対談 今泉さん 写真 はなまるアナウンサーがやってきた!

朝の情報番組「はなまるマーケット」で
「はなまるアナ」として
活躍されている今泉清保さん
そんな今泉さんがある日突然
「ほぼ日」宛にSKIPの感想をメールを
送ってきた
ことが始まりでした。
ユニクロ西葛西店で一緒に販売をした
今泉さんと「伝える」ってどんなこと?
ということを話してみたくなったのです。





イズミ 早速ですが先日はわざわざ
ユニクロ西葛西店に来ていただいて
一緒に販売させていただいたんですけど
そもそも、この企画のきっかけが
駅ストアをご覧になっての
感想メールでありました。
その視点でトラックストアをご覧になったら
実際どう感じられましたか?
今泉 あの車もよく見ると
野菜売ってますって言葉が
書いてあるわけじゃないんだけど、
何かの移動販売だっていうのはわかりますよね。
で、後ろにユニクロがあると
「ああ、ユニクロの野菜ね」って
気がつく人は多いんだろうなと。

そこが駅ストアと一番違うかなと思います。
イズミ 何か売ってる感、っていうのはそうですね。
よくクレープ屋さんに間違えられたりとか。
今泉 あぁ、あの車そんな感じ(笑)。
イズミ 今泉さんご自身が、何万っていう
相手に伝える仕事をされていて
私はトラックストアでの接客でも
商品を伝えるという立場にあるんです。
ちょっと唐突なんですが、
今泉さんが「伝える」ときに、
気をつけられていることって、
特にどんなことですか?
今泉 このあいだ2時間くらい
お手伝いをさせていただきましたけど
久々に接客をしてみたら
目の前にいる人に直接説明するっていうのは、
やりやすかったんですよ。
私、何故か朝の番組が多くて、
「ズームイン朝」とか「めざましテレビ」とか。
どの番組でもそうなんですけど
朝ってだいたい何かしながらテレビを見てるので、
その日の中身が10だったとして、
10は絶対伝わらないんですよ。
1しか相手の頭に残らない。

じゃあ今日の、
その1個って何だろう。
たくさんある情報の中で、
今日これだけは頭に残ってくれたらいいな
っていう1個が何かってことを
ずーっと本番にむけて
考えてるんですね。
目の前にいる人に伝えるときと、
テレビの前にいる人に伝えるときで
違うのはここですね。
最低限1個だけは伝えたい、と。
順序だてて最終的に、
こことか言うんじゃなく、
ぼんやり、何かをしながらテレビを見ている人でも
「へえ」とか「はあ」じゃなくて
「ほう!」とか「わー!」くらいの
感嘆符につながるくらいの
感情の一つが残せれば、

今日の仕事はうまくいったなという感じですね。
わかります?

イズミ この前、それがすごくよくわかったんです。
例えば、かぼちゃがここにあるとして、
お客さまがいらっしゃったときに
明らかに私と入り方が違うんですよ。
今泉 そうですか。
イズミ かぼちゃはこういう風に食べたら
おいしいってことから
今泉さんは入るんですけど、
私は雪化粧ってなんだろうってところから
話し始めちゃうんですよ。
今だと糖度がこれくらいあって、だからこうやって
食べたらおいしいんですよって続けるんですけど、
今泉さんは、こう調理したらおいしいです、
ってところから入る。
それがあのかぼちゃの1なんですよね。
今泉 うん。
一番最初にぼくが駅ストアで野菜を買ったとき、、
ほんとに正直にSKIPに期待感を持っていただけに、
何屋さんなのか、どういう野菜なのかが
よくわからないというのは
もったいないなって思って。
何か伝え方があるんじゃないかって。
SKIPのみなさんは
作り手、農業家のところをまわっているので
どうしても野菜を作っている人の思いとか
思い入れを肌で感じてるわけだし、
どうしても伝えたいことは何かと考えた時に
そこに行くのは、当然だと思うんですよ。
ぼくの仕事も色んなところに
お邪魔をさせていただいて、
お話を聞いたりしますけど、
取材をして編集するときに、
ディレクターは10で作りたがるんですよね。
でも、それだと見ている人にはたぶん多いので、
相談して減らしていきます。
その言葉だとわからないとか、
それをいっぱい言ってしまうと
ここが伝わらないっていう話をしながら、
ケンカしない程度に柔らかく指摘して
短くしていくんですよね。
今回のSKIPの野菜の場合、
自分でまず知りたいことは
何だろうって考えたら
どこの土とかどんな育て方とかより
味だよなって率直に思っちゃったんですよね。
あとはどう料理したらおいしいの? とか。
イズミ 頂いたメールは一お客さまの立場から、
そのあたりを
「ずばっ」とつかれたような
感じだったんですよね。
なるほどなと思ったのは、
「農業家のほうに入っていって、
 それをきちっと伝えるのが
 スキップの仕事だけど、
 消費者とのバランスを、
 きちんとマネジメントするのも
 スキップの責任ですよね」

っていうことだったんです。
今泉さんはメールマガジンも読んでいただいてて
SKIPに関しては
ある程度の情報が伝わっているはずなのに
そんな今泉さんが買いにこられたら、
わからなかったっていうことに
危機的なものを感じましたね。
今泉 そんなにセンセーショナルな
メールだと思ってなかったな。






イズミ 正直なところ、
2時間くらいご一緒させていただいて、
ほんとに接客好きなんだなあと
思って見てたんです。
最初アナウンサーだからかな、
と思ったんですけど、
ずっと見てると、
いや、これほんとに好きなんだわ、と。(笑)
今泉 好きなんですよね、なんか。
イズミ 接客歴っていうのがあったら
教えてくださいよ。
今泉 接客の最初は高校の時のモスバーガーですね。
その後は、アナウンサーを6年9ヶ月やって
身体をこわしたりして一旦やめて
福岡から東京に出てきたんですけど、
(編集部註:当時、福岡放送にお勤めでした)
ちょっとだけだけど退職金もらって、
人生で一番貯金があったんですね。
その時に長野オリンピックをちょうどやってて、
会社辞めたばかりで解放感にひたっていたんで
長野でどかんとお金を使って
オリンピックを楽しんだりしてたんです。
でも税金を払わないといけない
ということをすっかり忘れていて、
貯金分くらいの税金の請求が来てしまって
突然貧乏になっちゃいまして。
仕方なくアルバイト雑誌で
一番早くお金をくれるバイトを探して
カメラ屋さんとかフィルム店に
派遣されてフィルムを売るっていう
日給8000円の仕事をやりました。
高崎のカメラ屋さんでは
フィルム売るはずなのに
カメラ11台とか売って。(笑)
イズミ カメラって使いすてカメラじゃないですよね。
一眼レフだったりもするわけですよねえ。
今泉 立ってるとお客さんに
話しかけられるじゃないですか。
仕方が無いんで、予算がどれくらいあって、
どういうものが欲しいかっていうのを聞いて
「じゃ、これでいいんじゃないですか?」
って自分がカタログとかで勉強した、
にわか知識の範囲内でですけど
お薦めしてたんです。
買いたくて来ている人たちですから
ちょっと背中を押してあげると
買ってくれるんですよね。

そんな調子で2日でカメラ11台。(笑)
その後は銀行の
テレフォンバンキングセンターに勤めました。
お客さまに
「定期預金が満期ですよ」とか説明する仕事で
スクリプトっていう決まった文章があるんですけど
流れとか基本は変えないものの、ほとんど無視して
好きに喋ってたんですよ。
相談に乗ったりとか。
「ずっと使ってない
 郵便貯金の通帳があるんですけど」
って聞かれた時には
「郵便貯金は銀行と違って時効があるから
 早めに郵便局に行った方がいいですよ」
そういうことを言ってたんですよね。
銀行だから郵便貯金の話しなくていいんですけど。
そんなことで非常に評判もよろしくて。
「あなた、うちに来て手続きできないの?」って
頼まれたことありますね。(笑)
基本的に人と話してるのが好きなんでしょうね。
イズミ ホントに楽しそうに売ってるんですよ。
今までお客さまも含めて、
いろんな人にお手伝いして
いただいたんですが、接客を見ていて
「この人は、すごいな」
って思った人は今泉さんが初めてですよ。(笑)
今泉 そこ褒められてもなぁ(笑)
イズミ なかなか出来ないですよ。
さっきも聞いたように
10の中で1しか伝えられないってことが頭にあって。
非常に的確なんですよ。
しかもクロージングまでが早い。
こっちが30秒くらいかけて説明していることも
今泉さんは5秒くらいでポーンッと説明しちゃう。
背中を押すってことなんですけど。
やっぱりみていてすごいなぁと思いました。
そう考えると私がやる店っていうのは、
自分は楽しいんですけど
効率が悪いんじゃないかなぁと(笑)
今泉さんの接客を見てそう感じたんですよね。
こりゃ、ちょっと変えないといけないと。
今泉 糸井さんにメールで報告したんですよね。
イズミてんちょーの接客は
「プロっぽくないけど、
 正直すぎて笑ってしまいます。」と。(笑)

面白いんですよ、この人。
いろいろ聞いてくるお客さまがいらして
「このミニトマトはおいしいの、どこが違うの?」
って聞かれてまして
「これはですね、これくらいの味のものは
 探せばある・・・かもしれません」

(イズミさんのマネをしながら)
って言うんですよ。
おいしいんだし、探せばあるかもしれないけど
ここにもあるんだからどうぞって言えばいいものを
「今日のトマトに関しては、探せばあるかもしれません」
なんて、非常に正直にものを言うんですよね。
でたらめ言わないっていうか。
でも、それは非常に大事なことだと
思うんですよね。
SKIPで今売っているほうれんそうって
見た目がタテじゃなくて
ヨコに広がっているじゃないですか。

イズミ 「寒じめほうれんそう」ですね。
今泉 そこでイズミさんは
今日のおすすめはほうれんそうです。
って言っているわけですよね。
でも、形が変わっているんで
お客さまがほうれんそうだとは思わないんですね。
イズミさんを見ててそう思ったので、
自分で売るときには
「今日のおすすめはほうれんそうです。
 ちょっと形が変わっているけど、
 ほうれんそうなんです」
って、形が変わっているという
情報からまず入って
「これ、ほうれんそう?」って
で、手にとってみていただいたら
大体買ってくれますね。
もういただき!みたいなね。
イズミ 私もそれに気づいたんですよ。
で、マネしよっ!って(笑)
マネさせていただいたんですけど。
私が売っている時は
「ほうれんそう?」
って目で探しているのがわかるんですよ。
今泉さんがそういう風にいうと
「ああ、これね」って
2秒でお客さまが手にとるんです。

私はほうれんそうってことに気づいて
触るまで5秒はかかるんですよ。
そういうところはすごく、
勉強しないといけないなぁって
痛切に感じたんですよね。
今泉 なんか私、アナウンサーじゃなくて
こう、スーパーで接客歴10年とか
そんな偉そうな感じの人に
なっているみたいですけど(笑)
イズミ でも販売するにあたって
イントロが違うと思いましたよ。
今泉さんが訴求から入って
接客に流れていくんだとしたら
私は頭から接客に入っていっている。
今泉 そもそも、野菜そのものの
情報や愛着に関しては
イズミさんにはかなわないわけです。
でも、ナスなど自分でも食べてみたものに関しては
それなりに言えるんですよ。
「これは炒めても
 全然びちゃびちゃしないとか」
そんなことは言える。
これからSKIPの野菜を売っていくにあたって、
実際に接客するみなさんも
自分で家で
それぞれいろいろ料理をしてみて
「他の野菜とここが違う」っていうところ、
そういう言葉を見つければ
そこから説得力がある接客に
入っていけるんじゃないかなぁ。
イズミ 自分が今まで考えていた
「伝える」っていうことは
「思い、先走り系」だったなと反省したんです。
2ヶ月も自分で売っていたりすると
勝手に自分の接客のスタイルというものを
決めてしまっていたりして。
いろんな人に伝えるってことを勉強しないと
どんどんダメになるなと感じました。

今泉 そんな反省しなくても(笑)
でも、野菜売るのはやっぱり面白かったですよ。
一応テレビ出てるんですけど
意外と気がつかれないなぁと。
まさかぼくが西葛西で野菜を売っているとは
思わないでしょうし。
気づいた方もきょとんとしてましたね。
イズミ 4〜5名でしたよね。
今泉 ええ。
「はなまるに出ている方ですよ・・ね?」
って。
「どうしたんですか?」
って聞かれて。
で、「どうしたんですか?」
って言われるとですね
上手く説明できない自分がいるわけですよ。(笑)
「取材ですか?」と聞かれても
「うん、いや、取材のような・・・」
取材だったら野菜は売らないじゃないですか(笑)
「お知り合い?」
「いや、お知り合いっていう程のものでもないんですけど、
 まぁ、なんとなく・・・」
「明日もいらっしゃるんですか?」
「明日はさすがに今日だけなんですけど」

なんで私が今日ここで野菜を売っているんだか
さっぱりわかんない(笑)
でも、非常に楽しい体験をさせていただきました。
ありがとうございました。
イズミ お客さまはホントビックリしたんだろうなぁ。
まさかねっ?って。
今泉 対談をするにあたって
イズミさんからメールをいただいたんですけど、
それが非常に丁寧な文面でして
「私と対談のようなものをさせていただけないか
 というお願いのようなものでございます」
(笑)って。
だったら対談前に
イズミさんがどんな事をしてるのか
見にいかなきゃなぁって思ったんです。
イズミ それが素晴らしいと思ったんですよ。
現場とか、伝えるって上で
きちんと知った上じゃないとできない。

さっきの10のうち1しか伝わらないのだとしたら
1伝えるためには
10知らないといけないってことが
その裏返しだって知って嬉しくって。
あのメールで実際きていただいて
販売されたっていうのが
プロだなぁと思ったんですよね。






今泉 はなまるマーケットでは
薬丸さんや岡江さんに
放送中よく質問をされるんですね。
とくに岡江さんは
本当に率直な質問、
その場で思ったことをポンと聞いてくる。
薬丸さんは割と全体の流れの中で
これが足りないんじゃないかっていうこと
で気になった情報を聞いてくるので
お二人ですごく
バランスがとれているんですけれど。
台本にはないので、本番まで
何を聞かれるか本当に分からない。
だからしゃべっていることの
5倍くらいの情報を知識として
アタマに入れておかないといけないんですよ。

聞かれてから「えーっと」なんて悩んでいると
伝えている情報の信憑性が欠けてしまうんで。
今日の放送で10の事を出そうと思ったら
頭の中には50入れておいて、
放送では10喋って、
見ている人に伝わるのは結局1、
みたいな感じですかね。
これだけ言えばいいっていう事だけ頭に入れておくんじゃなくて
とりあえずいろんな事を頭に入れて、
そこからどれを言おうか、
どれが一番大事なのかって考えないと
本当に大事なことって
なかなかしゃべれないような気がするんですよ。
でもそうやっていると
伝えていることの全体像が見えるので
ミスはほとんどしなくなりますね。
間違ったことはいわなくなります。
イズミ 元々アナウンサーになろうと
思っていたんですか?
今泉 高校出て、お金が余り家になかったので
国会図書館というところに
公務員試験をうけてつとめまして。
で、夜間の大学にかよいました。
で、大学4年のとき、
バブル絶頂期だったので、
周りのみんながどんどん内定していくわけですよ。
そういうのを見てて
就職活動っていうものがしてみたいぞっと。
イズミ してみたいぞっと。(笑)

今泉 就職したいんじゃないんですよ。
もう公務員だったので。
活動がしたかったんですよね。
で、1番おもしろい活動って
なんだろうって考えたらテレビ局だなって。
僕、小学校と高校で放送部だったので
アナウンサーがいいなーって。
はなから受かるなんて思ってないんですよ。
でも、最初はちょっとはずかしかったので
自分が夜間の学校だとか、
公務員だということを隠して受けてたんですけど、
やっぱりどこかでウソをついてる感じが
出るんでしょうね、
落っこちるんです。
そのうち、夜間だとかいうのを
隠して試験を受けているのもいやになっちゃって、
あるときから本当のことはなすようにしたら
今度は結構残るようになってしまって。
で、しまいには本当に
アナウンサーの内定もらいまして。
受かるなんて思ってなかったんで、
内定もらってから
本当にアナウンサーになるかどうか
考えたんですよ。
内定したのが福岡の局だったので、
実家が青森で母親一人で青森にいるし、
遠いな、どうしようって。
そんな調子だったので、
本当に認識が甘い状態で
アナウンサーになりました。
別にアナウンサー学校にいっていたとか、
アナウンス研究会にはいっていた人と
比べると本当に、
仕事に対する意識とかぼんやりしていたので。
イズミ 人気の職業ですもんね。
専門学校があったりとか。
今泉 みんな、アナウンス学校に入学しないとなれない、
くらいの気持ちで受けているらしいんですよ。
私なんか大学の就職部に内定の報告にいって、
目の前で書くじゃないですか、
「福岡放送」って。
書いたら就職部の人が
「え? テレビ局? 職種は?」
「あ、アナウンサーです」
「なにそれコネ?」って(笑)
失礼きわまりないんですけれど
珍しかったんでしょうね。
うちの大学の夜間の部からアナウンサーになった人が
いない、というより、
全国的にもそんな人いないと思います。
私としては、こんな人もいるので
皆さん勇気をだしてくださいね、
というつもりで仕事しているんですけれどね。
ただ、最初はぼんやりしてたし下手でしたけど、
知識が無いまま一から仕事をはじめたのは良かったですよ。
やっぱり「伝える」仕事には
当然アナウンスメントの技術も
必要なんですけれど、
最終的には人に会って何を感じるかとか
そういう事の方がずっと大事なんですよね。

テレビってそれまでの
人生経験がそのまま出ちゃうんで。
今になってみると、
いろいろ経験しておいて
よかったなぁって思います。
だから、ちょっと西葛西に行って、
接客お手伝いするくらいはどうってことないです。
なんだって人間やらないよりは
やったほうがいいと思っていますし。
事実やってみてよかったです。
帰りに野菜ももらったし(笑)






今泉 売るのは大好きなんですけれど
お金がからむとだめなんです。
だから商売やるのに向いていないんでしょうね。
自分の仕事もそうで、よく請求書出し忘れたり。
終わった、楽しかったぁって帰ってきて、
そのまま5ヶ月請求書出し忘れていたり(笑)。
そのくらいお金に頓着しないんですけど
イズミさんは売上も
考えないといけないですしねぇ。
イズミ そうですねぇ。
ただいつも考えていたんですけれど
売上ってあくまでも
「結果」としか考えていなかったですから。
それを目的にしてしまうと、
結構、悲しかったり。

とにかくお客さまに
喜んでもらおうと思っていたんで、
その積み重ねで、自分が今、接客楽しんでいれば
結果として売上はあがるんだろうなぁと
ずっと考えていたので。
まぁ、結果としてそうなったんですけれどね。
トラックストアで北行って東京に一度戻って
南行く頃には桁がちがってましたからね。

今泉 SKIPの野菜は
急激にドカンって
売れるっていうものじゃないんでしょうねぇ。
じわじわっていう感じのものなんでしょうねぇ。
こないだ接客しながら
イズミさんに言ったことがあって、
それをイズミさんが糸井さんに
伝えてくださったみたいなんですけど。
「この事業をこけさせたくない」
って言ったんですね。
今後こういう試みをしようって
いう人はいないと思います。こういう体制で。
だから、これがこけてしまったら次はないかも、
もう、やろうって言う人は
あらわれないかもしれないって思っていて。
でもすごく大事なことだから、やっぱり
こけさせたくないていうのを
勝手に思っていたんです。
なんかそれをいったんですよね、イズミさんに。
でそれを糸井さんに・・・
イズミ 告げ口しましたね。
その日のうちに。今泉さんとあったその日。
かえってすぐですね。
告げ口しました。(笑)
今泉 告げ口じゃなくて報告とか言って下さいよ。
なんか悪いことしているみたいじゃないですか。
告げ口っていうと。(笑)
イズミ でもそれくらいうれしかったんですよ。
とにかく糸井さんに伝えなくっちゃって思って。
今泉 そしたらすぐ糸井さんからもメールがきて。
おんなじ気持ちでやっていますって。
やっぱりそうだろうなぁって思いましたよ。

イズミ 「おんなじ気持ち」
それがすごく不思議というか
おもしろいんですよね。
自分たちも絶対に成功させるって
思っているんですけれど。
なんかこう、まわりの方にまで
そう思っていただけるって
なかなかなくって。で、これがボランティアだとか
だったらわかるんですけれど、
れっきとした営利を目的にした企業で、
そういうことをやっているにもかかわらず
「頑張ってください」とかいわれたり。
で、それは私がっていうよりは、
スキップがっていうことなんですけれど。
だから滅多にないいい仕事をさせて
もらっているんだなぁって思いますよね。
今泉 そんなにバカバカ儲かるっていう仕事じゃないと
思うんですよね。
リスクもあるじゃないですか。
天候によるリスクとか。
だけど採算がとれて続いていって、
広がっていって増えていく。
売り上げも、ゆっくり斜めに上がっていって、
そうすると販路も拡大されて、という感じ。
その増え方が、急なんじゃなくて
富士山の裾野のように
すごくなだらかなんだろうなぁって
想像してるんです。
ずーっとなだらかで、
あるときから倍とかに
なったりするといいんですけど。
1が2、2が4みたいな。
そういう感じなのかなぁって。
最初がものすごくなだらかだからといって
そこでくじけちゃいけないと思うんです。
じわじわと、確実に増えていくような
気がするんですよね。

まぁ、実際に仕事してるわけじゃないんで
端から冷静に眺めてみて
そういうもんなんじゃないかな、
と思っただけなんですけど。
急な結果を求めても多分難しいですよね。
イズミ そうですね。
そういえば、初めて今泉さんにメールを頂いたのが
12月10日なんですよ。
で、その間にメールを
何回かやり取りさせてもらって、
トラックストアを手伝ってまで頂いて。
考えてみれば急展開ですよね。
で、いまこうしてお話伺わせて頂いている。
こういうことが、
本当にこの仕事やっていてよかったなぁって
いうところですよね。
今日はどうもありがとうございました。
今泉 そういっていただけるとぼくも、うれしいです。
こちらこそ、どうもありがとうございました。

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