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土曜日は土っち!?〜あいまいサタデー〜

「読めるけど、いつもどっちか迷うんだよね」
「ことばは知ってるけど、書けといわれると自信がない」
あいまいなことばをクイズでお楽しみください。





独擅場の読みかたは
どっち?



どくだんじょう

どくせんじょう


クリックすると答えが下に表示されます。





●よーく見てみよう。

アロハ
ブーブー! ブーブー!

りか
おっとブーイングが。

アロハ
だってー、わたしこれ、
迷ったんで調べたことあるんですよ。
そしたらちゃあんと、
「どくだんじょう」で
「独壇場」が出てきましたもん。

りか
それはそうですよん。
アロハっち、よーーーっっく、
字を見てみて!

アロハ
じーーーーー‥‥‥‥。
あ! 「壇」じゃなくて
「擅」!!

りか
ぴんぽ〜ん。
「壇」なら「独壇場」と書いて
「どくだんじょう」と読みますし、
「擅」なら、「独擅場」と書いて
「どくせんじょう」と読みます。
さ・ら・に、
意味も使い方も一緒です。

アロハ
えー? どういうことですか?
「独擅場」も同じ?

りか
本来、「その場をひとりの人間が
したい放題にすること」ということを、
「ほしいまま」という意味のある
「擅(せん)」の字を使って、
「独擅場(どくせんじょう)」という
言葉で表していたのね。
だからもし、ほんとうに正しいのはどちら?
と聞かれれば、
こっちっていうことになるんだけど。

アロハ
それが今は、「独壇場」でも
同じ意味を表すのですか?
あ、もしかしてこれもまた、
慣用によって、
どちらも使われるようになったとか?

りか
ぴんぽんぴんぽ〜ん。正解です。
下の「解説」にもあるように、
「独壇場(どくだんじょう)」が、
誤用から始まって、広まったようですね。
言葉の意味も近い、
「独断(どくだん)」って言葉もあるし。

アロハ
でもーそれならー、
「独擅場(どくせんじょう)」は
「独占(どくせん)」と
音が同じだし意味も似てるから、
誤用はされなさそうですけど。

りか
うーん。
「壇」って字が教壇とか演壇とか、
その場にひとりで立っている様子を
想像しやすいから、影響したのかも。

アロハ
ビジュアルが浮かびますもんね。
ことばって、
ビジュアルが浮かぶもののほうが
そりゃあ強い気がするー。

りか
あと、「壇」はほかにも、
「土壇場(どたんば)」とか
「花壇(かだん)」とか
地名の「壇ノ浦(だんのうら)」とか?
よく見かける字だけど、
「擅」はあんまり
見かけない字だっていうことも、
「独壇場」の広まりに拍車をかけたと
推察いたしますです。

アロハ
なるほど〜。
で、辞書に今は両方のっているんですね。
すごいすごい。
「独壇場」は誤用界の
ヒーローですね。

りか
ま、ともあれ、「独壇場」は、
「どくだんじょう」。
「独擅場」は、「どくせんじょう」。
この読みかたは変わっていないから、
そこは気をつけましょー!

【解説】 どくせん-じょう ―ぢやう 【独擅場】
その人ひとりだけで、思いのとおりの振る舞いが
できるような場面・分野。ひとり舞台。
独壇場(どくだんじよう)。
〔「擅」を「壇」と誤り、
「ひとり舞台」の意から
「独壇場(どくだんじよう)」の語が生じた〕
三省堂『大辞林 第二版』より

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2006-06-03-SAT

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