お待たせしましたーー。
あいかわらずののんびり掲載ですいません。
すでに初回が放送されたドラマも多いですが、
速報性は関係ないのさと若干開き直りながら、
はじめますよ、秋の連ドラチェック!
いや、ほんと、遅れてすいません。
今回も、ほぼ日刊イトイ新聞が誇る、
「暴走テレビ超特急・あやや」の
ほとばしる熱情をベースに、
脚本家の森下佳子さん、
マンガ家の荒井清和さんという
ふたりの「テレビのプロ」の声を
散りばめながらお届けいたします!
さて、今季のオススメドラマはなに?
進行役は、相変わらずドラマと縁遠い永田です。
どうぞ、よろしくー。

あやや
ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積されたテレビの知識は無尽蔵。
荒井清和
漫画家・イラストレーター。ほぼ日刊イトイ新聞にて
『TVウォッチャーの逆襲』を連載中。
「写真より似てる」という高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、バラエティー番組などが好き。
森下佳子
脚本家。『世界の中心で、愛をさけぶ』『白夜行』
『佐々木夫妻の仁義なき戦い』『MR.BRAIN』などを担当。
昨年、脚本を担当した『JIN-仁-』が大ブレイク。
好きなテレビ番組は、ドラマやバラエティーなど。


月9は、どうなってる?
そして今季のオススメは‥‥?

流れ星
フジテレビ系●毎週月曜日午後9時
あやや 最後になってしまいましたが、月9です。
森下 うん。
荒井 月9が最後になっちゃいましたね。
あやや 『流れ星』。
上戸彩さんと竹野内豊さん。
ちょっと発表が遅れていたみたいなんですが、
脚本は、臼田素子さんと秋山竜平さん。
で、めずらしいなと思ったんですが、
脚本監修に伴一彦さん。
「脚本監修」って、めずらしくないですか?
森下 いや、ときどきありますよ。
あやや あ、そうですか。
森下 私もデビュー作のとき、
遊川和彦センセに監修していただきました。
「監修」っていうクレジットでは
なかったですけど。
あやや へー。
荒井 その、監修って、どういうふうに?
森下 私の場合は一作目だったこともあって、
いちから教えてもらう感じでした。
書いて、ダメなところを指摘してもらって
書き直してっていう。
すごく勉強になったし、
なにより、おもしろかったですよ。
あやや へーーー。
すいません、失礼ですが、
森下さんのデビュー作って?
森下 『平成夫婦茶碗』。
あやや え、『平成夫婦茶碗』って、森下さんですか!
森下 そうだよ。
あやや 浅野温子さん!
浅野温子さんと東山紀之さん!
あと、東山紀之さんと浅野温子さん!
── あやちゃん、いっしょだそれ。
森下 そうそう。
ちなみに、さっき話に出た
濱田岳くんとかも、
そのときに子役で出てました。
あやや 濱田岳くん? え、マジで!
森下 そうですよ。
あやや そうなんですか。そうなんですね。
うわー、なんていうんだろう、
自分が観てたドラマをつくってた人だと思うと
急に緊張してきた。
── さっきまで馴れ馴れしく話してたのに。
あやや だって『平成夫婦茶碗』って、
浅野温子さんですよ!
浅野温子さんといえば、
日本のドラマ界のトップにいた人ですよ!
荒井 ドラマ好きとして、
わからないでもないですが、
落ち着いて、落ち着いて。
あやや はい。はい。うん。
落ち着くためにも質問させてください。
浅野温子さん‥‥どうでした?
森下 どうでしたって(笑)。
あやや キレイでしたか!?
ナイスバディーでしたか?!
森下 そりゃぁ、キレイでしたよ。
あやや マジですか。マジですか。
ひー、そうですか。
森下 いっしょにお風呂に入ったことがあります
(自慢)。
あやや (めまい&悶絶)
── あやちゃん、しっかり。
あやや マジですか!
どうなってましたか!
荒井 なにを言ってるんだ、なにを。
あやや すすすすすすごい、
スタイルいいですよね、浅野温子さんって。
森下 そりゃあ、もう。
あやや だってね、知ってますか、永田さん。
── オレに言うなよ。
あやや 浅野温子さんって昔からキレイなんですよ。
私、すっごく好きなんですよ。
あの、若いころに出てた映画で
『マジでブギな恋してくれ』
みたいなのがあったじゃないですか。
荒井 『スローなブギにしてくれ』です。
── ぜんぜん違う!
森下 あー、あの映画の浅野温子さんは
かわいかったねー。
あやや もう、むちゃくちゃかわいかったですよ。
もう、むちゃくちゃかわいかったですよ。
── なんで2回言うんだよ。
あやや そんな浅野温子さんと‥‥お風呂に‥‥。
すいません、一個だけ訊かせてください!
‥‥前、隠す?
荒井 なにを言ってるんだ、なにを。
── なにを言ってるんだ、なにを。
森下 泳いでた。スイーって。
あやや (悶絶&卒倒)
── 『流れ星』! 『流れ星』!
浅野温子さんの話、禁止!
荒井 なんの話でしたっけ?
森下 脚本監修が伴一彦さん。
あやや そうでした、そうでした。
でも、伴一彦さんっていうと、
月9っぽいラブドラマよりは、
まずコミカルな名作が思い浮かびますよね。
荒井 『毎度おさわがせします』とか。
森下 『パパはニュースキャスター』とか。
あやや そうそうそうそう。
荒井 大ベテランですよね。
森下 『うちの子にかぎって』とか。
あやや あー、もう、大好き!
荒井 たしかに、イメージ的には、
月9っぽくない印象がありますが、
シリアスなものも書かれてますよね。
森下 同じ竹野内豊さんの
『WITH LOVE』とか、そうですよね。
あやや ああー、そっかそっか。
ということは、むしろたのしみですね。
レンジが広いというか、
どういうふうにも展開できそう。
キャストも、なんていうか、
安定感のある顔ぶれですし。
荒井 そうですね。
大抜擢、みたいな感じじゃない。
あやや ただ、上戸彩ちゃん、髪の毛長いんだよな‥‥。
髪の毛、切ったほうがいいんじゃないかな。
── おばちゃんみたいなこと言ってる。
あやや おばちゃん、切ったほうがいいと思うんだよ。
その髪の長い上戸彩ちゃんが
死に場所を探すヒロインで、
竹野内豊さんが秘密を抱える男で。
これ、設定を読むと、だいぶ重いですね。
森下 うん。ふつうに考えると、
不幸のてんこ盛り、みたいな話で。
あやや これって、このままのキャストで
たとえば野島伸司さんが書いたら、
『この世の果て』みたいなことになりますよね。
森下 そうですね。暗ぁーい。
あやや 暗ぁーい、でも見ごたえのある、
なんていうんだろうな、
エグみが、こう、ドラマのあちこちから
ぐぅーーっと湧き出てくるような。
うわー、エグいー、みたいな。
あ、そういう救い方があったか、みたいな。
ぐわーーーっていうエグみが。
ゴーヤ×グレープフルーツみたいな。
私、いっつも、エグみっていうと、
ゴーヤを思い出すんですよ。
エグいっていえば、ゴーヤじゃないですか?
── 話が変わってる、話が。
森下 これ、でも、フタを開けてみたら、
すっごいコメディーだったらどうします?
あやや あははははは。
荒井 まさかの
『毎度おさわがせします』テンションで(笑)。
森下 「やられた!」って思うよね。
あやや 思う、思う。衝撃。
ちょっとやってほしいくらい。
荒井 いや、ないでしょうけどね(笑)。
森下 うん(笑)。
あやや ほかのキャストに目を転じると、
稲垣吾郎さんの存在感がいいですよね。
森下 最近、いい悪役を演じてらっしゃいますよね。
あやや そうそう。
なんていうか、自分の広げ方が見事だなと思って。
『ゴローズバー』あたりから
すごくのびのびしてるなぁと。
荒井 自由にやってる感じが。
あやや あります、あります。
森下 『十三人の刺客』とかも、悪い役なんですよね。
あやや 設定を読むかぎり、
今回の役もひどい人みたいですよ。
森下 ひどそうですねー。
だから、なんていうか、よさそうだなと。
あやや そうそう。
松田翔太さんも売れっ子ですね。
荒井 月9によく出てますよね。
というか、月9に常駐してる感じ。
一同 (笑)
あやや そういえば、そうですね。
月9に住んでる感じ、
荒井 年に3クールぐらい
出てるような印象があります。
それでいて、決して主役はやらない。
あやや でも、役者さんって、
そういうポジションでいたほうが、
自由にいろいろできるような気がする。
その、主役をやらないほうが、
いい仕事ができてたのしそう、というか。
森下 いや、ほんと、いまはそうかもしれません。
荒井 お笑いの世界でも、息が長いベテランは
そういうポジションだったりしますよね。
冠番組はもってないけど、
いろんな番組に呼ばれてるっていう。
森下 ああ、そうですね。
あやや で、どうなんですかね、月9は。
森下 月9好きの荒井先生、どうです?
荒井 いや〜、これはわかんないなぁ。
最近の月9って、どうなるのか、
ほんとに読めないんですよ。
あやや そこがまぁ、見るほうとしては、
おもしろいといえば、おもしろい。
荒井 まぁ、そうですね。
とりあえず1話目は絶対見なきゃ、
っていう動機にはなります。
森下 うん。なんだかんだいって、見ちゃうね。
あやや 見ます、見ます。
荒井 さて、どうなりますか。
あやや ‥‥というところで!
今季の注目作を、駆け足ではありましたが、
ざっと見てまいりました。
── 駆け足でしたが、
すでに3時間が経過してます。
あやや まとめましょう、まとめましょう。
── それではみなさん、
それぞれ、
オススメのドラマを挙げてください!
あやや そうですねぇ、今季はね、
なんていうか、どれも、手堅いんですよね。
ある程度、数字をとれそうなのばかりで、
一か八か、みたいなドラマがない。
荒井 そうですね。
あやや 10パーセント代の前半の数字は確実にとりそう、
みたいなドラマが並んでるんですよ。
内容的にも、冒険してない感じがすごくする。
突出したものが少ないというか‥‥。
森下 うん。
でも、企画としては手堅いわりに、
どうつくりこんでくるのか、
こう、フタを開けてみなければわからない、
という感じのものがすごく多くって。
あやや そうですねぇ。
森下 かつ、堅いよね、内容が。
あやや 堅い。マジメ。
荒井 たしかに、外さないジャンルが多いですよね。
刑事モノだったり、検事モノだったり、
ミステリー仕立てだったり。
森下 うーん‥‥。
なんか、バッて飛びつくものが‥‥。
あやや そう。ないですね‥‥。
荒井 うーん、たしかに。決定打がないです。
── え、じゃあ、初のオススメ作品なし?
荒井 うーん、どれか、推せますか?
森下 すっごい選びにくいですよね。
あやや 選びにくい、選びにくい。
── 少なくとも、いままでいちばん
みなさんの口が重いですね。
あやや うーん。
荒井 選びにくい、たしかに。
森下 うーん。
荒井 なんでしょうね、この混沌とした感じ。
森下 そうですよねぇ。
あやや みんなが大外ししないようにって、
動いてる感じがするんですよね。
そこそことれればいいっていうか。
荒井 置きに行ってる感じなんですよね。
あやや そうそうそう。
── こんなこと言うコーナーじゃないけど、
不景気?
荒井 いや、そうかも。
いまの日本っぽいですよ。
あやや いや、ほんとにほんとに、日本そのもの。
荒井 そうですね。
あやや ほんとに思い切ったことを
やれなくなってるんですよ。
森下 うん。
荒井 うーん。大爆発がなさそうなんだよな。
あやや うーん‥‥どうしましょう?
── とはいえ、選びましょうよ。
強くオススメするかどうかはさておき、
「これは絶対見るな」っていうドラマを
それぞれ3本、選んでください。
じゃあ、あやちゃん!
あやや 迷うなぁ。そうとう迷う、けど‥‥。
うん、まず『Q10』。
あと、やっぱり、『獣医ドリトル』。
それから、『フリーター、家を買う。』。
この3本で。
── 荒井先生、お願いします!
荒井 うーん、かぶるなぁ、けっこう。
まず『SPEC』。
で、『フリーター、家を買う。』。
最後は‥‥うーん‥‥
けっきょく『Q10』ですね。
『すいか』がよかったですから、
あのキュンとくるせつない感じの
木皿さんの脚本をたのしみにして。
── ありがとうございます。
じゃ、森下さん。
森下 私は、どうしようかな。
『SPEC』でしょ。
あとは‥‥どうしようかな‥‥。
うーん‥‥
『セカンド バージン』行こうかな。
あやや あ、そこは、いいですね。
たしかに気になります、
『セカンド バージン』。
森下 じゃ、2本目が『セカンド バージン』。
で‥‥うーん‥‥よし!
『闇金ウシジマくん』!
あやや おお!
荒井 おおー。
森下 原作のファンということで。
でも、原作どおりだとしたら、
ひどすぎるからなぁ。
── でも、ここの『ウシジマくん』の資料には
「お色気シーンをおたのしみに」とも
書いてありますよ。
森下 え! そんなテイストなの?
それじゃ私の求めてる
『ウシジマくん』じゃない。
うーん、やめとこうかな‥‥。
── ええと、まとめますと、
『SPEC』と『Q10』と
『フリーター、家を買う。』が
2票ずつ入ってることになりますね。
あやや そうですね。みんな2票だ。
荒井 無理矢理そこから選んでもいいですけど、
なんとなく、今回は、なしですかね。
森下 うーん、そうですねぇ。
あやや うーんなんか、どれもおもしろそうで、
駄作なんてない感じなんですけど、
やっぱりその、守ってる感じ、ありますね。
森下 そう。なんか息が詰まるような感じが。
荒井 いまの世相を反映してますよね。
スカッとしないというか‥‥。
あやや だからみんな、韓流見ちゃうのかもなぁ。
森下 いいんでしょうか、こんな結論で。
── もちろん。
こうでなきゃいけないという
しばりはありませんから。
あやや あー、また終わってしまった。
たのしかったー!
荒井 (笑)
あやや あ、そうだ。
森下さん、つぎの『JINー仁ー』は?
森下 仁は、来年4月に予定されております!
── じゃ、順調に行けば、
そのころまた集まりましょう。
あやや ありがとうございましたー!
荒井 ありがとうございました。
森下 ありがとうございましたー。
あやや 終わっちゃったよぅ。
(おしまい)

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