井 出てきた当初のころって、
主役をバンバンやる人だとは
思わなかったですよね。
森下 うん。西島秀俊さんと
堺雅人さんはびっくりですよ。
もともといい役者さんでしたけど、
こんなに売れっ子になるとは。
あやや わたし‥‥言っても、いいですか?
一同 言うんでしょ。
あやや やっぱり、いまの役者さんって、
「知的に感じられるかどうか」
っていう時代なんじゃないですかね。
── 知的。
あやや そう。ルックスと演技力だけじゃなくて。
堺雅人さんと西島秀俊さんが
こんなに引っ張りだこなのって、
知的だからだと思うんですよ。
荒井 たしかに、男の俳優さんは
40歳近くになると、
ルックスだけじゃない差が出ますよね。
あやや そうそうそう。
大人になると、
ただカッコイイだけじゃダメで、
やっぱり知的な香りのする男性にならないと。
それが無理だっていうなら、
いっそ坂口憲二さんみたいに、とことん行く!
── すみません、うちのあややが言ってるのは
「坂口憲二さんが知的でない」
ということじゃありません。
あやや そういうことじゃありません。
ある人の魅力をどこに特化させて表現するのか、
というような話です。
森下 わかりますけどね(笑)。
荒井 で、『リーガルハイ』。
『半沢直樹』の視聴率はすごかったですけど、
こっちはどうですかね。
あやや 『リーガルハイ』は、
クオリティがすごく高いんですよ。
すっごくぜいたくな心配ですけど、
視聴率ということでいうと、
クオリティがあまりに高すぎる、
よくできすぎているというか、
研ぎ澄まされすぎているということが‥‥。
森下 うん。ウェルメイド感みたいなものですね。
作り込みすぎで苦手っていう人はいるよね。
あやや そうなんです!
『半沢直樹』は、いってしまえば時代劇なんで、
見やすいんですよ。
荒井 たしかに、時代劇的なわかりやすさは、
高視聴率ドラマの重要なポイントですね。
あやや 決めゼリフとかね。
いま、みんな、入れてきてますよね。
『家政婦のミタ』だと
「承知しました」とか、
「それはあなたが決めることです」とか。
『半沢直樹』は「倍返しだ」。
荒井 そういう意味では『リーガルハイ』は
そこまで時代劇ではないのかも。
あやや そうなんですよね。
森下 ところで古美門先生、
髪型、微妙にかわってない?
なんか、この、前髪のカーブが
どんどん丸に近づいてるよね。
荒井 あれ?
半沢直樹と分け目が逆なんですね。
あやや あっ、ほんとだ! 逆だ!
すごい堺さん!
それに気づいた荒井先生もすごい!
さすが漫画家!
森下 やっぱり、
キャラクターとして真逆だからかな。
あやや 分け目で人間性を表現!
おもしろいなー。
荒井 まあ、でも、『リーガルハイ』は
おもしろさとしては、
そうとう期待できますね。
あやや おもしろいですよね。
だって、前回の『リーガル・ハイ』、
ふだんあまりドラマを見ないうちの乗組員が
まとめて見たらしいんですけど、
「もうやめられなかった」って。
森下 おもしろいんだよねー。
あやや そう。
だから、ぜひ『リーガルハイ』見てほしいです。
1話完結型ですから、
これからの人も入りやすいです。
里見浩太朗さんの役とかも、
よかったですよねー。
森下 わたしね、このドラマの美術が好きで。
古美門の家とかすごいよかったよね。
あやや よかった、よかった。
森下 なんか、世田谷のお屋敷だかレストランだかで
撮影したらしいんですよ。
荒井 へー。
あやや やっぱり実際の家なんですか、あれ。
すっごい、いいですよね。
── 『リーガルハイ』だけで
ずいぶんしゃべっちゃいました。
ちょっとペースを上げて行きますよー。
一同 はーい。

 2013-10-01-TUE
 
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