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ほぼ日手帳

糸井重里

・蒸気機関車が発明されて鉄道網が張り巡らされて、
 それはもう、いろんなことが変化したはずです。
 自動車が発明されたことで、道路が整備されていって、
 これもまた、ものすごくいろいろ変わった。
 人が、生まれたところから離れやすくなったし、
 一気に、遠くは近くになっていきました。
 同じように、活版印刷の登場で、
 文字やことばが大量に世に配られるようになったこと、
 電話やテレビが発明されそれが広がっていったこと、
 いまの時代を生きている人は、それらのことが、
 そういえばそうだったんだよなぁ、と思うだけです。
 なかったものが、あるようになって、
 それが広がっていって社会に蔓延っていくというのは、
 とんでもない変化をもたらすものですが、
 初めのうちは、そこらへんのことがよくわからないのです。

 でも、いまの時代は、
 画期的な変化が止まったようにも見えています。
 それもある意味で正しいように思えます。
 いま現在だと「人工知能」の発達について、
 みんなが「どえらい変化になってるぞ」と言ってますが。
 たぶん、ほんとにすっごいことなんだと、ぼくも思います。
 ある限定的な頭のよさだとも言えますが、
 人間がじぶんの「脳がやる」はずだった仕事を、
 代わりにやってくれる「機械=機会」を持っちまった。
 ツルハシやスコップでやっていた道路工事に、
 ブルドーザーがやってきた以上のことだと思います。
 脳の仕事を、10日どころか3分でやってしまうのですから。
 でも、その画期的な変化の前には、
 ほんとうにすごい下ごしらえがあったんですよね。

 それは、全世界のかなり全員と言えるほどの人々が、
 みんな「コンピューター」を持って暮らしていること。
 そう「利口な電話」と呼ばれているコンピューターです。
 それはつまり「超でかい脳を組み込んだ人間」の時代が、
 とっくに準備されてきたということです。
 これは、「人類全体の脳ばかり」を巨大にしてしまう。
 この奇跡的な大変化は、とんでもないことでしょう?

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「脳化社会」は、スマートフォン全員持ちで、ほぼ完成した。

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