── じゃ、森下さん、
気になるドラマを挙げてください。
森下 ええと、わたしね、
『カエルの王女さま』と
『パパはアイドル』という
ショウビジネスというか芸能の世界を
舞台にした2本が気になってます。
あやや どっちからいきましょうか。
森下 じゃ、『カエルの王女さま』から。
カエルの王女さま
フジテレビ系 木曜日午後10時
あやや 『カエルの王女さま』は、
「ほぼ日」とゆかりのあるおふたりが出てますね。
── 「おいら。」の天海祐希さんと
「はなちゃんの夏休み」シリーズの
石田ゆり子さんです。
あやや あの、わたしね、
朝起きたら、この容姿になっていたい、
っていうのが、石田ゆり子さんなんです。
森下 はぁ。
荒井 はぁ。
あやや それだけなんですけど。
── 知らんがな。
森下 資料によると、このドラマ、
「ショークワイア」という
ジャンルらしいんですよ。
あやや 「ショークワイア」ってなんですか?
ミュージカル的なもの?
森下 わたしもよくわかんないんだけど
海外ドラマの『glee/グリー』
みたいなものかな、と思って。
あやや あー、『glee』か。
森下 お話自体も、たぶんポジティブで、
観ててたのしいと思うんですよね。
寂れた地域にミュージカルスターがやって来て、
イマイチだったグループを立て直して、
みんなの人生が開けていくっていう。
あやや 『フラガール』のミュージカル版、みたいな。
森下 そうそうそう。
一回、引き込んでくれさえすれば、
ずっとたのしく観られると思うので。
荒井 天海さんが思いっきり歌って踊るとしたら、
それは、観る価値がありますね。
あやや 存在感ありますからねー。
変な言い方ですけど、天海さんって、
そこでただ演じてるだけで
おもしろいんですよね。
この人が演じるということが、
脚本のちからをグッと増幅させるというか。
西田敏行さんなんかもその典型ですけど、
とにかく、ちからがありますよね。
ただ、ちょっと心配なのは、
「ミュージカル仕立てのドラマ」というものを、
あんまり、観たことがないので。
荒井 うん。そこはちょっと心配ですね。
森下 それはそうですね。
わたしも、さっき、
「『glee』みたいなものでしょ」
とは言ったものの、
2回ぐらいしか観たことない‥‥。
あやや わたしも、さっき、
「あー、『glee』か」とは言ったものの、
TSUTAYAで「大ヒット」って書いてあった、
っていうくらいの認識しかない‥‥。
荒井 ミュージカルに対する感覚も、
日本と海外ではずいぶん違いますからね。
ま、タモリさんのことばじゃないけど、
突然、歌い出したりしながら
ストーリーが進むっていうのは、
日本人にはちょっと照れくさい。
「なんで歌うんだよ」って。
森下 うちの夫も同じこと言ってた。
歌われた瞬間、すべて冷めるって。
荒井 そうそう。
あやや ただ、今回は、天海祐希さんですからね!
森下 そう!
── そうだ。
あやや ミュージカル仕立てのドラマで、
もと宝塚のトップスターの
天海さんが歌うっていう時点で
そうとう注目ではないかと。
── あの、前にね、天海さんが出る
劇団新感線の舞台を観たことがあるんだけど、
もうね、天海さんが歌うと、
舞台全体の魅力が、まったく違う!
あやや あーー、それ、わかる、わかる。
森下 そこは、やっぱり、観たいなぁ。
荒井 最初にハードルはあるのかもしれませんけど、
観だしたらふつうに観ちゃうような気もします。
あやや あと、あの、
突拍子もないこと言うようですけど、
わたし、今クールのドラマで、
自分が女優だったら一番出たいです、これ。
── ‥‥と、突拍子もないことを言うね。
森下 また、すごい切り口からとらえたね。
荒井 突拍子もないという前提で聞いても
突拍子もない話ですね。
あやや だって、みんなで歌うんですよ?
きっと、ドラマのなかでも、
ドラマのための練習でも、
みんなで歌うんでしょ?
たのしそうじゃないですかー。
わたしが女優だったら、これに出ます!
森下 そんな切り口で考えたことなかったなぁ。
えー、じゃ、わたしも
女優だったらどれに出たいか
ちょっと考えてみよう‥‥うーん。
荒井先生は?
荒井 考えたこともないですよ。
── そりゃそうだ。
荒井 あ、でも、自分が出るんだったら、
どの女優さんと撮影現場で会えるか
っていう基準で考えますね。
森下 あ、なるほど。
あやや じゃあ誰ですか。
ガッキーですか、武井咲さんですか、
荒井 今クールでいうと、
『パパはアイドル』の優香さんか、
『都市伝説の女』の長澤まさみさんかな。
あやや あー、まーちゃん、
最近、エロいですよねー。
荒井 おっさんか。
── おっさんか。
森下 あ、わたしが出るなら、これがいい。
『クレオパトラな女たち』。
整形ものでしょ、これ。
役作りの参考ってことで、
ちょっと直してもらったり。
脂肪とか、吸ってもらっちゃったり。
あやや あーーー、いいかも!
じゃあ、わたしは‥‥。
── もしもの世界はそこまで!
ドラマの話に戻ってください。
あやや はーい。
ええと、わたし思うに、この木曜10時は、
ここ数年で一番打率が高い枠ではないかと。
荒井 ああ、そうかもしれませんね。
視聴率がどうこういうより、
いいドラマをちゃんとやってる。
あやや おっしゃるとおりです。
『外交官 黒田康作』もおもしろかったし、
同じ天海さんの『BOSS』もこの枠ですよね。
キョンキョンと岡田惠和さんの
『最後から二番目の恋』もよかった。
森下 ああ、おもしろかったー!
わたし、あれ、何回も観ちゃったよ。
荒井 中井貴一さんがよかったですよね。
ほんとにあのまま役所にいそうに見えた。やっぱりうまい。
前クールで、一番好きだったな。
森下 わたしも、わたしも。
っていうか、個人的に観てたなかでは
あれしか完走しなかったかもしれない。
荒井 あのドラマがよかったのは
若者向けじゃないから
っていう説もありますけど(笑)。
森下 でも、実際、わたしのまわりでも
すごかったですよ。
ママさんたちは、大好きだった。
あやや おもしろかったですよね。
だから、木曜日10時は、
いま一番打率が高い枠なんですよ。
そして、天海祐希さんの歌と踊り。
荒井 ジャンルとしての危うさはありますから、
どっちに転ぶかというところでしょうか。
森下 わたし、ミュージカル的なものは
きらいじゃないですけどね。
あやや わたしもけっこう好き。
荒井 いずれにせよ、まずは注目、ですかね。
パパはアイドル
TBS系 木曜日午後9時
あやや 『パパはアイドル』はあれですね、
中山美穂さんと後藤久美子さんの
往年の大ヒットドラマのリメイクというか。
森下 『ママはアイドル』ですね。
荒井 ああ、あれを男版にしたんだ。
あやや そう、それで『パパはアイドル』。
森下 錦戸亮くんが本人役で出るという。
あやや なんか、設定からして、
あの時代の感じがありますよね。
ちょっとバブルな、景気のいい感じの。
森下 においがね。
あやや なつかしい感じですよね。
むかしのドラマ好きとしては、
けっこう、うれしい。
ちなみに脚本は、
金子ありささんと、大島里美さんという
ふたりの方の名前が挙がっています。
森下 あ、荒井先生が会いたいという
優香さんが出てますね。
荒井 はい。
あやや 優香さんはブランチをお辞めになって、
女優業へとシフトされるらしいですよ。
荒井 なんか、そんな感じですね。
あやや でね、芸能人の「生き様」好きな
わたしとしては、
優香さんの立ち振る舞いというのが
たいへんに興味深くて。
── 出た。
森下 語るね。
あやや あの‥‥言ってもいいですか?
荒井 言うんでしょ?
森下 言うんでしょ?
── 言うんでしょ?
あやや 優香さんってね、
最初、グラビア系だったじゃないですか。
で、そこから1回服を着て、
バラエティーの司会なんかを
そつなくこなすタレントさんになったわけです。
森下 「服を着て」(笑)。
── 着てるってば。
あやや でね、いまは、
「女優になります」って言って、
また服を脱いだわけですよ。
荒井 ああ、水着になりましたね。
森下 実際に脱いだわけじゃなく、
あやや 水着だったところ、服を着て、
タレントとして鮮やかに転身し、
いままた女優へステップされるにあたり、
7キロ痩せて写真集を出されたわけです!
森下 くわしい(笑)。
── くわしい(笑)。
あやや このあたりの舵の切り方というか
バランス感覚というのは、
こりゃ、あれですよ、もう、
なかなかたいしたもんだなぁと。
── あやちゃん、
また吉本隆明さんみたいになってるよ。
あやや たいしたもんだといって
いいんじゃねぇかと。
── ぜんぜん似てないけどね。
あやや モノマネ、ぜんぜんできないんですよ、わたし。
荒井 なんの話でしたっけ。
森下 優香さんの「生き様」が。
あやや そう、芸能人ウォッチャーとしては
たいへん興味深いです。
あのね、ちょっとまえに
『アメトーーク』で、
芸人さんたちがしゃべってたんですけど、
自分が司会者だったらアシスタントに
優香さんを置きたい、っていう人が
けっこういたんですよ。
「ただいるだけで安心するんです」って。
で、たしかに、そんな気はするんですよ。
こう、キレのあるコメントを連発、
っていうんじゃないと思うんですけど、
あの存在感はほかにないわけですよ。
っていっても、ルックスだけじゃなくて、
芸人さんたちに「いてくれるだけでいい」
って言われるっていうことは、
やっぱり、番組の流れとタイミング
みたいなことはばっちりつかんでて、
さり気なく気遣いができるってことですよ。
たしかに、ブランチでの優香さんって
そうだったじゃないですか。
あれだけ要素の多い生放送を
落ち着いて回してたわけですよ。
── あやちゃん、もういいんじゃないかな。
あやや 思えば、優香さんを中心に
「癒し系」っていう
一大ブームがあったじゃないですか。
森下 ありましたねー。
荒井 なつかしい。
あやや いま残ってるのって、優香さんくらいでしょう?
これはそうとう高度な「生き様」だな、と。
── で?
あやや つまり、女優としての優香さんは
いいんじゃないかと。
荒井 あ、そういうことですね(笑)。
あやや ご静聴、ありがとうございました。
森下 優香さんは、いいぞ、と。
うん。かわいいですよね。
あやや かわいいといえば、子役の谷花音ちゃん。
この顔はすごいですよね。
なかなかこんな顔の子どもはいないですよ。
森下 かわいいよねー。
ハーフとかクォーターとかなのかな。
荒井 たしかに、この年令にしては完成された感じ。
あやや 逆にこの先の「生き様」が心配になります。
── 「生き様」はもういいから。
あやや いや、でもね、永田さん、
子役の「生き様」というのはね、
これはもうね、あなた、
たいへんじゃない人はいないというくらい
いろいろあるものでしてね、あなた。
── 誰なんだよ。
あやや やはり、ポイントは、いかにスムーズに
成長して女優へとステップアップするか!
(机をどんと叩く)
荒井 同じままじゃダメなんですよね。
あやや そう、子役の状態で完成して見える人ほど、
成長がむずかしい。
森下 身長の問題とかね。
子役って、下の年齢層を演じてくれるほうが
ありがたいから、なんとなく、
「ちっちゃくてかしこい子」が
集まるんですけど、
女優さんとしてやるとなると、
身長が低いままだと役が制限されちゃったり。
あやや 「寝る子は育つ」は、
ほんとうらしいですからね。
わかんないですけど、
子役の仕事が忙しすぎると、
遅くまで起きていて身長が伸びない、
ということもあるんじゃないかと。
森下 だから、ほんとは、
1年に1回ぐらい出るペースが
いいんでしょうね。
あやや 花音ちゃん、
そうとう顔がかわいいですから、
すてきな成長を遂げてほしいんです。
『ママはアイドル』のときは
後藤久美子さんがかなりのキーでしたから、
花音ちゃんに注目、です。
森下 なつかしいねー。
中山美穂さんと、後藤久美子さんね。
荒井 あとはこのドラマ、
ジャニーズの人たちがたくさん出ますね。
あやや そう、関ジャニ∞の全員が出るというのが
ファンにとっては見どころです。
森下 そこのノリノリ感がうまくいけば
すごくおもしろいんだろうし
うまく混ざらないと浮いちゃうかも、みたいな。
あやや むかしのTBSのドラマは
そのへんの混ぜ方がすごくうまかったですよね。
『パパはニュースキャスター』とか
『ママはアイドル』とか。
荒井 そこの見せ方を間違っちゃうと、
ファンだけがたのしい、
っていうものになっちゃいますからね。
あやや 難しいです、そのへんは。
森下 だから、わたしの挙げた2本のドラマ、
『カエルの王女さま』と『パパはアイドル』は、
化けるかもしれないし、
心配でもあるし、っていう。
あやや なるほど、なるほど。
── わかりましたー。
じゃ、つぎは、荒井先生から
一本、お願いします。
荒井 うーん‥‥そうですねぇ。
じゃあ、『三毛猫ホームズの推理』を。
三毛猫ホームズの推理
日本テレビ系 土曜日午後9時
あやや 赤川次郎先生、原作。
これ、大宮エリーさんですね、脚本が。
荒井 大宮エリーさんの連ドラって、
これまでありましたっけ?
森下 ええと、あれです、
『デカ 黒川鈴木』。
荒井 あー、そうか、そうか。
遅い時間が多かったのかな。
あれもありましたね、
板尾創路さんの『木下部長とボク』。
あやや あれも深夜でしたね。
今回は深夜じゃなくて夜9時です。
荒井 土9ですよ。土曜9時。
あやや 赤川次郎さんと大宮エリーさんという
組み合わせがかなり意外でいいですよね。
なんか、マツコ・デラックスさんが、
化け猫みたいな役で出るらしいし。
森下 家族でたのしく観られそうですよね。
動物ものだし、相葉雅紀さんだし。
あやや 日テレだし、
『天才! 志村どうぶつ園』で相葉くんを
観たあとに、また相葉くんを観る、みたいな。
森下 あ、おんなじ日?
荒井 『志村どうぶつ園』も土曜日ですから、そうですね。
あいだに『世界一受けたい授業』があるけど、
それをはさんで、相葉さんが2番組に。
あやや もしかして、土曜日は相葉デー?
森下 相葉動物デー?
荒井 なるほど。
あやや サタデー・相葉デー?
サタデー・相葉動物デー?
サタデー・相葉・フィーバー?
── 意味がわかんない。
荒井 『三毛猫ホームズ』って
ドラマの素材としてはいいですよね。
ライトな推理ものでもあるし、
コメディに転ぶこともできるし。
森下 うん、うん、
なんか、ほっこりする感じで、
いいんじゃないですかね。
あやや 時間的にも、合ってる感じですよね。
『三毛猫ホームズ』って、わたし、
小学生のとき読んでおもしろいと思ったんで、
土曜日の9時なら、小学生高学年でも
怒られずに観られるだろうし。
小中学生、御用達。
森下 そうですね。
あと、猫がしゃべるっていうだけで
うちの娘なんかは食い付きますね。
荒井 猫好きのみなさんも観るでしょう。
あやや 猫好きの方はコアですからね。
味方につけると頼もしいですよ。
あとは、やっぱり、
赤川次郎さんの原作を
大宮エリーさんが膨らました時にどうなるか、
っていうのがたのしみですね。
森下 赤川次郎先生のこの話に、
大宮エリーさんのあの風味が乗るは、
個人的にはよさそうだなぁと。
荒井 安定感としては、かなりのものがありますね。
嵐で、猫で、この時間で、ということで
大きなはずれはないんじゃないでしょうか。
森下 うん。嵐で、猫で、ミステリーだからね。
子どもたちは、たまらない。
あやや おまけに土曜の9時。
サタデー・相葉・フィーバー。
── いちいちポーズをとらなくていいから。


(つづきます)

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2012-05-04-FRI



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