ARAI&YONEMITSU 夢中になりたい!
広島・東京・世界

第14回 『タイトルマッチ』

よ: 今回は、趣向を変えて
タイトルのお気にいりお勧め合戦であります。
前回、言った「ごめんね.」を飲んだのですが、
ごめんねって味じゃなかったよ、
なんで「ごめんね.」なんだろ?
ア: コミュニケーションに役立ててくださいってことかねえ。
仲直りの印に恋人にわたすとか? そう考えると、
スナック「いつものところ」的な発想ですな。
『洗濯機は俺にまかせろ』。
映画です。
筒井道隆が出るんだけど、どんな内容なのか
ちっともわからなくて好き。
渋谷のアップリンクにてチラシ採集。
よ: 映画だと古いですが
『馬鹿が戦車でやってくる』ってタイトルが大好きで、
妄想している内容と違ったらどうしようと思って
見るのが怖くて見てません。
ア: それ、たしかケラさんがうたにしてた。
昔の映画のタイトルっていいよねー。
よ: あとソ連の
『モスクワは涙を信じない』ってタイトルもイカす。
ア: 『暗くなるまで待って』。内容に即しつつ、
微妙な謎で興味をひっぱる匙かげんよね。
よ: 読んでないから知らぬが、老人介護問題の本だと思う!
『PPK(ピンピンコロリ)のすすめ』
ア: なんかコロボックルみたいでかわいいな。
演劇行きます。
『母を逃がす』。ん〜かっこいい、ほとんど一行詩。
演劇界のタイトル王、松尾スズキの五月の新作。
ほかに、
『ファンキー〜宇宙は見えるところまでしかない』
(岸田戯曲賞受賞)、
『なついたるねん!』
(アホの坂田とやったユニットで、受賞後第一作)、
『生きてるし死んでるし』など。
この方のタイトル力にはほれぼれするっすー。
よ: これまた読んでないので知らぬが少年の
むずむずした青春小説じゃないでしょうか?の
『半ズボンの中のピンチ』!
ア: わはは。すごいせっぱつまった感じ。
『半』が効いてますね、こりゃうまいや。
本です。
『「いい人」をやめれば楽になる』。
タイトルにつづけて『敬友録』とあるんだけど、
タイトルとの関係がよくわかんなくて気になる一冊です。
曽野綾子著(祥伝社)。
よ: 曽野綾子さんっぽいって気もしますな。
本のタイトルシリーズ!
『「いいひと」ほど心を病むのはなぜか』
『いいやつほどガンになる』
いい人はさんざんです。
『淋しい女は太る』って
ちょっと怖いタイトルの本もあったなぁ。
ア: 『いいひと。』ってマンガもあったね。
しかし実用書のタイトルはすごいね。
『功なき者を活かす〜リストラ時代の人材活用』
(光文社)……きっつー!
『この株をいま買わずしていつ買うのか』
(実業之日本社)……まんまやんけ、
『三年後に笑う会社〜正念場のラストチャンス』
(光文社)ってのもあった。
サブタイ意味不明だけど、なんか勢いだけはある。
よ: 『7円でガンが治る』ってのもあったよね、
その本が7円では買えないのに。
竹村健一氏の本のタイトルも好きです。
とくに『3分間ごとに世界通になる本』
『3分間ごとに世界の大変化を知る本』ってのが好き。
3分間ごと!ってのがゾクゾクくる〜。
内容もバッサリ!って感じで面白いです。
ア: シンプルで好きなのはね、『数の悪魔』(晶文社)。
悪魔なんつーマイナス感強いことばを、
知的に御しました。
「算数・数学が好きになる本」というサブタイつき。
シンプルといえば、
うちの近くに「億萬」っていう中華屋さんがあって、
「おいしいあるよ」という手書きキャッチが好き。
もう変色しちゃってよく読めないけどね。
よ: おいしいあるよ!って卑怯っすねぇ、
中国の人が日本語しゃべると語尾に「あるよ」って
本当につけるのでしょうか?
会社の近くには、地下喫茶『もぐら』ってのがあります。
建築関係では、荒川修作さん+マドリン・ギンズさんの
テーマパーク『養老天命反転地』!
ア: すごいよね。
よく岐阜県はそれを許したよね。エライと思うよ。
作家でうまいのは森博嗣かなあ。
『すべてがFになる』……かっこいー。
このへんはよねみつさん一言あるでしょう。
あと内田春菊もうまいよね、突き刺さる感じ。
『私たちは繁殖している』とか。
ダーツみたいな印象です。
よ: 森博嗣さんはタイトルが『封印再度』で
英語タイトル『WHOINSIDE』で
しかも内容とピッタリってのが素敵。
ア: 『地球儀のスライス』ってのもいいね。
装丁も好き。もっと言っちゃえば、
内容以上にパッケージが好きかも〜。
やっぱあざとい造語とか使わず、平易な言葉同士を
ぶつけてるやつがわたしには響く。
俳句といっしょだな。
よ: いろいろ内容を妄想させるタイトルが好きです。
伊藤潤二さんの『首吊り気球』って凄い。
内容はもっと凄いけど。
『「魔術」は英語の家庭教師』ってのも
タイトル買いしたんだけど、内容も凄くて、
タイトル通りの内容でした。
ア: タイトル買いってたまにやるよね。
『歯ぎしり球団』、買っちゃったなー、
いかにも吉田戦車だけど。
塔山森(山本直樹)の『お姫さまといろいろ』は
まんまエッチでした。
パロディタイトルで『あたしにしかできない職業』
っていう海外ミステリはアタリでした。
よ: あと、ノーパンしゃぶしゃぶ接待の後の
スポーツ新聞の記事に
『今度は、まつたけお吸い物接待!』という
見出しがあったってのは、
アライさんからお聞きしたんでしたっけ?
ア: ありましたありました。
電車の向かいに座った人が読んでて、
もう気になって気になって。
よく行くバーで店中の人に
『どんなの?』って聞きまくったことあり。
結局なんなんですか?
よ: 前に説明したではありませんか、
こんな公共の場では書けません。
ア: ええ!? 忘れちゃったよー、教えてくれー。
●次号予告
ア: ほんとは『十二国記シリーズ』(小野不由美)に
夢中になってます。
いいですよー、ネガティブな少年少女たちが
暗ーくいじいじと、なかなか突き抜けずに成長していく
『三つ子の魂百まで』ファンタジー。
『図南の翼』なんちゃあ泣けまっせ、ダンナ。
オトナ向けに出版しなおせばヒットしそうだけどな、
『屍鬼』効果あるうちに。
よ: 小野不由美さんは『悪霊シリーズ』も面白いです。
ア: 実はまだ迷ってるんだけど、
次回は「かにかま」にします。
特に、紀文の「マリーン」。
『十二国記』読みながら何本食ったことか。
よ: かにかま?
ア: いろいろ食べくらべてみてね。
  To Be Continued

1999-04-22-THU

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