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ほぼ日刊イトイ新聞

2025-05-04

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・つい先日、「ほぼ日」でも対談が連載されていた
 岩尾俊兵さん
の新刊『経営教育』を読んでいました。
 「経営学者にして経営者」の、渾身の書き下ろし、と、
 帯に記されていますが、ほんとうにそういう感じです。
 内容は「実用」になる要素と「大きな概念」と、
 両方で成り立っています。
 著者の言い方によれば、「経営学」の特性として、
 「神様のように上空数万メートルから眺める視点」と、
 「具体的なアドバイスをする上空2メートル以下の目線」
 が、どちらも入っています。
 ちょっと「ほんとかよ」と思うでしょ、ほんとでした。

 ぼくの興味を軸にして、いちばん短く言うならば、
 「価値創造の民主化」ということが書いてあります。
 「奪い合う世界」から「創り合う世界」への大転換とか、
 もともとぼく自身が考えていたり、
 やりかけていたりしていることが、
 研究者(であり実践者)のやり方で書かれています。
 野中郁次郎先生の『二項動態経営』にある
 「共通善に向かう集合知創造」に通じるものです。
 日本から石油が出るより、大きな金鉱が見つかるより、
 人間の創造する「価値」のほうが重大で、
 その価値を掘り出すのに知識と意識が必要だよ、と。
 こういうところも、ぼくはとてもしびれたんですけどね。
 それを、みんなにうまく伝えられるかなぁ。

 そして、「価値」を掘るためのとてもわかりやすい道具が、
 この本には組み込まれています。
 それが、「具体的なアドバイスをする」ものです。
 「未来創造の円」と「問題解決の三角形」、
 そして「七転八起の四角形」という三種の神器です。
 なんだか、大河ドラマ『べらぼう』に出てくる
 平賀源内先生の話を聞いてるみたいな感じですが、
 これは「エレキテル」ではございません。
 岩尾さんが、実際に経営している企業でも、
 大いに試し役立てている思考のツールなんですよね。

 『経営教育』は、ぼくには書けなかった
 「ぼくの考えていることを書いた本」と勝手に思ってます。
 連休明けに、乗組員たちとこの本の話をしたいです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
あなたも、みんなじぶんの人生の「経営」をしているんです。


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